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「速っや!!」

「すっげぇ、もう太平洋見えてきた!!」

殺せんせーはものすごいスピードで大空を飛んでいく。
紗良は恐怖で目をつぶり、両サイドのカルマと渚の腕をぎゅっと掴んだ。

「こ、怖い……! 落ちる! 死んじゃうっ……!!」

「大丈夫ですよ、一瀬さん。落としたりしませんから」

殺せんせーは紗良を安心させるように、優しくそう言った。

「紗良、目開けてみなよ。こんな景色一生見れないよ? 今見とかなきゃ損だって」

「うん、いい眺めだよ。せっかくだから紗良ちゃんにも見てほしいな」

「ほら、騙されたと思ってさ」

「うぅ……」

2人に促されて、紗良は恐る恐る目を開く。
するとそこには、太陽の光を受けてキラキラと輝く青い海が一面に広がっていた。

「わぁ……! きれい……!」

「ヌルフフフ。どうですか、怖さなんて吹き飛ぶでしょう」

見たことのない絶景を目の前にして、紗良は感激していた。
カルマの言う通り、こんな景色は一生見られないだろう。

「そういえば、風も音もあんまり来ないね、殺せんせー」

「良いところに気がつきましたね、渚君。秘密は先生の皮膚にあります」

殺せんせーは、どこに隠し持っていたのかビーカーと片栗粉と水を取り出すと、それらを混ぜ合わせてダイラタンシー現象についての授業を始めた。

(ここでも授業するんだ……)

殺せんせーの臨時授業を受けている間に、3人は気づけばハワイに到着していた。
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