「Hey、すきなのこれだったよな」
「わ、覚えてたの!?」
「Han、Honeyのことだ覚えてて当たり前だろ」
「またそう言うこと言う…」
そういって渡した缶ジュースを手でもてあそぶHoneyの顔はうっすらと赤くなっている。
その初さがまた可愛くて、にやりと笑って見せればはあとため息をつかれた。
そして気を取り直して缶ジュースをあけようと、指をかけた瞬間に思いっきり満面の笑みで囁いてやった。
「愛してるぜ、Honey」
「…ッ?!」
いったあとに、その顔は林檎のようにもっと真っ赤になる。
そして内心の動揺を表すかのように手に持っていた缶は大きく振られた。
「なっなにいってるの!」
「でも本心だぜ?」
「そ、そういうところが政宗はタチが悪いの!」
ぶつぶつと俺を責めながらHoneyは自分を落ち着かせるためかことさらゆっくりと缶ジュースのプルトップに指をかけた。俺はそれを見てにっこり笑った。
ちなみに、Honeyの好きなジュースはファンタオレンジって名前の強い刺激がある炭酸のジュースだ。
「ひゃあああ!」
カシュ、と音がしたかと思うと勢いよく中身があふれ出すしゅわしゅわという音と、Honeyの情けない叫び声、そしてしてやったりといわんばかりの俺の笑い声が響いた。




政宗の馬鹿!と驚きで涙目になりながら騒ぐ、まだ濡れたままのHoneyの手を取った。
しかたねえなあとつぶやいて、その指に舌を這わせれば安っぽい甘さが口に広がった。
こんなもんがすきだなんて、やっぱりまだまだKittyだなと笑えば、顔を真っ赤に染めたHoneyの反対の手からずるりと缶が滑り落ちて、地面にぶつかって彼女の代わりに甲高い悲鳴をあげた。




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