黙って俺の愛を食え | ナノ

おれごのみ

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「いただきま〜す」

川本さんちで夕飯を食べるようになって、2ヶ月が過ぎていた。
意外と家が近くてラッキーだし、電車賃はあたしが持ってるけど二人分に増えたはずの食費は向こう持ちだし、社会人すげ〜って感じ。(感想が小学生フゥ〜!)

「今日泊ってく?」
「や〜、明日朝一限なんだよね〜」
「こっから行けばよくない?」
「教科書家に置いてってるから」
「あー」

お野菜からぱくぱく食べながら、あたしは何気なく口にする。

「てかお食事中にすいませんけど」
「なに」
「最近お通じがめちゃよくて」
「マジで食事中に土下座もんだぞ」
「化粧のりもいい気が」
「…待て」

ん?
不穏な声色に顔を上げる。
あれ?おかしーな?あたしは、あんたのごはん食べるようになって体調がよくなったアピールしてんのに、なんで機嫌悪いの?

「化粧のり?」
「うん」
「あおい、大学行くときとバイトのときはすっぴんだろ」
「ばれてら。そだよ」
「おまえが化粧するときは歓楽街に男あさりに行くときって決まってんだよ」
「完全にばれてんな、そだよ」

だって普段は化粧するのめんどくさい。
ああいうのってまだあたし社会人じゃないからマナーでもないし、あたしみたいなのが化粧すると楽しみって言うよりは媚びって感じがするから。
アスパラのベーコン巻きをもぐもぐしていると、川本さんはしばらく食事の手を止めて、それから突拍子もないことを聞いてきた。

「明日の一限って、出席取るの?」
「ううん、大人数だし取らない。授業聞いてたらテスト有利かな〜くらい」
「ふーん」
「なんで?」
「や…なんでも」

明らかに、や…なんでも、という感じではないけど、何か考え事をしている様子なので口を挟めない。
もしかして大学行ってみたいのかな。そういえば明日有休消化で休みとか言ってたし。

「ごちそうさま〜おいしかった〜」

ちなみに食器洗いはわたしのかかりだ。ごちそうになっているのだから、それくらいはね。
茶碗を洗って洗いかごにふせて、手を拭いて振り返ろうとしたところでつかまった。

「ん?なに?」
「最近いい感じに肉が乗ってきたよなあ」
「え、太った?」
「ちげーよ、適正体重に戻ったの」
「そうなんだ…」

背後から抱きしめられて、ふうん、と思いながら自分の二の腕の肉を軽くつまむ。なるほど、適正体重ねえ。

「…もしかして、そのせいか?」
「あ?」
「最近、みんな前戯がしつこいの。これって、前はあたし触り心地よくなかったけど今はいいから触りたいってこと!?」
「………おまえ空気読めよ」
「え」

がっくりと力の抜けた腕の中で体を回して振り向くと、噛みつくようなキスをされた。

「ファミレス代、返せ」
「……やだ、あたし川本さん好みの体になっちゃった?」
「マジで空気読め」

★★★

キッチンに、濡れた音がじくじくと響いている。

「あ、あっ」

立ちっぱなしのあたしの足元にひざまずいた川本さんが、ずっとあたしのあそこを舐めている。
舌を入れられてゆるくピストンされて、指でクリをつまむようにいじめられ、足ががくがくして立っていられなくなるくらいの快感が頭のてっぺんから足の先まで突き抜ける。

「んぅ、ん…っ」
「は…おまえ濡れすぎ、AV女優かよ」
「あんたのせいだろぉが…っ!」

なぜ川本さんのせいなのか。
それは、全身にくまなく及んだ数十分の愛撫の中で、あたしは一回もイケてないからなのだ。
掴みそうになるとひゅるっと逃げる、完全にコントロールされた快楽のせいで、あたしはさっきからおもらししたみたいに愛液を垂れ流して泣きながら愛撫を受けている。

「あ、あ、あ」

指が2本突っ込まれてゆるゆるとピストンされる。
気持ちいいけど、川本さんは見つけたはずのあたしのいいとこを擦ってくれない。

「そこ、ちがう、おねがい、もうイきたい…」
「…やりまくってるわりには、締まりがいいな」
「なにっ?わかんない、あっ、あぅ」

股の間でぶつぶつ言いながら、決定的じゃないけどじゅうぶん気持ちよすぎる愛撫を重ねながら、川本さんははいてたデニムの股間をくつろげた。

「っ…っ」

取り出されたものは、ずっしりと重たそうで長くて太くて、血管が浮いてて天を向いてびきびきに反っていて、口の中に唾液が溜まる。

「ね、もういいでしょ…そんなんなってるし、いれてよ…」

泣きながらちんこを求めて腰を揺らすと、やつはデニムのポケットからゴムを取り出した。
用意周到すぎる…。
あっけにとられているあたしを見て、川本さんはなぜか眉をひそめた。

「なに?そのつもりだったんだから持ってるだろ……まさか生で入れられると思った?」
「おもった…」
「ほかの男にも生でやらせてんの?」
「え、あっ」

くるりと体を反転させられて、シンクのふちに手をついた。
ゴムをつけたものが入口にぷにぷにとあたり、頭がそれのことしか考えられなくなってしまう。

「はやく、いれて、いれてよっ…」
「答えろよ。ほかの男に生で入れられたことあんのかよ」
「ないよっ、させるわけないじゃんかっ、あっ、んああぁぁぁあっ」

ずぷぷぷぷっ…

「あっ、あっ、だめ、つよい」
「っ」

いきなり奥をがつがつぶたれて、頭が真っ白になる。
なんだこれ、おかしい、こんなに気持ちいいのおかしい。
さんざん焦らされた体が、無理やり絶頂に押し上げられる。

「あ、あ、あ、〜〜〜っ!」
「うおっ」

がくっと上半身が倒れ込んだのを、川本さんが支えてくれる。
そのまま、キッチンの床に膝をつかされて後ろから腰をぶつけられる。

「っま、まって、いまいってる、いってるっ」
「俺がイってねえだろ」
「あぁっ、い、あ、っあん」

上半身を支えられなくて、腰だけ高く上げて貫かれて、その腰も、足ががくがくして崩れ落ちそうになるのを川本さんの手が無理やり持ち上げている。
すっぽんぽんの下半身とは裏腹に、ブラジャーを持ち上げられて胸が露出しただけの胸元を探られる。

「あ、だめ」
「何がだめだよ、こんなにして」
「ひぅ!」

乳首をぎゅうっとつねられて、思いっきり締め付けてしまう。
川本さんが、息をつめて一瞬動きを止め、次の瞬間信じられない速さで腰を打ち付けてきた。

「あ、あ、あ、あっ」

ぱちゅっぱちゅっぱちゅっぱちゅっ

「ま、って、や、だ、ほんと、もうむり」
「ビッチのくせにへたるの早くね?」

もっと楽しませろよ、と耳元でささやかれ、背筋をぞくぞくと快感が突き抜ける。
ぱんぱんと腰とお尻がぶつかる音がキッチンに響いて、気持ちよすぎて涙が浮かんできて目を閉じた。

「あんっあっ、〜〜!」
「はっ、またイった……」
「も、もうとめて、やだ、まじで、むりぃ」
「…おまえ何言ってんの?」

ひいひい泣きながら許しを請うあたしの顎を掴んで後ろを向かされて、にやっと笑う。

「一晩中抱き潰す予定なんだけど」
「っなん、で…!?」
「俺がなんでって言いたいレベルだよ」

よくわかんない言葉を残してぐちゃぐちゃに食べられるみたいなキスをされる。

「ん、んむ」

そのまま、数度奥を突かれて、川本さんの腰が震えて、イったのが分かる。

「んっはぁ…」

唇を離すと、唾液の糸がふたりの唇をつないで、ぷつんと切れた。
ぬるる、と抜けてく。

「んあっ……ぎゃ!?」

腰がへちゃっと力が抜けそうになったところ、体がふわっと浮いた。
情けない悲鳴を上げると、あたしを抱え上げた男はにやりと笑う。

「色気のねえ悲鳴だな」
「なっ、まって、まだするの」
「するよ。ったくよ、俺がのんきに構えすぎてたのか?」
「なに…」

キッチンから寝室に移動して、ベッドに思いのほか優しく落とされる。
のしかかられて、上に着ていたシャツを脱ぐ川本さんの体は、意外と鍛えられていて引き締まっていた。
どき、っとして目を逸らすと、体に手を這わされてぴくんと腰が動く。

「なんで俺がしつけた体をどこの馬の骨とも知らねえ男が横からほいほい食ってるんだよ。ざっけんじゃねーぞ、マジで」
「あっまって、いま触ったらだめ」
「いいかあおい」
「やんっ!」

乳首に噛みつかれて悲鳴を漏らすと、がじがじと噛みながら、川本さんはあたしを睨みつけた。

「おまえ、今後俺以外の男に触らせてみろ、原型なくなるまで抱き潰すからな」
「あ、やあぁあぁっ」

また、入り込んできて、一気に奥まで来られて意識が一瞬飛ぶ。
川本さんが何言ってんのかもう分かんない。
きもちい、きもちい、きもちいい。

「あっ、あんっ、あっあっあっ」

何度も何度も、なんでそんなに勃つの、ってくらいに復活しては穿たれて、あたしはいつの間にか気を失っていた。

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