黙って俺の愛を食え | ナノ

あおいの不手際 2

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「ひっ、い、あ、やだ、も、あ…」

川本さん、怒ってる。
腕をネクタイでぎゅっと縛られて、延々突っ込まれている。
泣いても叫んでもぜんぜんやめてくれない。
しかも。

「い、いく、あっ、あっ、あっ…」
「あおい」
「んんぅ…」
「またイきそうなの?」

あたしがイきそうになると、ぴたりと動くのをやめる。
イきたい、イきたい、頭おかしくなる。
でも怒ってる川本さんに縋りつけなくて、こわい。

ずっ…

「んあぁぁ!」

奥にねっちりと押しつけられて、しぬ、って思うくらいぱちぱちってまぶたの裏に星が散る。

ぱちゅ、ぼちゅっ、

「ひ、ひ、も、やだ、ゆるして、ごえんなしゃい」
「はは、呂律回ってないの、かわいーね」
「いきたい、いきたいっ」
「俺の質問に答えてから。どこまでやらせた?」

はひはひ、と呼吸しながら、何回も何回も、正直にホテルに入ってキスしただけだって言ってるのに。
川本さんは信じてくれない。

「きしゅ、きしゅしたらけ、ほんと、ほんとらから」
「ホテルに入ってキスだけで済むわけねえよなあ?ちゃんと言えばイかせてやるっつってんだ、白状しろよ」
「ほんと、ほんとだってば、おふろ、のときに、にげてきたの」
「……」

ぴたり、と川本さんの動きが止まった。
必死で呼吸をととのえる。
でもやっぱイきたい気持ちのほうがおっきくて、腰を揺らす。
意識して、中にいる川本さんを締め付けたりしてみる…。

「ほんとだな?」
「ん、ん」
「イきたいからって適当言ってねえな?」
「いってない、ほんとだっ…ああぁっ!?」

ごちゅんっ!

「あっ、あーっ、かわ、かぁもとさ、っあ、あうぅ」

ごちゅっ、ごちゅっ、ごちゅっ、ごちゅっ

奥をがつがつと穿たれて、散々高められては放置されていた体が、あっという間に絶頂に突き上げられた。

「あっああぁっ!いま、いった、いったからっとめてっ」
「俺がイってねえだろ」
「うそっ、やだ、やだやだっ、ああっ」

腕を縛られたまま、イったまんま帰ってこれなくなってるあたしにお構いなしに、川本さんは腰を振る。

「あっ、あっ、かわも、とさ、とって、とって、ああーっ」
「っあ?なに?」
「おねがい、おねがい」
「だから、なに?」
「とって、んっ、あっ」

腕を、ん、と突き出すと、川本さんがちょっとためらうように腰の動きを止めた。
それから、ネクタイの結び目に指がかけられる。
ほどかれて、ようやくあたしは川本さんに抱きついた。

「っ」
「こわ、こわかった」
「……」

情けなくもえぐえぐ泣きながら首筋にぎゅうっと抱きつく。
いろんな男といろいろやってきたけど、幸運というかなんというか、えっちのときに乱暴にされたことがないのだ。
だから、ベッドの中では男はあたしに優しくしてくれるもの、という方程式ができてた。
あたしのこと好きだって言いながらキレて自分勝手に腰振ってる川本さんが、超こわかった。

「…悪かったよ」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「……」
「あっ、んん」

川本さんが、甘ったるく腰を揺すった。

「ごめんな、ちょっと焦った」
「あっ、あっ、あっ」
「どうやったらおまえのこと縛りつけておけんだろうな…」

あたしの気持ちいいとこばっかりこねるみたいに押し潰しながら、川本さんはなんかいろいろ言ってる。
けど、そんなの、とっくだ。
気分が乗らなかったの、キスしたときになんか違うって思っちゃったの、そんなの。
好きってことでしょ。

「かわもとさん、すき」
「え」
「すきだから、あっ、あんっ」

弾みみたいに、奥の奥を先端でぶたれる。
その衝撃で、軽くイってしまって、思わずぎゅっと目を閉じて背中にしがみつく。
耳元で、川本さんが大きくため息をついた。

「…あと3回イったら終わりにして、話、しよう」
「さんかいっ?うん、ん、あっ、あぁっ」

川本さんにしては優しい。
今1回いったのは、ノーカンかな、ノーカンだよな…。
体をひっくり返されて、後ろから奥をガンガン突かれる。

ぱんっぱんぱんぱんっぱんっ

「ひ、あ、あぁ、〜〜〜〜!」
「…っ」

あと2回…ってか、優しいと思ったけどけっこうきついなこれ…。
ぎゅうぎゅう締めつけて、川本さんが背後で息を詰める。

「んんっ、あ、あっ、ふ、ふぅぅ」

枕に顔を押しつけてるあたしの腕を、川本さんがぐいっと後ろに引っ張った。

「んぁっ!?」
「声聞かせて」

両腕を掴まれて無理やり体を起こされた状態で腰を動かされる。

「あおい、あおい」
「あっ、あっ、あっ、あぁあぁあっ」

ていうか、あたしもう4回イったのに、なんで川本さん我慢してんの、1回くらいイってよ…。
もうすでに疲れ切って、川本さんにされるがまま体を再び向かい合うようにさせられる。

「次は一緒にイこうな」
「あ〜っ、あっ、あんん」

指を絡めて、腰を揺さぶる。
激しくないけど、気持ちいいところ全部引っかかって押し潰してこね回されて、5回目の絶頂がすぐそこだ。

「イきそ?」
「うん、ん、あっ、ああっ」
「あとちょっと我慢して」
「できないぃ、むり、いく、いくっ」
「我慢」

気持ちいいとこを容赦なくえぐりながら、悪い笑顔でハートマークで、我慢、とか言われても…。
無理やり高められてく感じるところをなぶられて、ぼろぼろ涙が出る。
でもこれさえ我慢すれば、終わる、終わる、話、させてもらえる。

「あっ、い、あっ、あっ、あ〜〜〜っ!」
「う、ぐ…」

ゴム越しに、川本さんがイってるのが分かる。
あ、意識飛びそ、話、しなきゃいけないのに…。

「おい、あおい」

軽く、ぺちぺちと頬を叩かれる。

「ん、ん」
「何へばってんの、あと2回だよ」
「…ん…………へ?」
「あと3回イったらっつったろ」

ん?もうあたし3回イっ………。

「あんっ」

ずるりと引き抜かれ、川本さんがゴムを付け替えているのを見てようやく察する。
これ、あたしがあと3回イったらじゃなくて、川本さんが3回イったら、だ…。

「待って、しんじゃう」
「死にゃしねーよ」
「むり、ほんとむりだから」
「明日一限?」
「明日休み……」
「じゃあ平気だな」
「へいきとかそういう…あああっ!」

ずぶずぶと入り込まれて、これほんとに話できんのか?と思う。
浮気したら抱き潰す。
この言葉はあながち嘘ではなかった…。

もう二度とほかの男とちょめちょめしないよ…パトラッシュ…。

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