蜜色ワンダー | ナノ

あった。

「ん?」

育ちゃんを足の間にすっぽり入れてテレビを見ている時に不意に俺がつぶやいたので、育ちゃんはきょとんとして振り向いた。

「あったよ、俺のはじめて」
「……?」
「前、言ってたじゃん、俺のはじめてがほしいって」
「うん」
「俺さ、育ちゃんとはじめてえっちしたとき、はじめてだった」
「…なにが?」

そうだ、そうだ。
普段あんまりナチュラルにやってるもんだから忘れてた。

「俺、今まで育ちゃん以外に生でやって中出ししたことない」

育ちゃんは、生理不順と生理痛がひどいらしくて、ピルを飲んでる。
はじめてのときそれを知らずにゴムをつけようとしたら、育ちゃんはそれを見て俺にこっそり耳打ちした。

『あのね、あたしピル飲んでるから、つけなくていいよ』

いいわけあるかばか。と思ったものの。
うだうだぐだぐだ悩んだ末に、結局俺は。

「俺さ〜、あのときさ〜、ちょっとこわかった」
「なんで?」
「いるんだよね、世の中にはさ、危険日なのに大丈夫って言って既成事実つくらせる子」
「…そうなんだ…」
「でも俺がこわかったのは既成事実つくらされることじゃなくてね」
「?」

あのときの俺に思いをはせてみる。
今思えば、ほんとあほだった。3年前の俺、ばかだった。

「一瞬それが頭をよぎった自分がやだったんだよね」
「…?」
「育ちゃんに既成事実つくらされるのは全然こわくないし、むしろウェルカム」
「じゃあ、何がこわかったの?」
「自分が、育ちゃんをそうやって疑っちゃったこと」

育ちゃんが口をつぐんでまじめな顔をする。
俺はちょうどあのころ、チームのリーダーとか任されて、仕事が軌道に乗ってきてたっていうか、とにかく結婚とか全然考えてなかったから、そういうことが頭をよぎったのだと思う。
でも、育ちゃんがそんなずるいことするわけないの、自分が一番知ってるくせにって、すぐに自分を責めた。

「だから、俺ほんとはあのときゴムつけるつもりでいたんだけど…できても責任取るって、そういうけじめ的な気持ちで生でやった」
「…あのね」
「うん?」
「あたし、ゴムつけてえっちしたことない」
「だろうね〜」

そりゃそうだ。
育ちゃんは俺以外としたことないし、俺はゴムつけたことないし。
ちなみにはじめてのときはけじめだったけど、2回目以降は完全に自分の欲望に負けております、はい。

「だ、だからね、ゴムつけてしてみたい」
「……」

照れ照れしながらそんなこと言われたらもうソッコーでコンビニ行っちゃうよね。

★★★

興味津々で、育ちゃんが俺がゴムつけるところを見てる。

「ピンク色なんだね」
「いろいろあるけどね、ローション付きとかいぼいぼ付きとか」
「いぼいぼ!?」

たぶん、育ちゃんが思ってるいぼいぼはゴーヤなみのいぼいぼだろうけど、残念ながらそこまでじゃないから安心してほしい。

「なんで、先っぽはくちゅってなってるの?」
「精液だまり。これがないと、あふれちゃうの」
「ふうん…」

ちんこにかぶせてつけようとすると、育ちゃんが俺を見た。

「あの…つけてもいい?」
「……どうぞ、ぜひ」

育ちゃんが、俺が個包装から出したゴムを手に持って、ちょっとぬるぬるする、とか言いながらちんこにかぶせる。
ひた、とあったかい手が触れて正直なちんこが喜ぶ。

「一番下までくるくるって下げて」
「うん」

育ちゃんがたどたどしくつけてくれたゴムに包まれて、もう完全に臨戦態勢。
久しぶりのこの感覚がなんか新鮮で、育ちゃんに、わあっと飛びかかった。

「入れていい?」
「ゆっくりしてね」

ピンク色の薄いモザイクがかかってるみたいなちんこが、育ちゃんの割れ目にぴとりとくっつく。
あ、なんか、すごい薄いはずなんだけど、隔ててる、って感じ。

「……なんか、つるってしてるね…」

育ちゃんも同じことを思ったみたいで、足を俺に抱え込まれたかっこで、手で口を覆って緊張しているみたいだった。
そのまま、ぬく、ぬく、と押し入れると、ピンク色のちんこは育ちゃんの中にゆっくり埋まっていく。

「んっ、んふ…ふぁ…」
「はあ……なんか…違うね…」
「うん…っ」

何が違うのか、よく分からないけど。なんかが違う。
極薄0.02mmなのに、すごく育ちゃんが遠い気がして、でもそれはなんだか別に悪いことじゃないような感じ。
ぷちゅぷちゅと音を立てながら育ちゃんを責め立てる。
なんか…ほんと、極薄なのに感覚が鈍って、いつもより遅漏かも。

「んっ、んっ、れ、蓮くん」
「ん…?」
「あのっ、あっ」

じっくりなぶるように、様子を見るようにいたぶっていると、育ちゃんがそっと俺の頬に手を伸ばしてきた。

「あっ、も、もうちょっと、速くしてもいいよ…」
「っ」
「やん!おっきくなったぁ」

なるでしょ。そんな露骨におねだりされたら。
速度を上げてずぽずぽしながら、耳を口に含んで舐める。

「ふ、ふっ」
「なんで声我慢するの?」
「な、なんか……っ」

涙目で口をふさいだ育ちゃんが、予想外のことを言う。

「なんかっ、これ、やだっ」
「なんで?」
「だって、蓮くんじゃないみたい…」
「…え」

0.02mmごときでそこまで感覚変わる?
と思ったけど、もしかしたら女の子はまた違うかもしんないし…。
ぱちゅっぱちゅっと突き上げながら、様子をうかがう。
育ちゃんは、いつもと同じように感じているけど、ちょっとだけ泣きそうな顔をしている。
つい、からかいたくなる。

「…生のほうがいいなんて、えっちだな〜」
「や、ちがうもん…っあ、あっ」

いやもう、生のかたち覚えこませたの俺だし、育ちゃんなんにも悪くないんだけどね。
はめてるのにこんな泣きそうな顔されちゃったら、からかいたくなるでしょ。

「育ちゃん、これさ、俺いっても精液出ないけど、大丈夫?」
「ふ、うっ、んんっ」
「育ちゃん出されるの大好きだもんね?いっつも出されてもっかいいっちゃうもんね?」
「ふえっ、蓮くん、いじわる…」

ちょっといじめすぎたのか、育ちゃんがひくひく泣き出した。
泣くと中が締まる。
目尻にたまった涙をちゅうと吸い上げて、ぱんぱん突く。

「…かわいい、だいじょぶ、育ちゃんがどんだけ生はめ中出し大好きでもいいよ」
「ちがうってばあぁ!」
「俺が丸ごと、育ちゃんの全部、大好きだから」
「っあ」

大好き、と言うと中がきゅううっと締まって、搾り取られるみたいにうねって、一瞬腰の動きが鈍るくらい締め付けられて、息を詰めて動きを再開させる。
ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぐちゅ、ごちゅ、

「大好き、育ちゃん大好きだよ」

耳もとで、鼓膜に塗り込めるように何度も何度もささやいて、育ちゃんを絶頂に誘う。

「あっ、あっ、あっ」
「ねえ、育ちゃん、いつか俺の子、産んでね」
「あう、あっ、ああっ、〜〜〜っ」

奥の奥にめり込ませて、射精する。いつもと違う、ぶちまけない感覚にちょっとだけぞわって違和感がある。
それくらい、俺ももう中出しに慣れちゃって、絶対育ちゃん以外とえっちできないなあ、と思う。
するわけないんだけどさ。

「は、はっ、育ちゃん、だいじょうぶ?」
「…っ、ん」

半萎えになってゴムが外れてしまうのを防ぐために、急いで根元を押さえながら抜く。
抜いてゴムを外して、入り口を結ぶ。

「なんか…」

普段あまり自分の出してる量とか考えたりしてないけど…。

「恥ずかしいくらい出るもんだな…」

ちょっと引くくらいゴムに溜まってる精液を見て苦笑い。
のろのろと起き上がった育ちゃんが、俺をぼうっと見て、首をかしげる。

「おしまい?」
「え?」
「なんか…あのね…出されないと、蓮くんがちゃんといってくれたのか、不安になる……」

ああもう、しょっぱなからずっと中出ししてきた弊害がこんなとこで。
俺は、結んだゴムを見せびらかして、ふらふらと揺らす。

「もう、引くくらい出た。死ぬほど出た」
「そ、っか。よかった」
「…育ちゃん、これ6個セットだから、あと5個あるけど」
「……」
「使いたい?」

ゴムの箱を見て、育ちゃんが難しい顔でだんまりする。
それから、ぼそっと、もういいや、とつぶやいた。
でももったいないよね、と考え直し、ううーん、とうなって言う。

「なにか別のことに使えないの?」
「……み、水風船とか?」

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