百人一首題-007

最後に会ったのはもう随分前のことだ。

「次会うときは戦場かもしれんな」
「もしそうなったら、お前の首はわたしが獲ってやろう」
「馬鹿め、それはわしの台詞じゃ」

一晩中睦み合い、洒落にならない冗談を言い合って別れたあの日。
冗談のまま終わればいい、そう思っていた会話は次第に現実味を帯びてきた。
月明かりの下で三成からの書を読みながら兼続は溜め息を吐き出した。

天下人秀吉、仲裁役利家の死後、三成と家康の対立は深くなるばかりだった。
もし戦になるようなことがあれば、上杉は三成につく。
そして政宗は、きっと徳川につくだろう。
いくら思いあっていようが、戦場では敵同士。
自分の思いよりも守らなければいけないものがあるのだ、お互いに。

障子から洩れる月明かりが気になって夜空を見上げた。
三成からの書を頭の中でもう一度反復する。

戦いは、きっと避けられない。

冗談でもあんなこと言うべきではなかった。
そんな後悔も後の祭りだ。
決裂は最早決定的。
目に映る月は、在りし日に二人で見たものとよく似ている気がした。

「今はもうこんなにも遠いのに、月はあの時のままだな」

そしてそれは時が流れても変わることはない。
どんな結末が待っていても、月を見ればあのひと時を思い出せる。
願わくば、それが政宗の隣であるように。
相反する気持ちを胸い抱きながら、兼続は障子を閉めた。

*

またもや政←兼になってしまった感。
政→兼な感じのお話を書きたい。
百人一首題に三國を入れようかと思ったり思わなかったり。
昭禅とか。あ、でも他なかった←
読むのはトウガイ×鍾会とかも好きやけど。
とりあえず三國6やりたいなー。

目頭のところにできもの的なんが出来てプチ痛い。
肩こりから歯が痛くなるわ身体にぶつぶついっぱい出来るわってどうなってんだ、わたしは。
しかしお話は書けそうなのでそろそろDCも書こうかな!

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