むすっとしながらもぐもぐタイム。
くそっ、悔しいけどこいつのつくる飯はうまい。
川本さんは、あたしがもぐもぐしているのを満足そうに見ている。
ちなみにここはテーブルではない。ベッドの上だ。
なんせあたしは、二晩連続の川本さんの暴挙で、起き上がるのがやっとのへろへろだからな。
「よく噛んで食えよ、二十回は噛め」
「うるさいあたしの好きに食わせろ…」
悔しいけどこの野菜炒めおいしい!
「で、あおい」
「……」
きた。
「約束したな?」
「…」
「もうほかの男とやらないな?」
「あれは、なんかもう、ずるくない?」
「ずるくないし、俺はおまえを手に入れるためならずるいことするよ」
お?
なんかちょっとすげーいい男みたいなこと言ったな?
きっつい目つきしてクールぶってるくせに?
となりに座った川本さんが、布巾であたしの口元を拭った。
「おまえ危なっかしいんだよ。ふらふらしてると思ったら飯食わせてやっただけでこんな簡単になついちゃって、野良猫かよって。こんなん、首輪つけとかないと、ほかの男に簡単に持ってかれちゃうだろ」
く………なんか猫とかなんとか言われたけど全部正しいからなんも言えない…。
あたしの首筋のキスマークをさわって、川本さんはきつい顔で精一杯やさしく笑う。
「首輪つけるためなら、どんなずるい手も使うよ」
「…あたし猫じゃないんすけど…」
苦し紛れにうめくと、川本さんがにやりと笑う。
「たしかに。こんなかわいげのない猫はなかなかいない」
「なんかさー!さっきから聞いてりゃおめーはあたしのどこが好きなん?ってくらいディスってくるね!?」
「んー、そうだな〜…」
あたしが持ってた皿に残ってた野菜をフォークで刺してあたしの口元に持ってくる。素直に口を開ける。
「ほらそこ」
「?」
あーんの体勢で待ちぼうけを食らって首を傾げると、川本さんがぐしゃっと笑った。
お、お、お…?
笑うとけっこうかわいいね?
「無防備に口開けちゃうだろ。何突っ込まれるかも分かんねーのに」
「いや、フォーク突っ込まれるでしょ?」
「どうかな」
「ていうかあたし別にここでちんこ突っ込まれてもおど…いや驚くな」
「おまえはほんとに恥じらいがない」
フォークを突っ込まれて素直に野菜を噛む。もぐもぐ、ごっくん。
「ごちそうさま」
「おそまつさま」
「え?おそまつじゃないよ?すごいおいしいよ?」
「こういうときは、そういう相槌」
馬鹿にしたみたいに言いながら、でもちょっとだけうれしそうに笑ってる。
★★★
「ん、ん」
「変な声出すな。洗ってるだけ」
「さわりかたがやらしい…んぁっ」
足腰立たないもんで、川本さんに風呂に入れてもらう。
狭い浴室はくっつかないと入れなくて、濡れるとやだって川本さんも裸だ。
腰のところに硬いの当たってる時点で、洗ってるだけのつもりじゃないのが丸見え。
腕をばしばし叩くと、股の間に手を突っ込まれる。
「あ、ちょっ、もうほんとむりだから…」
「だいじょうぶ、今日は優しくするよ」
「うそつき!」
「俺、彼女には優しいよ」
「…」
きゅん。
「いやきゅんじゃねーし!!!!」
「なに?」
「ほんとに優しくする気あるんなら体いたわってくれるかな!?もうやんないのが優しさでしょ!?」
後ろから抱きつかれて股に手を突っ込まれながら涙ぐましい抵抗をしているあたし…。
なんでこいつこんな絶倫なんだよ…。
「彼女になってくれたあおいと、ちゃんとしたセックスしたいんだけど」
「何の話…んん!」
散々こすられて腫れ上がるくらいに敏感になっているクリを、くに、と指で優しく押し潰された。
もうやられたくないんだから、濡れるな、って思うんだけど、川本さんはけっこううまい……。
「あ、は、ぁん」
ああああ流されているうううう。
「ん、んっ」
結局びしょびしょに濡らして、用意周到にゴムを持ち込んでいた川本さんに、突っ込まれるはめになる。
狭いからなのか、いたわられてんのか、あんまり激しくない。
でも、奥、をぐりぐりされて、意識、飛びそう。
にゅく…ぷちゅ……
「んんんっ」
「は、あおい、えろい」
「んあっ、な、なんか…」
「ん?」
「も、ちょっと、はげしく、して…」
「あおいが、いたわれって言ったんだろ」
このドドドドSが!
にやにやと耳を甘噛みしながらゆるゆると後背位で腰を振られて、じれったくなって自分で腰を動かす。
「ぁん、あっ」
「続き、ベッドでするか?それなら思いっきり激しくしてやれるけど…」
「っ、っ…!」
〜〜〜〜〜〜〜〜!
「あんっ、あんっ、あっ、あ」
ぱんっぱんっぱんっぱんっ
「はっ、すげえカッコ」
「あぁっ、やあっ、あっ、またイ…!〜〜!」
ベッドでカエルみたいに足を広げられて、川本さんに上から腰を振り降ろされて、悶絶している。
これ、だめ、奥まできちゃう。
こわれちゃうこわれちゃうこわれちゃう!
「こわれ、る、だめ、あっ、もう、あっあっ、あ、あ」
「はは、壊れる?かわいーこと言うなよ」
「ちが、ほんとに、あっ、あ、あ、あ、あ」
「いいよ、壊れたら俺が面倒見てやる」
怖いことを甘ったるい声で囁きながら、川本さんが容赦なく腰を打ちつける。
子宮の入口かもしれないとこをがんがんぶたれて、一突きごとにイってる感覚だ。
なんかもうヤバい顔してる自覚しかない。
「そんな、とろとろの顔で、もうしねえとか、よく言えたよな」
「あんっ、あんっ、〜〜ッ!」
「って、もう聞いてねえか」
ばちゅ!ばちゅっ!ばちゅ!
「いっ、あ、あっ あ、あ、ああぁあっ」
★★★
川本さんは、動けなくなったあたしをかいがいしく世話している。
「んー、さすがにやりすぎたかな…腫れてる?」
「うっ、うっ」
「ウソ泣きすんなよ、だいじょうぶ、あおいが壊れたら俺が責任もって面倒見てやるから」
「ウソ泣きじゃねーよ!!!!」
毛布にくるまってベッドに横たわるあたしの額に、川本さんが驚くほど優しいキスを落とした。
それから、謝る。
「ごめんな、好きな子は抱き潰したい性分なんだ」
好きな子。きゅん。
「いやだからきゅんじゃねーよ!」
「なんだよ」
「そんな殊勝な顔しても言ってることとやってること鬼畜だからな!?」
川本さんに好きな子って言われてうれしいなんてウソ、ウソ、ウソ!
← back →