rough on her | ナノ

花火よりも

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どうしよう。
斎はやさしくて、紳士的で、わたしに甘くて、とろけるような愛の言葉をいっぱい言ってくれて……って友達に自慢してる。
実際そうだと思ってる、キレたとき以外は。
キレると斎は手の付けらんないドSになるけど、普段はとってもやさしくて紳士的で(略)。
って思ってたんだけどな?

「い、いつき……」
「おっ、あいり見える?花火上がったで」
「それ、どころじゃない…」

斎の部屋からは、近所の花火大会の花火がきれいに見える。
借りたときはなんとも思ってなかったけど、いいオプションつきの物件だった、って笑ってた。
毎年、花火大会の日はこの部屋でお酒とおつまみを楽しみながら花火を見るのが恒例だった。んだけど。
今年はちょっと趣向が違うらしい…。

「おお、きれいきれい」
「いつきぃ……」

今日は平日だけど、わたしは有休をとっていたので、午前中のうちに電車で1時間くらいの実家に帰って、浴衣をとってきて、着付けしてもらって、午後斎の家に行った。
仕事から帰ってきた斎を、ちょっと華やかに出迎えようと思って、はりきって、あんまり得意じゃない料理をがんばっておつまみもつくっていた。
さっきから、斎は花火を見てない。
わたしの体に反射する光を見て、熱にうかされたようなとろんとした目で、わたしを視姦してる。

「あいり、暑いん?ちょっと肌が汗で光っとる」
「……うう」
「汗ばんだ肌に花火の明かりがよお映えとる」

斎ってまだ27歳だよね?嗜好がおじさんじゃない!?
うっとりした目つきでわたしを愛でくりまわして、ビールをごくり。

浴衣で斎を出迎えると、あ〜疲れたわ〜とか言ってた目がぎらりと光って、なんよその格好、と言われた。
今年はお休みだったから、浴衣着てみました!
って言ったら、そうかそうかと笑顔で返し、似合てる似合てる、とよろこんでくれた。
そこまではよかった。

「やっぱ着物言うたら縄やんなあ?」
「はへ?」

いったいどこから持ち出したのその赤い縄……。
そんなこんなであれよあれよという間に、わたしはせっかく着付けた浴衣をはだけさせられて赤縄で縛られているのである……。

「斎、ほどいてください……」
「なんで?よお似合てるやん?」
「わたしには見えないし!」

がーっと吠えると、きょとんとした斎は、そう、と言って玄関のほうに姿を消した。
……怒ったの?
って不安に思ったのもつかのま、すぐに戻ってきた斎は、姿見を抱えていた…。

「そういう問題じゃない!」
「見えへんのやろ?あいりも見たらええで、えらいかわええから」

ぜんっぜんかわいくない。
パンツ脱がされて足を開いた状態で固定されてるのも、後ろ手にくくられた腕も、胸を強調するように縛られてる体も、ぜんっぜんかわいくない。
なにより、自分で自分の顔を見て、情けなくなってしまった。
斎にさわってほしい、って、書いてあるみたいな顔してる。

「……っ」
「やらしい顔しなや。さわりたくなってまうやん」

さわるんだよ!とっととさわってぐちゃぐちゃのめちゃめちゃにしろよ!
……なんて言えるわけないけど。
斎の目が、わたしのかぱっと開かれた足の間に釘付けになる。
そして、あからさまに興奮したように舌でくちびるを舐めてため息をついた。

「あいり、まんこ充血してよだれ垂らしてんで」
「やだあ、もう見ないで……っ」
「縛られて見られて気持ちよおなってしもたん?悪い子ぉやな」

縛って、そんなやらしい目で見といて、全責任がわたしにあるかのように言われても、困る。
もじもじと膝を擦り合わせようとするけど、太ももと足首が結ばれて、その先は後ろの手を縛るほうへと続いているので、ぴくりとも動かない。
どうしよう、もうさわってほしい、斎の、太いの入れてめちゃくちゃにかき回してほしい。
わたしの背後で花火がどぉん、どぉん、と上がっている。
身をよじらせて、わたしはどうやったら斎がさわってくれるんだろうって、考えた。

「い、いつき、……」
「なん?してほしいことがあんねやったらちゃんと言い?」
「…その……」
「ん?」

優しい目つきで見つめている斎に、恥を捨てることにした。

「……さ、さわってほしいの…」
「……」

斎が白けたような顔をする。間違えたんだ。
頭がふっとうしてしまったように熱くて、もうなにもじょうずに考えられない状況で、あそこだけがじんじんとうずいている。
腰を、くい、と少し動かして、斎を誘うような腰つきでくねらせた。

「おねがい、斎、あいりのまんこぐちゅぐちゅにしてほしいの……」
「どうやって?」
「え、っと、指とか、べろとか、……あと……」
「あと?」
「お、……おちんちん…」

恥ずかしくて戸惑いがちに言うと、斎がわたしの肩を優しく押して、縛ったままカーペットの上に転がした。
あ…って一瞬期待したけど、斎はわたしの顔の横にひざまずいて、ベルトを緩めてパンツから半勃ちしたものを取り出した。

「まだ、あいりのことかわいがってあげられへんから、おっきくして。やりかた分かるな?」
「……あ、あ」

優しく頭を撫でられて、吸い寄せられるようにそれに顔を近づけて、キスした。
ちゅる、ちゅぱ、と吸いながら舐めて、一生懸命大きくなれって思いながらたっぷり唾液を絡める。
背中に押しつぶされる腕がじわじわと痛みを訴えるけど、それどころじゃなくて、口の中でだんだん大きくなっていく斎がいとしくて、かわいくて、夢中で吸って舐めた。

「……ん、あいり、じょうずやな。そんなおいしそうにせんでもええやろ…」

斎が少し息を乱して、からかうようにそう言う。
そんな冗談もまともに聞いていられないくらい夢中で愛撫していると、斎がわたしの頭に手を置いて、引き抜いた。
唾液とか、先走りでてらてらと光ってるそれは、立派に育って斎のおなかにつきそうだった。

「……いつ、き」
「そないな目せんでも、ちゃんと入れたるって」

苦笑いした斎が、わたしのあそこに手を伸ばし、指をうごめかせた。
ちゅく、と濡れた音が響いて、斎はしかたないなあ、っていうように指を中に埋めていく。

「ふあっ、あっ、あっ」
「いっぱいがんばったから、甘やかしたるな」
「や、や、すぐいっちゃう、やあ……」
「なにがいやなん?気持ちええやろ?ほら、くちゅくちゅしたるって」
「や、やだ、斎のがいいっ」

足を開いて縛られて、腕もがっちり拘束されて、抵抗できない中で体をいじくられて、すぐにいっちゃいそうだったけど、わたしは必死でお願いした。
あんなの、舐めさせられて、それで指でいかされるなんて、やだ。

「…っあいりはえっちやなあ…」
「は、やく、いれて……」
「……ほんまは、今日はしっぽり優しくしたろうと思ててんけど」

どこから取り出したのか、ゴムの袋を歯でやぶいて、斎がそれを自分のものに装着した。
それから、わたしを起き上がらせて座らせて、後ろから抱きしめて、そのまま入れようとする。
期待に、あそこがじゅわってなって、それからふと気づいた。
姿見、わたしの目の前に置きっぱなしだ……。
わたしが鏡の中のわたしに気づいたのと同時に、斎も鏡の中のわたしに、色っぽく笑いかけた。

「あいりの中に、俺のちんぽ入るとこ、ちゃんと見とれよ」

やっぱり、Sスイッチ入ってるんだ…と当たり前のことを、その呼び方で認識する。
じわじわとおさめられていくかたまりに、じれったいくらい甘ったるい進み方に、じれて腰が揺れる。

「足りひんの?」
「……っいつきぃ」
「…ほとんど慣らしてないのにぬるぬるでずっぽし入ってくわ。ほんまえろいなあ」
「あっ、あ、あんっ」

耳元で、辱めるようにささやかれて、ぞくぞくぞくっと鳥肌が立った。
手が、太ももを撫でながら上がってきて、強調されている胸の乳首に触れる。
ずるずると抜き差しされながら、乳首をきゅっとつねられて、背筋がぴくんと反った。

「は、んん、い、つき、あっ、あっ」
「さわってもないのに、ここもコリコリやし」
「んあああっ」
「ぎゅーってすると中が締まるな?」

上も下も刺激されて思わず目を閉じると、斎が耳たぶを噛んだ。

「いっ…」
「ちゃんと鏡見とき?自分が犯されてるとこ、しっかり見とき」
「あ、あ…」

そろそろと目を開けて前を見ると、斎の熱いかたまりにくし刺しにされてる自分が目に入る。
頭の中がとろんと溶けてぐじゅぐじゅになってしまったような心地で、ただ斎の腰を受け止めている。

「あっ、あっ、あっ」

ぱんぱんぱんっぱんっぐちゅぐちゅぬぽぬぽっ
手も使えない、足も広げっぱなし、こぼれるよだれもぬぐえないし声も抑えられなくて、そういえば、花火を見たいから窓を開けていることを思い出してしまう。

「あっ、やだ、いつき」
「んー?」
「ま、まど、あいてるっ、あん、やぁん、こえ……」
「ああ、せやったな」

斎がわたしを手前に転がす。うつぶせになった体勢で、自由にならない足でどうにか膝をついたところで、一度斎のものが出ていく。
窓を閉める音がして、エアコンのスイッチが入る。

「…あいり」
「ふえ」
「腰揺れとる。ほんまエロい体」
「あっ、やああぁあぁぁ!」

一気に背後から貫かれ、間をおかずピストンされる。
激しく腰を打ち付けられて、頭が真っ白になって、いってしまった。

「っあぁ…こんなえろい子、俺以外の男に相手できひんやろ…」
「そ、なことない、えろくない」
「あっそう?俺以外の男の相手できるん?」
「ちがっ、そうじゃな…いああああっ」

ぎゅ、とクリをつねるように人差し指と親指でつままれて、どぷっと愛液があふれて斎を締め付ける。
そのまま、斎は身をかがめてわたしの耳元で、ささやく。
悪いことしたこどもに言い聞かせるように、やさしく、でも強く。

「あいり、縛られて、見られて、こんなよだれ垂らしまくって感じて、えろくないってよお言えたなあ?今かてこんなクリぎゅうぎゅうつねっとんのにあほみたいに感じとるしな?ほら、動くのやめたろか、クリだけでいけるやろ…」

斎が、ゆるゆると腰の動きを止めた。
でも、指はクリをいじめるように強くつねったり、甘やかすように撫で上げたりしている。
たしかに気持ちよくて、中に入ったまま動かない斎をきゅっと締め付けてしまう。

「っこれだけでうまいことしたらいけそ…」
「やっ、やだあぁ、いつき、うごいてよぉ……」

残酷なことを耳元で言う斎に、ぞっとして腰を揺らす。

「…あいり、動いてほしかったらな、認め」
「なに…?」
「自分が、縛られてぐしゃぐしゃに濡らす変態で、ちんぽ咥えこみたくてしゃあない淫乱やって、認めたら動いたるで」
「……あ、んっ」

そんなの、違う。

「ちが、ちがうもん…」
「あいり?」

咎めるように、斎がつまんでたクリに爪を立てる。

「きゃん!…わ、わたし違うの……いつきが見るから、斎が、いつきのちんぽ咥えたいの、斎じゃないとこんなならないもん……」

寸止めされて恥ずかしい言葉を強要されて、情けなくて涙が出てくる。
えぐえぐ泣きながら否定すると、斎は舌打ちしておさめていたものをぬちゅ…と引き抜いた。

「あっ…」

怒ったんだ…。わたしが認めないから。でも、ほんとのことなのに。

「いやぁんっ!」

ぱんっ、と力強く腰を打ち付けられて、まぶたの裏に星がはじけた。
そのまま斎は荒々しく乱暴に腰をぱんぱん打ち付けながら、いまいましげに口にした。

「ほんまっ、なんなん、俺を煽る、天才か、ほんま、くそっ」
「あっ、あんっ、あんっ、や、つよい、やだ、いつきっ」
「っあぁ、もう、はっ、あいりな、ほんま、俺以外の男に、そういう、こと言うたら、ぶっ殺すからなっ」
「いわ、いわないっ、いつきらけらも、っあぁん!」

ぱちゅっぱんぱんぱんっ、ぐちゃっじゅぷじゅぷっ

「あ、あぁぁ、い、つき、なんか、なんかきちゃう、らめ、らめえっ」
「っいくらでも、好きなだけ、いってええから…」
「ちがう、ちが、っの、なんか、あっ、あ、あ、あぁあぁぁああっ」

ぷしゃっ
おしっこしちゃったような開放感と一緒に、何か液体があそこから飛び散った。
あ、もらしちゃった…。
って一瞬我に返って顔が青くなったけど、斎に激しく貫かれてすぐにそれどころじゃなくなってしまう。

「あいり、派手に潮吹いたな…」
「し、お…あっ、あんっ、あんっ」
「あーあ…カーペット、掃除せななあ…」
「ごめ、んらさい、ごめ」
「ええよ、いっぱい感じてくれた証拠」

自由にならない体で、斎にこれでもかってくらい愛されて、斎が奥でゴム越しに射精した感覚を最後に、意識がぷっつり途絶えた。

★★★

目が覚めると、ベッドだった。
斎は…って探すけど姿がなくて、わたしはきちんと体をきれいにしてもらって、斎のTシャツを着ていた。

「…」

斎の部屋は、1DKだから、寝室とさっき花火を見てた部屋は違う。
あっちの部屋にいるのかな、と思って立ち上がろうとすると、足に力が入らない。
ふと、足を見ると、縄の跡がくっきりと残っていた。

「……跡、残ってる」

斎にしては珍しい。
いつもなら、ああいうやり方でわたしを愛しても、証拠を残さない斎が、こんなにくっきり縄の跡を残してる。
まあ、鞭とかと鬱血はまた違うし、仕方ないよね。
と納得したところでドアが開く。

「あいり、目ぇ覚めた?」
「あ…うん…」

水の入ったコップを持っていた斎が、近づいてきてベッドに腰かける。

「花火終わってもおたな、ごめんな」
「…なんで謝るの?」
「あいりがせっかく浴衣着て、一緒に花火見たいて思ってくれとったのに」

珍しくしょんぼりしている斎の頭をよしよしする。

「縄の跡、残ってる」
「……かんにんな、さすがに消えへんかった」
「へへへ」

ほんとに申し訳なさそうにそう言う斎に、思わずにやにやしてしまうと、斎が怪訝そうに眉を寄せた。

「なん?」
「斎、いっつも跡残してくれないから」
「…残されたいん?」
「そういうわけじゃないけど、なんか、ちょっとうれしい…」

斎がわたしの腕や足についた縄の跡を撫でる。
くすぐったくて身をよじると、ちょっと強めに指の腹で押された。

「まあ…明日明後日くらいはスカート控えてもろてええかな…鬱血やからそう簡単に消えへんし」
「うん」
「なんやえらいにこにこしよって、かわええな」

でれでれしているわたしの頬に斎が両手を添えて、思い切りぷにゅっと押しつぶす。

「うにゅ」
「ははっ、ぶちゃいく」
「にゅー!」
「かわええかわええ、ほんまあいりはかわええよ」

やっぱり、ドSスイッチがオフのときの斎は、やさしくて紳士的で甘くて、とろけるような愛の言葉をいっぱい言ってくれる。
でもやっぱり、オンがあるからオフがきわだつのかなあ。
それにわたしオンの斎も嫌いじゃないしなあ。
突き出されたわたしの唇に、斎が今日、はじめてのキスをした。

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