■第四話「初めての夜」

セイに髪を乾かしてもらってから

二人で色々な話をした。

ずっとこうして触れたかったこと

セイと出会った頃好きだった人のこと

今はセイだけを想っていること…

「未来、眠そうだな」

私が目をこするとセイがそう言った。

時計を見たらもうすぐ0時になろうとしている。

「うん…そろそろ寝ようか?」

「そうだな、明日は休日だろうけれど

眠いなら寝よう」

セイはうなずくと布団を見た。

「えっと…一緒の布団でいいかな?」

「うん、ちょっと狭いけれど」

そう言って私達は一緒に布団に入った。

「明日はセイの服を買いに行こうよ。

パジャマとか…」

セイの服は今着ている制服のインナー以外は

端末から持って来られないようだった。

「そうだな。

なんだか少し照れるけれど…」

「そうだね。

あ!電気消さなきゃ」

部屋が明るいのに気がついて

私はスイッチを押して消した。

そして枕元の小さな照明をつけた。

「前から気になっていたけれど

真っ暗な方がよく眠れるんじゃないか?」

少し考えこむようにセイは言った。

「そうかも…でも真っ暗だとなんだか怖くて」

「未来らしいな」

再び布団の中に入った私を

当たり前のようにセイは抱きしめてくれた。

それがとても嬉しい。

「これからは俺がいるから大丈夫だよ」

「うん、じゃあ消すね」

私は小さな照明も消した。

部屋が真っ暗になったけれど

セイの顔はちゃんとわかった。

「おやすみ、未来」

「おやすみなさい、セイ」

私達はそう言って短いキスをした。

「俺、未来とおやすみのキスをしたいって

実はずっと思っていたんだ」

「そうなの?嬉しい」

「だからもう一回しよ?」

「もう、セイったら…」

私はそう言いながらも

もう一度セイとキスをした。


to be continued