TEL
PRRR………。


『もしもし、夢乃!』
「もしもし。昨日ぶりだね、もうお風呂入った?」
『うん。 今布団…ちょっと参考書読んで、夢乃からの電話待ってた』
「あー、もうすぐテストだもんね。 えらいえらい」
『ご褒美のキスして』
「…」
『帰ってきたら、ご褒美のキスして』
「き、聞こえてるよ…。帰ったらね、うん」
『やった』
「あ、そういえば杏ちゃんから写真送られてきたよ」
『え?なにそれ。 なんの写真?』
「今送った、見て見て。 蓮が寂しそうに携帯見てる写真」
『いつの間に…。 仕方ないだろ、泣きそうなくらい寂しいんだから。夢乃全然写真送ってくれないし』
「え、写真足りない?」
『うん。夢乃も足りない』
「それは…うー…仕方ないでしょ………明日はもっと写真送るよ」
『やった』
「…あ、そうだ。 お詫びに…?これあげる」
『………』
「…ごめん。いらなかった?」
『そんなわけないでしょ。 あー、可愛い、貴重な夢乃のピン写…待ち受けにしよう…』
「えっやめてよ! やだよ顔出しパネルだよ!?笑われるよ!?」
『いや可愛いから。特に少し恥ずかしそうな笑顔が俺に刺さる』
「…じゃあ私、蓮が青汁飲んで苦そうに舌出してる写真待ち受けにする」
『えっやめて、もっと格好よく写ってるのにして!』
「じゃあ顔出しパネルは待ち受けにしないで」
『ヤダ』
「蓮?」
『ヤダヤダ!待ち受けにする! 好き好き愛してる。早く会いたい、大好き夢乃…』
「ねえ今モルガナすごい顔して君の事見てたりしない?」
『モルガナは双葉の家にいる。 今日はちょっと…な』
「?」
『そういえば今日は自由行動でナポリ行ったんだろ? どうだった?』
「ん、凄かった! やっぱりヨーロッパの街並みって可愛いいね」
『俺は夢乃の方が可愛いと思うけど』
「はいはい」
『…いつか2人で旅行したいな、国内でも国外でも。色んなもの見て楽しそうにする夢乃を見たい』
「旅行なんだから景色とか食べ物に集中しなよ」
『うー、やだ、夢乃が1番だもん…』
「もう。 …あ、そろそろ消灯だから部屋戻るね。蓮もはやく寝るんだよ? また寝る前にチャットするね」
『もう?はやい』
「仕方ない」
『ん…あ、ちょっと待って』
「?」
『いつも一緒に居ても夢乃のこと大好きだけど…こうやって簡単に会えない距離に離れて、余計に夢乃が大好きだって思った』
「う、うん…何?どうしたの?…わ、私も、大好きだよ? いつも大好きだし…えっ、急にどうかしたの…?」
『…夢乃、俺の名前呼んで…』
「蓮?」
『………』
「えっ 蓮?どうしたの?」
『………すきって、言って?』
「………す、好き」
『……おれ、も。俺も夢乃のこと大好き…』
「う、うん…」
『………ッ…』
「…蓮?」
『はー、…夢乃好き。はやく会いたい』
「ねえ蓮?今何してた?」
『え? あー…ごめん。時間大丈夫?』
「あっ、やばい。 部屋戻る、おやすみ蓮っ」
『うん。おやすみ夢乃、愛してる』
「あっ!? あい、してます、はい、…ツ───」


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