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殺せんせーに、自分達も一緒に映画を観に連れて行って欲しいとお願いしてみると、すんなりOKが出た。

「良いでしょう。映画がてら、君達にも先生のスピードを体験させてあげましょう」

そして3人は一瞬で殺せんせーの服の中に包まれ、頭だけが出ている状態になった。

「軽い気持ちで頼んだけど……僕等ひょっとしてとんでもない事をしてるんじゃ」

「さぁね〜。そーいや身の安全まで考えてなかった」

少々不安げな表情を浮かべる渚とカルマだったが、一番顔色が悪いのは紗良だった。

「どうしよう……私、高所恐怖症なんだけど……」

「えっ、そうなの?」

あまり深く考えていなかったが、殺せんせーにハワイに連れて行ってもらうということは、このままの状態で空を飛ぶということだ。
想像してみると恐ろしすぎた。

「あ、あの……殺せんせー、私やっぱり、」

行くのやめます、と言おうとしたが、その声は殺せんせーの声に遮られた。

「では一瀬さん、高所恐怖症を今日で克服しましょうか」

「えっ!? そんな」

「それから身の安全のほうはご心配なく。君達に負担がかからないようゆっくり加速しますから!」

そう言いながら殺せんせーは一気に空へと飛び上がる。
体の浮遊する感覚に、3人は思わず声を上げた。

「うわあああああ……!!」

「きゃあああああ……!!!」

カルマと渚の叫び声と、紗良の悲鳴が、晴れた大空に響き渡った。
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