MEMO
 小ネタや雑談など。

うえきの法則/佐野清一郎

【学級長日誌】

○月×日
今日の日直は佐野くんとでした。あまり話したことがなかったけれど、黒板の高いところを消してくれたりして助かりました。

○月△日
今日は先生のお手伝いをしていたら佐野くんに会いました。頼まれてもないのに手伝ってくれて助かりました。佐野くんは関西弁だから時々早口だったりして言ってることがわからないけど、話していて楽しいです。

○月□日
いつもなら朝一番なのに、今日は佐野くんが先にいました。部活はしていないそうで、目が覚めてしまったからと言ってました。朝から楽しかったので、今日は一日頑張れました。

○月………

△月………

………

……



「おーい、浅野」
「あ、はい先生。何ですか?」
「あんなぁ、この日誌は佐野観察日誌じゃねえぞ?」
「えっ」
「あとこういうことは本人に言ってやれ」
「ええ!?」
「つーかもう見せるわ。うん、そうだな。佐野ー」
「え、ちょ、先生ー!?」

2012/10/24


スラムダンク/三井寿

部活が終わってからも、体育館にはバッシュとボールの音が響く。煌々と照らされた明かりの中で、バスケットボールがきれいな放物線を描いた。
「ナイッシュー」
次のパスを出そうとすると、ストップの合図。ハードな練習のあと、スリーポイントを何十本も打っていれば、確かに休憩をとりたい頃合いだ。
「今日はあとどんくらいやるの?」
「いや、もう終わる。さっすがに疲れた」
浅く息をついた寿に、預かっていたタオルを渡す。
「寿はさぁ、ほんとすごいよねー」
「…はあ?何が」
「スリーポイント!」
ドリブルしながらゴールまで駆け寄ると、ぴたりと足を止める。膝を曲げてボールを放るけれど、リングにあたって床に落ちた。
「今日ね、体育でバスケやったんだけど、私ぜんっぜんシュート入らなくってさ」
女子だからずば抜けて上手い人はいなかったけれど、私は群を抜いてヘタクソだった。言われたとおりにやっているはずなのに、と唇を尖らせる。
「ヘタクソ」
「う、うるさいやい!」
呆れた寿の言葉に言い返しながらボールを拾う。花道が散々練習していた位置に立って、両手で構える。
「お前、形からちげえ」
「え、」
そんな初歩的なところから、とショックを受けていると、構えた手にかぶさる、熱を持った大きな手。
「両手とかわかんねー…こんなもんだろ、たぶん」
脇を閉めて、指を開いて、視線は真っ直ぐ。
耳元で喋るたびに、寿の呼吸でくすぐったくて、身をよじりたくなる。体全体を包むような温もりに、鼓動が速まっていくのを感じる。
「真面目にやりたきゃ彩子に聞け。力みすぎんな、ほら」
ふわりと動いた手に導かれて放り投げたボールは、ゆっくりとネットを揺らした。
「あ……入った」
まぐれでも入ることがなかったのに、投げた瞬間から入ることが決まっていたかのような流れだった。
「できんじゃねえか」
「ちがっ、寿が…!」
途中で遮るように、寿が私の髪をくしゃりと撫でた。こんなに大きな手なら、ボールも楽に掴めるだろう。
「つーか帰るぞ。俺は疲れたんだっての」
「あ、ごめん」
赤木はいつも、寿と、寿の練習に付き合う私のために体育館を開けていってくれる。それは問題もあったけれど、最後には帰ってきた寿を信頼してくれているのだろう。
「お前は別にバスケできなくていいだろ」
「やだよ、寿と遊びたいもん」
相手になんねー、と笑い飛ばす寿の脇腹を小突いて、二人並んで、暗い道を帰って行く。
「俺は俺がバスケしてんのをお前に見ててほし……言わせんなよバカ」
「寿が勝手に言ったんじゃん」
笑い声が、細い路地に反射した。

2012/10/16


ゴーストハント/滝川法生

設定のネタを思いつきすぎて困ってきたので、少しまとめておきます。


【GHOST】
ぼーさんオチ、ただしナル寄りになるシーンも(笑)
どうせ書かないけど原作沿い。

「夢主/浅野ひな」
高校一年生、15歳。
麻衣と同じ学校。
両親は健在だが海外を飛び回って仕事しているため、一人暮らし。
たまにいとこが遊びに来たり来なかったり。
誕生日はクリスマスイブ。
身長体重は麻衣と同じくらい。
髪は黒でセミロング。
母親が学生結婚で、歳の差だったためあまりそういうのに違和感はない。
声に霊が集まる。
普段は喋らず、声を出さないようにしている。
百均の枚数が多いメモ帳を装備。
よく使う挨拶などは単語帳のようにまとめて持ち歩いている。
霊は見えないが、集まってくると体調の変化でわかる。
自衛の意味で専門書を読みあさったので、その手のことは結構詳しい。
護符などの結界の中では喋ることができる。
乙女ノ祈リ以降、何かあったときのために鈴を持たされる。

オチとか海から来るもの以降の流れはまったく考えていない←
そしてきっと書かない。
覚えていたら、設定だけ採用して短編や小ネタを書くかもしれない。

2012/10/14


ゴーストハント/渋谷一也

「どうしても勉強する気分になれない日ってのはある。で、今がまさにそれ」
「だから君は馬鹿なんだな」
依頼人もなし、雑用もなし、いつもなら騒がしい友人もなし。そうして所長殿に、「暇なら勉強したらどうだ、学生」と言われて冒頭。だから、という接続詞が非常に不服だ。いつもいつも勉強しないわけではない。いや、むしろ普段はしている。事務所でも参考書を広げて、ナルに仕事しろと言われるくらいだ。
「別にいつもじゃないし。今日は、そんな気分なだけ」
「気分で勉強しているから馬鹿だと言ってる」
「お黙りパーフェクト人間」
鼻で笑うな、鼻で。人に言われたからと勉強したくもないが、これ以上馬鹿にされるのも癪。大人しくするか、とカバンに手を伸ばしかけて、資料室に行くことにする。あそこは実に面白い。ほとんどがナルの手書きで、英語だけど。まったく読めないわけじゃないし、何より、
「ナル、これは何?」
「また忘れたのか。前にも教えた」
「じゃ、こっち」
「……君は、英和辞典というものを知らないのか?」
「知ってるよ」
聞けば教えてくれる。仕事の合間の息抜きだと言って、こうして教えてくれるナルに頼りたいから。
「まさに生き字引」
「…どういう意味だ?」
「気にしないでー」
あとね、ナルはまだまだ日本語が達者じゃなくてもいいと思う。
「ね、ナル」
「ん」
「月が綺麗ですね」
「馬鹿にしているのか。まだ昼間だ」
怪訝そうに眉を吊り上げる。人差し指で眉間のしわをほぐすと、ナルは不服そうな顔をした。

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2012/10/09


ゴーストハント/滝川法生

ネタ詰め合わせ。

@
「ぼーさん」
「んー?」
「なんでもない。呼んでみただけー」
「可愛いこと言うなあ、ひなは。…ま、それなら名前、呼んでほしいんだけどね」
「ぼーさんは、ぼーさんだから」
「あ、そ」
「んー……、んんー?法生?」
「っ!(それは反則だバカ!)」

Aぼーさんの妹そのいち
「法、そこのしょーゆとってー」
「ひなちゃーん、せめて兄貴かお兄ちゃんつけてくれな。ほい」
「ありがと。あ、ティッシュ一枚ちょーだい」
「うん、だからさ、」
「のーりー、飲みすぎ!ビールは一日二缶まで!」
「……ひな、お前って俺の妹だよな?あれ?おかしいな…お袋が重なってみえるぞ…?」
「なぁにぶつぶつ言ってんの?」

Bぼーさんの妹そのに
「…滝川さん、それは犯罪では?」
「ちげえよ!!妹だよ、俺の!」
「ウソでしょ?ほんとなの?」
「うーん、どうやらそうみたいだね」
「どうやらじゃねえよ。そーなの。…ったく」
「あ、でもあんまり兄貴って思ったことないしなー」
「そうよねぇ、こんな破戒僧じゃ!」
「そーそー!こんな破戒僧じゃ!」
「…ひなや、お兄ちゃんは今とても傷ついたぞ」

Cぼーさんの妹そのさん
「えええー!?ちょ、法!もう十時なんだけど!あたし遅刻じゃん!なんで起こしてくんなかったの!?」
「だってお前、起こしても起きなかっただろーが」
「起きるまで起こして…って、いたた…」
「おい、大丈夫か!?」
「腹痛い、めっちゃ…ああー、無理!学校休む!」
「お、おう……連絡は?」
「いれといてー。兄ちゃん、抱っこ」
「自分で歩けよな…よっ、と」
「病人だもん」
「そんだけ元気がありゃじゅーぶん。部屋でおとなしくしてろよ」
「へーい!」

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2012/10/01






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