第一話「オールドラントへ」


私達を包んだ光はすぐに消え

気がついたら青で統一された

部屋にいた。

「ここは?」

「私の執務室ですね」

ジェイドがそうつぶやくと

「ジェイド!

よく無事に戻ってきました!」

また聞きなれた声がした。

うわ…ディスト!

アビスをプレイするたびに

うっとおしいと思ったキャラだ。

どんだけジェイドが好きなのよ。

私も負けないけどね。

「ん?そこの女は誰です?」

「きやすく女と言わないでほしいですね。

私の恋人です」

「え?そうなの?!」

恋人と言う言葉に私は照れた。

「おいおい。

あんな情熱的に告白されたじゃないか。

と、そう言えば

自己紹介がまだだっけな」

ピオニー陛下は私に手を差し伸べてきた。

握手だろうとわかり、私も手を出した。

「ピオニー・ウパラ・マルクト9世だ」

「長谷川未来です!」

皇帝と話すなんて初めてだから

すっごく緊張した。

「長谷川と呼べばいいか?」

「あ!長谷川はファミリーネームで…」

「じゃあ未来だな!

俺の事は気楽にピオニーでいいぞ。

美人にはそう呼ばれたいからな」

にっこりとピオニー陛下は笑う。

「そ、そんな恐れ多い…」

「はは!未来は真面目だな」

ピオニー陛下はもう一度笑うと

「で、これから未来はどうする?」

ジェイドにそう聞いた。

「ひとまず私の家で

生活した方がいいですね」

ジェイドはしれっと言った。

「なんですって?!」

「じぇ、ジェイド!それは…」

今まで黙っていたディストと私は

ジェイドの提案に焦った。

「なぜ焦るのです?

今までも

一緒に住んでいたではないですか」

「そりゃそうだけど…」

確かにジェイドの言う通りだ。

でもでも!

あの時は両想いじゃなかったもの!

今まで以上に緊張すると言うか

照れてしまうと言うか…。


しかしジェイドに言われるまま

ジェイドの家…

というか屋敷に私は案内された。

ジェイド

こんな屋敷に一人で住んでたんだ。

寂しくないのかな?

というか土地がもったいない!

「なにを考えているのです?」

ジェイドはとても優しく聞いてきて

「な、なんでもない!」

そのジェイドの笑顔に

私はまた照れた。

こんなに優しく話しかけられるの…

初めてだ。

改めて両想いなんだと実感できる。

「さて…

いきおいで連れてきてしまいましたが

どうしますか?

貴女が嫌なら、宿を手配しますが…」

「そ、そんな…」




A.「ジェイドと一緒がいい」
B.「ホテルは寂しい」

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