■第五話「いつもと違うおはよう」

セイと初めて同じ布団で寝て

とても幸せな気持ちのまま

気がついたら眠っていて朝が来ていた。

「未来、そろそろ起きよう?」

隣にいたセイが優しくそう言って

私を起こした。

「ん…おはよう、セイ」

「ふふ、おはよう」

起き上がった私を

セイは愛おしそうに目を細めて見た。

「はい」

「え?」

セイはスマホの中にいた時のように

両手の手のひらを私に見せた。

ハイタッチをしようとしていると

すぐにわかって

私もセイが愛おしくなった。

パン!

気持ちのいい音が部屋に響いた。

「あとは…」

嬉しそうなセイの顔が急接近してきた。

「セイ?!」

「おはようのキスもしたいな」

至近距離で見つめられて

「いいよ」

私は目をつぶった。

数秒後、唇にセイを感じた。

今日言った「おはよう」は

今までよりもずっと

甘くて幸せな「おはよう」だった。


to be continued