とるに足りない細部
現在も続く問題にメスを入れたパレスチナ文学の傑作。 第1部は90年代に少女をレイプした将校視点の話。 第2部は時間がすぎて20年以上も昔のレイプ事件を追いかけようとする女性記者のお話。 第1部が人間のおぞましさと苦しみを、第2部が社会の薄暗いところを、という描き方で読んでて非常に苦しいけれどすごかった。 逃げて隠れても連れ戻されて悲惨な最期を迎えた少女と、比較的には安全であった自分の住処から出ていって事件を追いかけようとする主人公の対比もよかったしそんな彼女たちのラスト…… になるので中々すすめにくいけど読んでよかった。
- 20th.Sep
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