第四話「家族」


「全く!

ちぇんちぇーには隠し事が多いのよさ!」

喫茶店トムでピノコは

パフェをやけ食いしていた。

ものすごいスピードでパフェは消えていく。

「もう閉店時間だってのにな…」

「すみません。

ピノコちゃんに付き合ってあげてください」

苦笑いしたトムのマスターに未来は頭を下げた。

その様子はピノコの母親のようだった。

「未来さんが謝ることじゃないですよ」

そんな未来に和登が優しく言った。

「おかわり!」

すごい剣幕で食べるピノコがそう叫んだ。

慌ててマスターがパフェを作り始める。

「でもどうして電話してきた人は

ブラックジャック先生の本名を

知っていたのかしら」

不思議そうに久美子がそう言い始めた。

「未来さんは

学生時代の知り合いだから知ってたんだよね?」

「あ!もしかして先生のお父さん?!」

久美子と写楽がそう推理した。

「だったら尚更ひどいのよさ。

ピノコはちぇんちぇーと未来しか

家族がいないのに」

「何言ってるの!

家族ならここにも沢山いるじゃん!」

悲しそうなピノコに和登が叫んだ。

本当に心からピノコを家族と思っているのだ。

「先生がいないなら退屈だろう?

ここで先生の帰りをゆっくり待てばいい」

そう言ってマスターは片目をつぶった。


to be continued