女兎が啼く | ナノ
悪夢
ざわざわと、此処はとても騒がしい。
目の前でお母さんが転がっていた。その前には着物姿の私がいる。
あれ、私何やってるんだろう。手を動かせば後ろでカチャリと鎖が鳴り、ようやく私は縛られていることに気づく。
あれ、私寝てたよね…?これ、夢…?
『な、何でお母さんが…!っあ、お母さ…!』
お母さんの姿を見れば、周りに大量の血の跡が付いていて、それは辺りの残酷さを簡単に表していた。
名前ーー。
お母さんの声が聞こえる。私を呼ぶお母さんの声が。よかった、お母さんはまだ生きてる。それでも微塵にも動かない母の姿を見ると、私の目からは自然に涙が溢れ、不安でたまらなくなり、ただただ叫んだ。
『お願い、早くこれ取って…!お母さんが、お母さんが死んじゃう!』
「だいじょーぶだいじょーぶ。お前のお母さんなら元気に笑ってるよ。だからさ、続きやろっか」
『!? お、お父さっ…! やだ…おか、お母さんッ…!お父さん早く助けてあげて…!』
「自分の心配じゃなくてお母さんの心配するんだ?好い子だねェ、名前ちゃんは」
お父さんはそう言いながら微笑むと、そのまま下に手を滑らせ、無残にも晒された私の太腿をざわりと撫でる。
何でお父さんが?じゃあ私は今いくつ?どうしてこんな事を?あれ、私此処見たことある。確か此処はーー。
『!? やだ、嫌だッ!』
お母さんが死ぬ処だ。
『お母さんお母さん!っ、お母さん!』
「あーコラコラ、暴れるなって。お母さんじゃなくて俺を見ろよ名前」
『やだぁ…!はっ…ん!』
抵抗するも手が縛られ、上手く体を動かせない。行き場のない涙が目からぽたりぽたりと流れた。
そしてお父さんは固く膨張したソレを、容赦なく私の膣内に押し込んだ。
『っ!? あ、あぁあ…!やめッ、お父さんお願いやめ…は、っあ、んんん!』
「ん〜?…おーなに、名前泣いてんの?かーわい」
『やらっ…!はっ、あっ、ああ!おかあさ、お母さんっ!」
「あ〜駄目。名前可愛すぎんだろ。俺に犯されてんのに必死に楓に助け求めるとか超やべえわ。っ、興奮する」
『お父さ…っ、ああっ!っ、んんっ!』
「名前。お母さんの前でイっちまえよ」
『やだ、やだぁ!お母さん!お母さ、っん!』
「〜〜っあー気持ち。なァ名前。お母さんのこと必死に呼んでるけどさあ」
お母さん、もう死んでるから。
耳元でそう囁かれ、私の思考は固まった。聞いた途端に堪えきれない涙がわっと溢れ、身体の限界が来たのか、私は最悪にもそのまま果ててしまった。
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