注意)ここから大大大捏造。魔法学校です。
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クローバー王国の15歳は、魔導書を得たと同時に魔法学校に入学する。学校には行かずそのまま魔法騎士団に入る者もいるが、大抵の人、というか貴族は魔法学校にも通いながら騎士団にも属している。
「私は入れるかな・・・」
ナマエの魔法は、回復魔法だった。あの分厚い魔導書は日本で言う、家庭の医学的な?とにかくかさばるので特殊な魔道具で持ち運びしやすいコンパクトサイズに大変身。でもこれなら魔法騎士になるより医者になったほうがいい気もする。
でも私は・・!紅蓮の獅子王に入りたいんだ!!
それなりに修行をすれば、攻撃魔法だって習得できるはず!多分!
「ナマエ~、制服買いに行くわよ」
「あ、はい!」
今日はお母様と街に行って学校用品を買い揃える。制服のデザインは西洋ぽくてなかなか可愛らしい。
「学校、楽しみだな」
学校なんて何年ぶりだろう。トリップ前は普通に社会人で、学校時代のことなんて忘れる程に忙しい日々だったな・・・。
再び味わえる学生気分に、昂ぶるナマエであった。
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「モニカ!」
「ナマエ!」
入学式当日も、私とモニカは待ち合わせて一緒に行くことになっていた。
「制服似合ってる!」
「ふふ、そっちこそ」
見るからに高そうな生地。ただの制服なのに、いちいちゴージャスだ。あれ、なんか日本にそんな芸人いたっけか。
「試験会場はあちらです」
受付を済ませると、案内されたのは広いグラウンド。
「いや待って!?試験あるなんて聞いてない」
「多分、クラス分けの試験だと思うよ」
筆記試験じゃないだけマシかもしれない。
「クラス、一緒だといいね」
「ね・・・」
「皆様、ご入学おめでとうございます。今から簡単に皆様の魔法を見せていただき、結果をクラス分けに使いたいと思います。それでは、初め」
先生は敬語だった。まあ王族もいるし。ってあれ?いない。
「勿論、王族の皆様は試験免除でございます」
そんなのありかーい。羨ましい。てか私箒なんて乗ったことないよ!
「うおっ!」
とりあえず跨ってみたら浮いたので、とにかく動いてみた。スイスイと空を駆けてゆく。なるほど、コツが掴めたぞ。
「ナマエ、すごーい!」
私の遥か下で、モニカが言った。小さくて見えない。
気付けば私は他の新入生を追い越して一番上にいた。とっても寒いです。
「ナマエ・ミョウジ!よろしい、あなたはA組です」
監督官が上まで来て伝える。
「他の試験はもういいんですか?」
「免除です」
よし。多分これは一番上のクラスだ。両親が喜びそうだ。
あとはモニカ、頑張れ!
ナマエは地面に降りて、A組に案内された。もう二人、男の子と女の子も案内された。
「こちらでお待ち下さい」
「「はい」」
そこは凄く豪華なバロック建築のお城の城門で、王宮ほどの規模ではないが、少なくとも私の家よりデカいところだった。
てか、こちらでお待ち下さいって言われても、、。城に入っていいってことなの?
「私、イジドーラ・ニーホルムよ。イジーでいいわ。水色の幻鹿団所属。あなたは?」
女の子が話しかけてくれた。というかもう魔法騎士団に入っているの?もしかして私はもう間に合わない?
「僕はアルフレット・ファンビューレン。まだ魔法騎士団ではないよ。ニーホルム家の方かあ。お会いできて光栄だよ」
「いえ、こちらこそ」
見るからに育ちの良さそうな二人。あれ、私最早空気と化してる?
「あ、あのう、私はナマエ・・・」
「ミョウジでしょ?知ってるわ。」
「え?」
なんで知っているのか。私はこの二人のことは今日知ったのに。
「あの老舗魔道具メーカーミョウジくらい誰でも知ってるわ。なにせ王族御用達だしね。」
イジドーラはつらつらと語る。そんなに有名だったのか、私の家。
「だからみんな、あのミョウジ家の一人娘には興味津々なんだよ。プレッシャーかかるよね。うん。」
「一緒に頑張りましょう!」
アルフレットが紳士的すぎて神。好きになりそう。イジーも可愛い。
「うん!」
新しい私の友達、できました。
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