蜜色ワンダー | ナノ

楽しい体操

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「雛田さん、なにしてるんですか?」

休憩時間になっても、パソコンと仲良ししている先輩社員を見て、不思議に思って声をかけると、雛田さんはうむ、とうなる。

「坂口さん、これ見てや」
「…?」

パソコンの画面を見ると、男女がなんだかよく分からないアクロバティックな体勢になってる写真が。
これは…。

「ヨガ…ですか?」
「お、詳しいな。そう、俺の彼女がカップルヨガ?とかいうのをやりたいーて言うねんけどな」
「楽しそうですね」
「せやけど俺、あんまり体力ないし、こんな格好ようできんと思って…」

もう一度、画面を見る。
男の人があおむけに寝転んで足をまっすぐ天井に向けて、その足の裏に女の人がおなかを乗せて空を飛んでいるような感じ。
……たしかに、男性側の負担がすごそう…。

「も、もっと簡単なのないんですか?」
「せやなあ…」

ぽちぽちといろいろ探していると、どうやら、ああいう派手なポーズのやつはアクロヨガと言うらしく上級向けで、もっと簡単なものはいっぱいあるみたいだった。

「なるほど、これならできそう」
「彼女さんと、仲良しなんですね!」
「いやあ…坂口さんには負けるで」
「?そうなんですか?」
「坂口さんも、やってみたら?あんだけでっかい彼氏やったら、坂口さんのことちゃんと支えられるやろ」

そういうものかな?

★★★

「カップルヨガ?」

お風呂上がり冷蔵庫に首を突っ込みながら、蓮くんが間抜けな声を出す。

「うん、先輩が、彼女とするのに検索してたのを見たんだけど、けっこう楽しそうだったよ」
「セクハラ先輩か…」
「その呼び方やめてよ!」

炭酸水のペットボトルに口をつけながら、蓮くんは片手で携帯を操作してる。
カップルヨガを検索してるらしい。

「ああ、これかあ」
「知ってるの?」
「前にテレビかなんかで見たことある」

蓮くんは、仕事に行く前に毎朝ジョギングをしているので、社会人になってもずっとかっこいい体をキープしてる。
対してあたしは…。
おなかをつまむと、ほんのちょっぴり、ぷにっとつまめる。
うう、運動不足……。

「やってみたいの?」
「ちょっと…」
「じゃあ、柔軟からはじめよっか?」

ほ、ほんかくてきだ…!
いきなりヨガのポーズをはじめようとしてたあたしに、蓮くんが準備体操を提案してきて、愕然とする。
あたし、運動に関して意識が低い…。

「育ちゃん、硬いね?」
「うう…」

くすくす笑いながら、蓮くんがぺたーと開脚してぺたーと寝る。
す、すごい…!

「寝る前とか、ストレッチしてから寝ると、体もやわらかくなるし、ぐっすり寝れるよ」
「そうなんだ…」
「体がやわらかいとね、けがもしにくいよ」
「ふうん…」

おしゃべりしながら柔軟を終えて、いよいよポーズに入る。
蓮くんが寝転んで、あたしのおなかを足の裏にくっつけて、そのまま足を伸ばそうとする。

「ちょ、ちょっとまって」
「ん?」
「これ、こわいね…」
「ああ、浮いちゃうもんね」

ふわ、と足が浮いたところで、こわくなって待ったする。
このまま、支えが蓮くんの足だけになっちゃうの、けっこうこわい…。

「だいじょうぶ、絶対落とさないから、信じて」
「……」

蓮くんを信じて、そわそわと足を浮かせる。
そして、どうにかこうにかかたちになって、あたしは飛ぶことに成功した。

「わあ…蓮くん足長いから、すごく飛んでるよ!」
「たしかに…身長の分長いからね…」
「あのね、ずっと体を水平にして飛んでるポーズするの、ちょっときつい…」
「だろうね〜」

体がぷるぷるしてきたところを見計らい、蓮くんが器用に、あたしを足の裏に乗せたまま軽く上体を起こしてあたしの腕をつかみ、胸の上に下ろしてくれる。

「これだけで、筋肉痛になりそう〜」
「あはは」
「すっごくたくさん運動した気分!」
「俺は全然体力有り余ってるなあ……」
「すごい!」
「うん、有り余ってるなあ〜」
「?」

有り余ってる、と主張しながら、蓮くんが胸の上に置いたままのあたしをぎゅっと抱きしめて、足をあたしの腰に絡めて、文字通り、閉じ込められてしまった。

「もっと激しい運動したくない?」

耳元で、ふうっと吐息を流し込まれながら低い声でささやかれ、ふにゃ、と体の力が抜ける。

「ま、待って、運動して汗かいたし、あたしまだお風呂入ってないの…」
「だから?」
「お風呂入りたいの…」
「なんで?」
「ええー…」

蓮くんって、ちょっと変態だ。
あたしがする前にお風呂入りたいって言うと、いっつもなんかいやそうな顔する。
なんでいやそうな顔するの?って聞いてみたところ、育ちゃんのにおいが消えちゃうから、とか意味わかんないこと言う。

「せっかくヨガしてるからさ、今日はちょっとフシギな感じでやろうよ」
「フシギ…?」
「うん、いつもはやらない体位とか」

そ、そういうのいらないです!ふつうでいいです!
そう抗議している間にも、蓮くんはぽいっとあたしの体を蓮くんと逆向きにさせた。
あたしの目の前に、蓮くんのスウェットのゴム部分が迫る。

「……!」
「難しいとは思ったけどさ、俺がちょっと体を持ち上げればいけるんじゃね?と思った」
「え、え?」
「一緒に、気持ちよくなろ?」

言いながら、蓮くんがあたしのはいていたショートパンツをするりと脱がせてしまった。

「まっ…!」

これは蓮くんにあたしのあそこが丸見えになってしまうのでは!?
慌ててじたばたするけど、蓮くんはそんなあたしの抵抗など握りつぶすように腰を固定して、パンツも脱がせてしまう。

「やだっ、待って蓮くんっ」
「育ちゃんも、俺のちんこかわいがってあげて」
「…!」

そわ、と蓮くんのスウェットを見ると、少しだけ布地を押し上げている。
どきどきしながらそうっとスウェットをずらして、パンツからかたまりを取り出した。
ほんの少し芯を持ったそれは、ずしっと重たくて、これがいっつもあたしの中に入ってるんだ、って思うとすごく心臓がばくばくした。

「ん…」

根本から、しゅこしゅことしごいて、あんまり優しくしすぎたらくすぐったいんだよね…と力加減を調節しながら少しずつ上を向いていくのをまじまじと見てると、あそこに吐息がかかった。

「っ」

思わず振り向けば、蓮くんが腹筋を使って少し体を起こし、あたしのそこをじっと見つめていた。

「やだっ、あんまり見ないでよ!」
「あ、ばれた?」
「ばれるよ!ばか!」
「んー」
「ふ、あっ、あっ」

つぽ……と蓮くんが唾液で濡らした指が、あたしのそこを撫でてちょっと入ってくる。
思わず腰をびくつかせて、手の動きが止まると、蓮くんがそれを指摘する。

「育ちゃん、手、止まってるよ」
「う、うう…」

悔しくなって、ぱくっと先端を咥えた。

「っ」
「むぐ」

逆向きに咥えるのは、なんだか角度がうまくいかなくて、歯が当たってないかなって不安になるけど、蓮くんは気持ちよさそうな吐息を漏らした。
そのまま調子に乗って、蓮くんのものをちゅぷちゅぷと濡らして愛撫する。

「っ!んぐ、んあっ、ああっ」
「お返し……」

蓮くんの吐息が間近に感じられた、と思ったら、ぺろりと舐められて中に舌を入れられた。
ぐにぐにと入って動く舌に意識を集中させてしまって、蓮くんを気持ちよくするのがお留守になると、ぺちっとお尻を軽くたたかれた。

「あっ…」
「自分だけ気持ちよくなっちゃ、だめ」

振り向くと、いじわるな顔をした蓮くんは、ぺろ、と自分の唇を舐める。
えっちだ…。

「うんっ、あっ、ふ、ふー…」

がんばって、蓮くんに気持ちよくなってほしいのに、蓮くんが指や舌でぐしゅぐしゅするから、ぜんぜんじょうずにできない。
ぺろぺろ舐めるだけになってしまうのに、蓮くんのかたまりは、すっかり上を向いてずっしりと重たくて、あたしの唾液とかでてりてりと光っている。
えっちだ。

「れ、れんくん……」
「休まないの」
「で、でも、あっ」

ぜったい蓮くんにやにやしてる!
悔しくなって力の入らない手で握って咥えこむと、蓮くんの腰がぴくんと引きつった。
絶対、絶対あたしからほしいなんて言わないもん!
蓮くんにまいりましたさせてやるもん!

「ん、んぐ、ふっ」

じゅる、じゅぽっじゅぽっぐちゅぐちゅっ、ちゅうっ

「なんだよそんな一生懸命頬張っちゃって…ほしいの?」
「ふぐぐ」

首を横に振る。
ほしいのは蓮くんでしょ、ってつもりで腰を揺らす。
お尻を掴んだ蓮くんの指に力が入って、じゅるじゅると吸われた。

「ん、んっ…ん!」

指が入ってきて、ぐじゅぐじゅの中を擦られた。
よわいとこをちゃんとわかってる蓮くんの指。

「んく、ん、んっ、んんっ」
「…まだほしくないの?」

負けじと先っぽを舌でくるくるしながら、吸い上げる。
蓮くんの腰が細かく震えて、いくのかな、って思う。
どうせだったらこのままいかせちゃおうって思って、がんばってみる。
すると、蓮くんが何かを察したのか、指を抜いてあたしの腰を掴んだ。

「育ちゃん、俺のこといかせようとしてるよね?」
「……だめなの?」
「あー、いや、だめっていうか……」

体を起こして、あたしの体を逆向きからもとに戻して、蓮くんはぽりぽり頭を掻いた。
それから、ちろっと目線を逸らして、明後日の方角を見ながら言う。

「入れていい?」
「……いいよ!」
「あーやっぱり!その顔!俺が言い出すの待ってたんでしょ!」

あたしの勝ち誇った顔を見た蓮くんが、悔しそうにほっぺをうりうりしてきた。
そのまま、蓮くんの上に乗っかったまま、あそこにぴとりと熱いものが触れた。
えっ、このままするの?

「れ、蓮くん…」
「ん。育ちゃんを床に寝かせるわけにいかないからね」

微妙に気遣われたけど蓮くん騎乗位したいだけじゃない?

「あ、ふあっ」

ぬちぬちと入口をこすりながら、蓮くんのが入ってくる。
でもそれ以上、入ってこない。

「…?」
「育ちゃんのペースでどうぞ?」
「えっ、えっ」

しかえし!とばかりににやにやしている蓮くんがそれ以上動くことはない。
どうすればいいのか分からないまま、あたしはおずおずと腰を下ろした。

「ふ、ふうぅ」

中が広がっちゃう感覚にぞわぞわってしながら、腰を落とす。
やっぱり、最後までは入りきらなくて、ある程度入れると奥深くに当たっちゃって止まる。

「ん、ん……くるしい…」
「…育ちゃん、ちょうえろい…」
「やっ、ばかっ」

獣のような目つきで、蓮くんがあたしを見上げている。
そのままなじむまで待とうと思ってじっとしていると、ぐん、と蓮くんが一度、強く突き上げた。

「きゃっ」
「動いて」
「やっ、でもっ、あっ」

にゅぐ、にゅくっ
腰を回したり、軽く奥を突き上げたり。
微妙なその刺激にあおられて、ゆっくり、ちょっとずつ、腰を動かす。

「あっ、あっ」
「育ちゃんえろすぎる……」
「やあ、見ないで、ばかあ…」

蓮くんの上で腰を上下させているのをガン見されて、恥ずかしくて目を閉じて顔を手で覆う。
その手を取られて指を絡ませてつながれて、蓮くんが体を起こした。

「ひゃう!?あっ、あぁん、あっ、〜〜っ」
「かわいい…」

ぱちゅんっぱちゅんっ、ぐぽっぬぷぬぷっ
片手をつないだまま、もう片方の手があたしの腰を固定して、蓮くんがしたからぐいぐい突き上げる。
そのまま、頭が真っ白になっていかされて、蓮くんが喉の奥で低くうめいて、あたしの中に吐き出した。

「っはぁ…」
「ん、ん…あっ」

わきに手を差し入れて、蓮くんがあたしの体を浮かせて、にゅぷん…と引き抜く。
あたしの中から、れんくんのおなかに、白いのが垂れた。

★★★

「彼女さんと、カップルヨガしました?」
「…した」
「楽しかったですか?」

あたしはけっこう楽しかったんですけど…と言うと、雛田さんがぶすっとして首を振る。

「下心が丸見えや〜言われて途中で逃げられたわ」
「えっっっ、下心…」
「そう、下心…。……これはセクハラか?」
「いえ、違いますけど…下心…」

下心…。

「って、先輩が言ってたんだけど蓮くん……」
「まあ男なんてみんなそんなもんだよね」
「ヨガに失礼だよ!」

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