蜜色ワンダー | ナノ

元カノあらわる!

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人の好みに左右されちゃうレベルだけど、蓮くんはじゅうぶんイケメンだ。
ソース顔、っていうのかな、顔がけっこう、沖縄出身かなあ?ってくらいに濃ゆい。
それで、体もかっこいいし、大学もけっこうレベルの高いとこ行ってたし、会社も一部上場企業だし、つまり何が言いたいかっていうと……。

「…誰?」

あたしのせりふなんですけど!?

「蓮に妹なんていたっけ…?」

昔のことに思いめぐらせるように首をかしげてるおねえさんに、ぐさぐさと劣等感が刺激されている。
だって、身長はきっと160cm越えてるし、美人だし、おっぱい大きいし。
蓮くんと並んでも見劣りしないっていうか、お似合いっていうか。
くやしい。あたしなんかじゃ妹にしか見えないの知ってるけど。

「んや、彼女」

あたしのとなりに立ってる蓮くんが、あきれたように言う。
これはもしかして修羅場とかいうやつなのではなかろうか…!

★★★

『今日同窓会あるから、帰り遅くなるし、おうちで待ってて』

蓮くんがそういうので、あたしはいい子に蓮くんのおうちで待っていた。
夜の9時を過ぎたくらいから、手持ち無沙汰になってしまって窓の外を見ると、ぽつぽつと雨が降り出していた。
あっ…蓮くん、傘持ってないと思う…。
お迎えに行こうと思って、蓮くんの黒い紳士傘を持っておうちを出たところで、ちょうど、帰宅した蓮くんと出くわした。

「育ちゃん」

なんだかただならぬ関係のようなおねえさんと相合傘をして、道を歩いてきていた蓮くんが、あたしを見つけて、あとほんのちょっとでおうちに着くのに、駆け寄ってきた。
濡れちゃうのに。

「あれ?俺の傘…迎えに来てくれるつもりだった?」
「う、うん…」
「誰?蓮に妹なんていたっけ?」

おねえさんが口を開き、ここで話は冒頭に戻る。(小説の、便利な演出!)
彼女、とあたしを紹介した蓮くんのスーツの裾を引っ張ると、ん、って顔で手をつないでもらえた。

「え…高校生に手出してんの?」
「いや、大学生…もう成人してる」

こうこうせい……。

「え〜蓮、女の趣味変わったね?」
「…そう?」

そんなことよりこのおねえさんは誰なのだ。
ただならぬ感じっぽいのは、なんとなくあたしにもわかる。
たぶん、元カノ、とかそんな感じの人なんだろうなっていうのはわかる。
傘を忘れた蓮くんと、相合傘で帰ってきたのは、わかんないけど…。

「そうだよ〜、昔はもっとさあ〜」
「そうだよね」

蓮くんが冷たい声を出した。
雨にも負けない冷たさだった。

「俺面食いになっちゃったね。この子こんなかわいいもんね」
「は!?」
「で、サキはなにが言いたいの?昔はもっと、なに?」
「…」

思わず、つないだ蓮くんの手をぎゅっと握り締める。
おねえさんは、あたしのほうを見て、いまいましげに目を細めた。

「逆でしょ?なにこんなこどもみたいな子引っかけてるの?蓮らしくないね」
「俺らしいって、サキは俺の何をどれほど知ってるつもり?」

険悪な空気…。
ややあって、蓮くんはにっこり笑った。

「傘ありがとう、助かった。じゃあね」
「ちょっと、蓮」
「帰ろ、育ちゃん」

手を引っ張られて、おねえさんのほうをちらちら気にしながらおうちに入る。
ドアを閉めて、明かりをつけようとするとその手を握りしめられて、抱きしめられた。

「れ、蓮くん」
「育ちゃん、迎えにこようとしてくれたのうれしいけど、夜なんだから、ふらふらしたら心配だよ」
「……別に、バイトの帰りはもっと遅いよ」
「分かってるけど、俺のせいで育ちゃんがなんかあったら、俺死んじゃうよ」

おねえさんの傘から離れてちょっと歩いたせいで、蓮くんのスーツは少し濡れている。
蓮くんの肩に顔をうずめて、うん、と言う。

「ごめんね、でも、雨降ってきてたから…」
「うん、わかってる。ありがと」

キスをされる。
ドアに体を押し付けられて、ぎゅうっと抱きしめられたまま。
お部屋は暗いまま。

「ん、んっ」
「…育ちゃん、どうしよう、俺がまんできない」
「え?あっ」

ぐい、と腰に熱いものが押し付けられて、まだそういうえっちなことに慣れてないあたしは真っ赤になってしまう。

「で、でもここ、玄関だよ」
「ちょっとさわるだけ」
「あ、蓮くん」

言うなり、手が服の裾から入ってきて、肌をやらしい感じに撫でまわす。
すりすりと、硬くて太い指が肌をさわって、ふれられたところからそのままやけどしたんじゃないかってくらいに熱くなっていってしまう。

「あ、あ、蓮くん」
「ああ、育ちゃんかわいい」

胸をさわられて、不意におねえさんの豊かな胸元が頭にちらついた。

「や、やぁだ」
「ん?」
「あんまり、さわんないでっ」
「なんで?」
「おっきくないから…」
「…?」

ほんとは不安だ。
蓮くんがあたしのこと大事にしてくれてるの分かってるけど、きっとあの人にも同じことを言ったり、したり、したんだって思うと、いやな気持ちになる。
あたしと出会う前の蓮くんのことはあたしにはどうしようもないのに。
ぽろぽろ泣いてしまう。蓮くんはおろおろしながらあたしの涙をぬぐってくれる。

「どしたの?こ、こんなとこでサカってごめんね?ちゃんとベッド行くから…」
「れ、れんくん、あたし、おっぱいおっきくない…」
「はい?」

あのおねえさんは、おっぱいおっきかったなあ。
蓮くん、さわったのかな、さわったよね、きっとあたしのおっぱいより一生懸命さわったよね……。

「あた、あたし、身長低いし、おっぱいもちっちゃいし、ひっく、蓮くん、昔はこんなの趣味じゃなかったって言われてるし、えぐ、あたし、あのおねえさんに、勝ってること、ひとつもないしっ」

しゃがみこんで、こどもみたいにえぐえぐ泣いて、蓮くんを困らせている。
悲しい。
そっと、蓮くんの手が伸びてきて、ぽん、とよわく頭をたたいた。

「育ちゃんのばか」
「……っ」

次の瞬間、わきの下に手を入れられて、あたしの体は宙に浮いていた。

「きゃっ」
「俺は、育ちゃんの体を好きになったわけじゃないし、育ちゃんがどんな体でもそれが育ちゃんなだけで、大好きだよ」
「…」
「ていうか、マジで、サキにいっこも勝てることないと思ってんの?」
「え…?」
「サキに見せてやればよかったなあ、敏感すぎて感じすぎてかわいすぎる育ちゃん」
「ふえ」

言い終えるか終えないかのところで、蓮くんはあたしを床に下ろして、そのまま体をさわりはじめた。
服もろくに脱がないまま、蓮くんがさわるところから魔法みたいにとろけていって、頭までとろとろにされてしまう。
蓮くんの熱いものがそこにあてがわれる頃には、でろでろになった頭でよだれを垂らして、蓮くんにしがみついていないと立っていられないくらいだった。

「俺、育ちゃんが俺の愛撫でこんなとろ顔してくれるの、好きだよ」
「……あっ」
「育ちゃんがかわいいから、俺、こんなになっちゃうし」

ぐい、と入口に押し付けられたかたまりは、ぬるぬると光って硬くて、思わず奥がきゅんとうずいた。

「…入れるよ」
「んっ…」

後ろを向かされて、ドアに手をつかされる。
そのまま、手に手が重ねられて、ぎゅっと握られて、蓮くんがずぷっと入ってきた。

「あ、あぁああぁ…」
「う…せま……痛くない…?」

必死でこくこく頷く。
ほんとはちょっとだけまだ痛いけど、それよりもずっとうれしいのほうがおっきいから。
蓮くんをぎゅっとしたいけど、後ろからだからできなくて、代わりに蓮くんがぎゅっとしてくれる。

「はっ、はあっ、育ちゃん……」
「あんっ、あっ、〜〜〜っ!」

背中からすっぽり抱きしめられて、体が浮きそうなくらい突き上げられる。
ずぷっずぷっ、ぐちゅんっぐちゅっ

「は、あ、あう、れ、れんくん、れんくん」
「ねえ、育ちゃん、俺さあ」
「あんっ、あっ、もうだめっ、やっ、あぁっ」
「育ちゃんが俺の腕にすっぽりおさまってくれるのもさ、ちっさい体で俺のこと一生懸命受け止めてくれるのもさ、ぜんぶ、すきだよ」
「っあぁああぁあっ、〜〜〜〜っ」

すきだよ、って言われて、きゅんきゅん蓮くんを締めつけてしまう。
頭の上で蓮くんが低くうなって、ぱんぱんと腰を打ち付けてくる。
あまりに激しくて乱暴だから息もできなくて苦しい。

「っ育ちゃん、育ちゃんっ」
「っ、…っ」

ぎゅうぎゅう抱き締めながら、蓮くんはびゅるびゅるあたしの中に出して、腰の動きを止めた。

「はぅ、あ、うぅ……」
「はー……だいじょうぶ…?」
「ん、…ん」

うなずくと、蓮くんがそっと腰をひいて、出て行って、玄関の床にとろっとこぼれた。

「う、わ〜…掃除案件…」

ため息といっしょに蓮くんがうんざりしたようにつぶやくのをちょっと笑う。
それを見た蓮くんも笑った。

「よかった、育ちゃん笑った」
「…え?」
「今日いっかいも笑ってなかったから」
「……」

首筋にちゅっ、ちゅっとキスしながら、蓮くんは軽々とあたしを抱え上げてお姫さまだっこした。
あわてて首に腕を回して蓮くんを見ると、唇にもキスをされた。

「あ〜…かわいい、そんな目で見ないで、もっかいしたくなる」
「…そうなの?」
「そうなの…育ちゃんに関しては節操がないから……」

ベッドに優しく降ろされて、座って蓮くんを見上げる。
まぶたにちゅってされて、タオルとってくるね、と洗面所に行ってしまいそうなのを引き止めた。

「?」
「あの、あのね」
「ん?」
「さっきの人…も、元カノ?」
「……」

蓮くんの表情が硬くなる。
やっぱり、聞いたらだめなことなのかな。
蓮くんは、あたしのとなりに腰を下ろしてため息をついた。

「育ちゃんが聞きたいなら言うけど、そうじゃないでしょ?だから言わない」
「……あのひとのおっぱいとあたしのおっぱいどっちが好き?」
「はい?」

完全に油断してたところを攻撃された顔をして、蓮くんが、おっぱい…とつぶやく。

「おっぱいと言いますと、これのことですかね」
「きゃっ」

蓮くんの手があたしのおっぱいを鷲掴みして、揉む。
やらしい手つきに体をくねらせると、蓮くんは揉みながら話し出す。

「俺は育ちゃんのおっぱいのが好きだな〜、だってこんな俺の手に吸いつくようにフィットして、感じてくれるもん…」
「あっ、やんっ」
「てか、おっぱいはサイズじゃなくない?感度じゃない?」

かんど……。
そのまま蓮くんの手は調子に乗ってさわってきて、あたしは2回目、おいしくいただかれてしまいました。
結局元カノのことは詳しく聞けなくて、でもたしかに聞いたら傷つくんだろうし、これでよかったのかな。
蓮くんがいまあたしを大事に思ってくれてるだけで、いいのかな。

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