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短編、小ネタ、SS置き場です。



主紹介
 
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リルユウ語り RM1    3/2 03:33  



君が笑うとオレも嬉しいから

君が笑っている顔見るだけで、幸せなんだ。
そう。


とそっけない返事を返す君。
冷たいとも思える返答だが、しずかに振り返った君の顔はうっすらとだが笑みが浮かんでいた。
言葉が少ないのはいつものこと。
長ったらしい言葉よりも柔らかな笑みを返してくれる、そんな笑顔を見れるだけでオレは幸せだった。



僕が笑うのは、そうすれば、キミはいつも嬉しそうに笑うから。
キミが笑うと、不思議と胸の奥がポカポカと暖かな気持ちになる。それがなんなのかを僕は知らない。
でも、僕はその感覚が嫌いではなかった。



それが嬉しいという感情だということには、最後まで僕は気づかなかった。






───
埋もれていた笑う理由、の小話的な…一人称二人称間違え直しました…

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リルト語り RM1    2/26 23:51  


人間たちの中には、ディセンダーという異質な存在を怖がる者もいた。

力無き者は力ある者を恐れるのは仕方のないことだ。

本当にディセンダーは世界を救うために現れた存在なのか。むしろあいつが現れてから世界がこうなったのではないか。
放っておいて大丈夫なのか。でもアドリビトムにいるのなら、きっと。いや、それでも心配だ。あいつが俺たちを救う存在なんていう保証はない。力があるのは事実だ、だったら俺たちの為になるよう色々教えてやらないと。

など、
ただ口にするだけで、クラトスやギルドのメンバーが働きかけていたこともあったのか、特にこれといった実害があったわけではないけれど、
等の本人の耳に、そんな人々の声が聞こえてこないわけがない。
なにも知らなかったはずのディセンダーの中、負の感情が''知識として''、刷り込まれていくのは仕方のないことだった。

ユウは、その時なにを思っていたのだろう。
それは、今のオレにはまだわからないことだ。

たとえ、ユウがその知識に、悩みを抱いていたとしても。
恐れや、悩みを知らないまだ生まれたばかりのディセンダーである、ユウが。



なにも知らないということは感化されやすいということでもある。
その時、すでにユウは、もう、ただの子供ではなくなっていた。




──羽をもがれた鳥は、もう自由に空を飛び回ることは出来ない。


──自由を失った鳥は、


──そのあと、どうなってしまうのか。



カノンノの世界で人間共がしてきた行為に比べればまだ可愛いものだが、


オレが経験してきた過去の世界でも、ディセンダーを救世主ではなく厄病神として扱い、自らディセンダーを、そして世界を滅ぼした愚かな人間共も居た。
そいつらは自分の弱さを理由に、勝手な想像を押し付け、意味のない争いを繰り返し、よって自らの行いのせいで世界の終わりを早め、最後まで世界のために戦っていたディセンダーを殺したことにより世界樹は枯れ、結果破滅の一途を辿って行った。
愚か、以外の、なんて言葉をかければいいのか。

とある世界ではマナ欲しさに世界樹を我がものにせんと考えた国同士の争いにより、世界は荒れ果て、世界樹は傷つき、それによって急激なマナの減少を引き起こし…そんな散々たる光景を見かねた世界樹がディセンダーを呼び出し、滅びの原因が人間であったその世界では、結果として人間を消し去る為に生み出された、なんて場合もあった。


今まで、経験として、分かっていた、はずだ。知らないわけではなかったはずだった。
なのに、オレは、ユウの気持ちは分からないなんて、見ようともせずに、側にいたのに、なにも、オレは─






───
で、まあ、唐突な空白!終わりは、ない!!いやあのなんか埋まってた話があって、あー自分こういう話(ディセンダーのあれそれ)書くの好きなんだなぁとただ思いました。これが前に書いた先走りRM1ラストの話につながる、感じ、多分。

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ユウ語り RM1    2/26 23:06  



自由に空を飛びたつ羽は、もがれてしまった。
ディセンダーが自由である。なんてことは、いったい誰が言ったのか。
ディセンダーは自由なんかじゃない。ただ、知らないだけだ。自分が周りよりも窮屈な世界に立っていることを。








世界に救世をもたらす為に生み出された存在。
世界を救うためだけに生まれた使い捨ての駒。
生まれ時から消えることが決まっている生命。

恐れを知らない。だから、それがどんなことなのかも知らずディセンダーは世界の為に生まれ、そして消えていく。






怖い、迷い、悲しみ、喜び。
分からなかった。
この胸に突っかかる気持ちの悪い感覚が、いったいなんなのか。

分からなくて、どんなに考えても答えなんか出てこなくて、モヤモヤとした感覚だけが僕の心の中に残る。
知らないから、どうすればいいのかすら分からないから、聞く言葉すら思い浮かばないから....


僕はその感覚を胸の中にしまいこんだ。

分からないまま、なにも解決しないまま。


詰め込みすぎたその感覚は、
時間経てば、
考えれば考えるほどに、
増えていって、
いつか僕の中で溜めきれず、
こんなにもちっぽけな器では、
中から飛び出してきてしまうかもしれない。

けれど、
その対策方も、理由も分からないから。
どうしようもないから。

僕ははちきれそうで痛む心を、
助けてと叫ぶ僕自身の心の声から、

耳を塞いで見て見ぬ振りをした。


だって、

どんなに痛くたって、
どんなに苦しかったって、

やるべきことは、変わってなんかくれないから。


いつも笑顔で僕に手を差し伸べてくれるキミの為にも、僕が投げ出すわけにはいけないんだ。

あと少し、
もう少しで、
きっとこの痛みからも解放される。


この世界を救えば、

僕自身と共に。





それまで、もう少しだけ、
キミの笑顔を見ながら、



最期まで、

頑張ってみるよ。





その時の僕は知らなかった。
だから、分かるはずもなかった。

僕のこの''痛み''が消えることによって、
キミが、''苦しみ''を抱えていくことになるなんて。

そして、それは、これからも。






───
過去に書いて埋まっていたので、ユウの気持ち、みたいなやつ

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ユウ語りRM1〜2    2/26 00:18  

RM1のユウの今のキミに送る語り。






僕は自由を謳う身勝手な世界から、勝手に消えた。身勝手な世界から生まれた僕もまた身勝手で、だから、キミの前で、笑って、消えた。
それでも、勝手に待ち続けている、縛られているキミの、精一杯生きている君たちの幸せを、僕はずっと、勝手に願っている。

辛さを乗り越えて、新たな世界で精一杯生きていた少女。
いつまでも、叶わない約束を果たすことを胸に今を生きるキミ。

そんな、二人が幸せになれるようにと。
心から、君の、キミの、幸せを。


どうか、
僕を忘れて、自由に生きていてほしい。
縛り付けた僕が言う言葉でないことはわかっている、それでも、僕は、想っている。身勝手な、願いを。


自由という言葉の呪縛からいつか、キミが解放されて、幸せになれる、そんな日が来ることを、願っている。




自由の灯が、きみたちを照らしますように。







身勝手な、僕の話。










──────────
なんとなく、浮かんだ文。

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リルト語りRM2~3    1/21 00:17  

夢見た景色

昔から、ずっと見続けている夢がある。
ディセンダーでも、夢を見るのか、そもそも寝るのか、なんてそんなことをいつも思うけど、見ると言うより見せられているような、そんなたった1つのユメをみる。

顔も名前もわからない、人の形をした光が、誰かの名を呼ぶ夢。
それに、オレが振り返り、そこでいつも目が開く。
目を閉じて朝を待つ俺の脳裏に瞬間的に、入り込んでくる映像。寝ているわけではないからきっと夢ではないのかもしれないが、想像してもないのに勝手に流されるそれを夢ではなく何と説明するのかわからず、オレはその映像を人間たちが見るという''ユメ''に例えて、そう勝手に呼んでいる。

起きれば夢は忘れてしまうものだと言うが、オレのユメはそんなことはなくはっきりと脳裏に焼き付いているし、なぜか夢なのに呼ばれた誰かの感情までもを感じ取っているのか目を開けた時気付けば決まって胸がギュッと締め付けられたかのように苦しくなった。
だから、あまりこのユメをみるのが俺は好きではない。まあ、今では慣れてしまったが。
一時期はそれがなんなのか気にしてもいたが、結局何かが誰かを呼んでいる光景を悲しく感じると同時に懐かしく思うという感覚以外は一切わからず、長い年月の果てには忘れたいつかの記憶かもな、なんてその程度に考え、だったら気にする必要はないと、いつからか気にすることすらしなくなった。


******


──ッ!!!
───…どうか、人間を嫌いにならないで………彼らを、私たちを、どうかお赦しください…

我々の、救世主……様……
どうか、我々の世界を救ってください…
身勝手私たちを、
どうか、どうか、
''勇者さま''…あなたに神のご加護が、ありますように…

******


悲しく、虚しい、そして懐かしくさえ思えるそのユメは、
長い年月、繰り返すうちに、君と出会って、また長い年月を繰り返して、いつしかその感覚は、君への想いと重なっていった。

忘れてしまった記憶と、忘れたくない想い。
ユウに会うよりも前の自分に何があったのか、なんて、忘れたいと願った記憶など、今更考える必要はないとは思っている。あれからだって、忘れてしまいたくなったことがなかったわけじゃない。今更だ、と思う。

でも、過去を消したくないと思う今のオレにとっては、その忘れた記憶という存在は、とても複雑だと感じさせた。

ユメを見た後に感じるその人物の想いを、今のオレは知っている。

悲しみ、憎しみ、怒り、虚しさ。
全ての人間が持つ、その感情というものを、もう知らないわけではない。

でも、知らなかったら、オレは君を……こうして、長い年月をかけても、追い求め続けることをできていただろうか。

いや、きっと……オレはその「辛い」という苦しみから、逃げ出していただろう。

君を失った悲しみと、憎しみと、痛みに、耐えきれずに、その苦しみが何かもわからぬまま、ただ辛いという感覚から、消えたいと願っていただろう。

でも、願っていたとして、その結果が、今のオレであるのなら、
そう思うと、一体何度それを繰り返していたのかって、そう、考えてしまう自分がいた。
そして、馬鹿らしくさえ感じたのだ。
結局忘れてもまた同じ結末へといつか招かれる。なら、忘れて、知らないまままた同じ結果へとたどり着くか、一つの思いを抱いたまま永遠と求め続けるか。
どちらが良いかなんて、決めることではないだろう。
ただ、今の''オレ''は求めるという選択を選んだ。過去のオレは逃げるという選択を選んだ。
それだけのことなんだ。
過去の自分が自分であっても、それは''オレ''ではない。
だったら、当時のオレが選んだ選択を気にする必要なんて、


「ないって、そう、わかってはいるんだけどなあ...」

もし、を考えてしまうと気になってしまうもので。
ユメを見る理由も、分からないままだ。
なぜ、などわかるはずはないのだが、
そのユメは、一体なにをもってオレに見せているのか。そのユメをみてオレが感じたものは。


遠く、長い年月をかけても、分からない事だらけだった。




───────
書きたいなぁって思ったこと殴り書いただけ…

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リルユウ RM1    12/26 06:41  

RM1ラスト想像。リルユウの別れのシーンだけ書きたかった。いつか本編にも書く予定だけど…




「なぜ拒む…?そのわずかなマナのみでどうやって世界を維持しようと……貴様は選択を誤ったのだ。私の…私の目指す世界こそっ…!うぉおおおォォ……!!」
「やった……やった!勝った!!ユウ、やったよ!オイラ達、勝ったんだよ!」
「まだ、全部解決してないよ」
「そ、そうだ、世界は…オイラのヤウンはどうなるんだろう……うーん…とりあえず、カノンノ達のところへ行こう」


*********

「ユウ!よかった…テレジアを守ったのね!でも、これからどうすればいいのかな…?」
「そうだな…マナはこれ以上失わずに済むが、このままじゃテレジアは…」
「オイラの世界、ヤウンは戻ってこないのかな…」
「「あ…」」
「この匂い……ヤウンのマナの匂いだ。あれは、テレジアのマナの匂い…これは、知らない世界の匂い…
ギルガリムから解放された世界がマナになって漂ってるんだ…」
「みんな、宿るべき所を…自分の世界の世界樹を探しているのね…」
「宿る場である世界樹がないと消えてしまうよ!どうしよう…」
「私たちの力で、テレジアの世界樹へマナを集めましょう!
大丈夫よ…テレジアの人々やあなたは、私を受け入れてくれたんだもの」
「そうだね…うん!わかった!オイラも諦めない。さあ、テレジアの世界樹にみんなでマナを集めるんだ!!」

枯れ果てていた草木がみずみずしさを取り戻し、大きな実をつけた。
その実はやがて、枝から離れどこかへと、あるべき場所へと飛んでいく。
人々の嬉々とした声が、きこえてきたきがした。
喜ばしい、出来事だと思う。そう、感じなかったわけではない。でも、
でも、オレは、その時の君の顔を見ると、どうしても、カノンノたちのように笑おうとは思えなかった。

世界は光に包まれ、元の姿を取り戻していく。綺麗だった、世界へと。

「ありがとう…ユウ。この種は、私の世界…パスカだわ」
「やった!ユウ!…この種は、オイラの世界だ!!ヤウンを救ってくれてありがとう!」
「フフ…ユウ、種に少しあなたの力が混ざってるわ、感じるもの…」
「ホントだ、オイラの種にもテレジアの風の匂いがする。ユウの匂い…
これから芽吹く、新しいオイラの世界だ…」

二人の手の中に、優しく包み込まれている命を宿した種。愛おしく、胸に抱かれたひかり。
オレは、オレには、それはない。だってあの世界は…ギルガリムには飲まれなかった。飲まれる前に、消したから。
それを疑問に思った人物もいたのかもしれないが、誰もそのことを聞いて来たりはしなかった。

「お別れだね」

楽しげにしていた二人に、ユウは話しかける。
ただ、今の状況からして、そう発するのはなんの問題もない気がする。ただ、オレは先ほどの表情といい、今の言い方といい、すごく、気になっていた。なぜ、帰るのかとも聞かずに、別れを、望むような言い方をしたのか。

「……うん、そう、だね…私の世界を育てて…今度こそ守るの…この種は私とあなたの子供みたいなものよ。一緒に過ごした思い出がたくさん、たくさん詰まった…だからきっと、このテレジアみたいな素敵な世界に育つと思うの!」
「種になった他の世界も、旅立ち始めてる…アウロラの世界も…ウィダーシンの世界、ギルガリムも…みんな、種になって帰っていく……………オイラも、そろそろいくよ。君は…また世界樹へ戻るの?」
「見送るよ」

はぐらかすように、答えは返さず、ユウはそう答える。
戻るの?という問いに否定は、なかった。

「へへへっ、そう?初めて会った時はなにも知らなかった君が…」

感慨深いなぁなんてそうしみじみと考えるモルモ。お別れだというのに、ユウは相変わらずの落ち着いた態度で「そうだね」なんてそっけない言葉を返した。

「さよなら、ユウ」
「さよなら、テレジア…ありがとう!君といた時間は、ハラハラすることの方が多かったけど、でも、すっごく楽しかったよ」
「みんな、大好きよ…ユウ、本当に、ありがとう」
「元気でね……テレジアのディセンダー…それと名も知らぬ世界のディセンダー!」


手を振りあって、
カノンノやモルモと別れを告げたあと、オレたちはそのままの足で、綺麗に花咲いた豊かな木々を揺らすおおきな木…世界樹の前にきていた。
先ほど、モルモが聞いた「戻るの?」という言葉。
オレには怖くて、聞けなかった言葉。

行き着くまでも、着いてからも、その言葉に関する答えはなかった。
オレがついていくことにも、なにも言ってはこなかった。

世界樹の前に君が立つ。
木々が揺れる音に合わせて、ユウの後ろで真っ白な髪がなびく。ただ、風の音とともに時間だけが経過して行った。
話しかけていいのか、分からなくて、手を伸ばすこともできないまま、ただ、時間だけが。

「…リルト」

その静寂の時間を破ったのは、背を向けたまま立っていたユウだった。
表情が見えない、ユウが、なにを考えているのかが分からなくて、知りたくなくて…
声を出そうとしたが、それは言葉にならなかった。

「ユ――」
「ありがとう、リルト。ずっと僕と一緒に居てくれて」
「そ、んなの…」
「ただの、我儘を聞いてくれて…キミといれた時間は、結構……楽しかったよ」
「オレも、たのし、かった……!ユウは、もう、かえる、のか…?世界樹に」
「うん。もう、僕の使命は終わった。世界の意志は、果たしたから。だから、キミも…」
「かえって─」

キミも、もう―それ以上聞きたくなくて、とっさに声を上げたが、一度、そこで言葉が詰まってしまった。聞いていい言葉なのか、考えてしまって。
後ろ姿でユウがどんな顔をしているのか、分からない。だから、怖かった。
何かを、伝えるのが。

「ユウ……帰ってきて、くれる…よな?」

恐る恐るそう問いかければ、背を向けまま君は黙り込んでしまう。それに不安を感じ、再度名前を呼ぼうかと考えた、そんなふとしたタイミングで、君が振り返る。
くるりと、こちらを向いたユウの表情は、いつもと変わらない、儚げな笑みを浮かべていた。

「うん」
「絶対に、帰ってきて…くれ、るんだよな?」
「うん…帰ってくるよ」

笑ってそう返す君の言葉。
優しく紡がれたその声は、普段の君を思えば、おかしな態度だったと思う。でも、今なら、それはおかしくなかったといえる。
これを最期にしようとしていたから、解放されるとわかっていたから、だから、君はあの時…

「あ――」

笑って答えた君は、世界樹の方へとオレを置いて歩いていく。
声は漏れたが、待ってという言葉を発することが、オレにはできなかった。君を止められなかった。
消えたいと願う君を、止める資格なんて、オレにはない。これは単なるエゴで、君は…きっとそれを望んでない。

世界樹の中に、入っていく君を、オレは見ていることしかできなかった。
このあと、君がどう願うかを俺は知っていたはずだ。
でも、オレはそれを、そして自分の過ちをうけいれられなかった。

君は頭が良かった。カノンノと戦った時、君は……知ってしまったんだ。救世主として勝手に生み出された理不尽さを、そして、哀れさを。
人々と接すればオレたちにも知ることはできる。ユウは、知らないままでは、いられなかったんだ。
ずっと、帰ることを決めていたんだと、思う。知っていた、なのに、オレはなにもできなかった。君の苦しみを理解しつつ、見ないふりをしてしまったんだ。

「ユウ……」

ユウが世界樹に帰ってから、何年も、テレジアで君を待った。いつしかギルドのみんながいなくなって、見知った顔は一人だけになった。それでも、オレは…君との約束を果たすために、待ち続ける。

『僕とずっと一緒にいてほしい』

そんな、都合よく解釈されたその言葉を利用して、今も君を待ち続けている。
懐かしい顔ぶれが何度かこの世界に訪れるようになってからまた数年の月日が流れ…テレジアは何度目かの実りを迎えた。君の救った世界は、まだ色落ちぬ綺麗な姿を保っているよ。

それから、さらに何度目かの実りを迎えた頃、綺麗だった草木に茶色がめだってきた。
長い年月を待って、懐かしい顔ぶれとも出会わなくなった頃、オレはもうこの世界にいる意味はないと悟った。
パスカも、寿命を迎えたらしい。なら、オレも……

待っていて、君の救った世界と共に消えるくらいなら、
君の魂を求めて、今度は、 探しに行こう。


まだ生きてるよな、世界樹。
だったら、最期にオレの願いを聞いてくれ。
オレの、願いは………いまの記憶を、思い出を、忘れたくない。

そのまま、次の世界へいかせてくれ。

君の笑顔を、胸に抱いたまま。
忘れぬように、深く刻み付けて、






君を探すために、救世主として世界を回る。
あの時言えなかったことを、守れなかった約束を果たしたいから。
たとえ、どんなに時間かかったって、君がオレを知らなくたって構わない。ただオレはまた、君の笑顔がみたいんだ。





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