電車めも。
軌跡中心に。



 雪ツバ 翼+雪だるまちゃん

 少年は、泣いていた。喚いていた。決して美しくはない声で。長い前髪に涙が伝って、自分の手と、それに掴まれた彼の手と、それが押し当てられた肌に落ちた。嗚咽を噛み殺すのに、どこか掴んでいたいんでしょう。いいよ。どうせなら、一番元気出るとこがいいよ。そんなに強張らなくてもいいのに。
「……て、手」
 はなして、と言ったようだった。解放された手で彼はバッテンマスクを外して、鼻を啜った。幾重もの、傷。これは殴られた跡。こっちは革靴で蹴られた跡。痛いよね。顔はほんとに、ご飯食べる時もしみるし。わかるよ。わかっちゃうんだよ。
「おそろい、ね」
 先の嗚咽も治まらない内に彼はまた次の嗚咽に悩まされ始める。同情、あるいは想像もつかない様々なこと。ぐいと顔を近づけて、唇同士をぶつける。同情なんて煩わしいとすら思ったことはなかった。でもそうだね。その涙は君と、ちょっとだけウチの為の涙なんだね。
 彼が少しでも同情して涙を流してくれればいいのにと初めて、願った。


(壊れやすい兎)


雪の国の方言がわかりません…




 軌跡 ワジノエ

 あたしの背後から掴みかかってきた男の顎に、苦し紛れに振り上げた拳が正確に『入った』。ろくな悲鳴も上げずに倒れ込んだ巨体から離れ、適当な建物の影にしゃがみこむ。息をするたびにやかましくて、喉が焼けつくように痛んだ。ひゅうひゅうと鳴るそれは人間のものとは思えない。背中に当たる冷たい温度。目を閉じるたびに見知った人々の笑顔と、そして彼等が倒れていく瞬間が繰り返し再生されていた。何度救い、救われ、見捨ててきただろうか。もう走る体力も無い。弾も尽きた。あと何人、いけるかな。
「……だれか」
 ねぇ女神様、救世主なんかはいないものですか。知らぬ間にぼろぼろと落ちていた涙を拭う。ふと頭上に影が落ちた。
 にんまり、下卑た笑いを浮かべた男だった。手が伸びる。恐怖で動けない身体に触れようとした手はしかし、地面を掴んだ。
 すぐ横に倒れ伏した男に目もくれず、男の背後にいたもう一人の細身な姿を認める。一年経ったにもかかわらず、ほんとうに、細いままで。

「久しぶりノエル。君の願いは僕が叶えよう」


Brilliant is better than transient
(儚いよりも輝かしいが良い)


クロスベル独立までの流れカモン…(掠れ声




 軌跡 ナユノイ

ED後ネタバレ注意



 軌跡 ノイ→ナユタ


「やば、隠れてノイ」
 そんな声と同時に、テーブルから引き剥がされた。パンの欠片を掴んだまま暖かな手に包まれ、壁と彼の間に押し込められる。圧迫しない為だろう、そこには手が差し込まれたままだった。来客を知らせるベルが鳴り、扉が開く音。
「こんにちはナユタ君」
「こんにちは先生。姉なら奥の部屋です」
「あぁ、ありがとう」
 すぐそばを人間が通りすぎた気配がした。なぜだろう、以前ならばこれだけのことが不安で不安で仕方なかったのに。
 目の前の、傷だらけの手を撫でる。中指だけが微かに震えた気がした。


(鍵盤の上の恋し鳥)


ノイのサイズが分からない




 軌跡 ライラ→ナユタ


 扉を勢いよく開け放ったのは、色鮮やかな花束を両腕に抱えた少年だった。見舞い客全員の視線を集めながらも、ぶれることのない足取りで部屋を横切る。花の土と甘い香りに混ざって、血の匂いがした。


 アーサが眠りにつき、三人で息を潜めながら部屋を出た。扉を背にずるずるとしゃがみこんでしまった彼は、顔を腕に押しつけながら小さな声で何か呻いた気がする。もっともそれは、ただの息でもあったのだろう。
「ナユタ、腕……血、出てるよ」
「……うん」
「消毒しようよ」
「……あとで」
 顔をあげて。ねぇナユタ、最後にわたしを見てくれたのはいつ?


(愚かしく忌々しく弱々しく)


展開早いなユタ




 軌跡 ナユタ→クレハ


「あ」
 柔らかく声を上げたのは彼女だった。
 自分にとって彼女の声は貴重であり、そして何らかの影響をもたらすものだ。綺麗な綺麗な彼女の、唯一人間らしさを感じさせる部分。
「血、でてる」
「あぁ、触らない方がいいよ。汚れるから」
「……こんなに、綺麗なのに」
 鮮血が伝う腕を指がなぞった。もしくは彼女に血は通わないのかなんてことを思う。切ったのは動脈らしかった。


(茨を駆け抜けてダイブ)


思った以上に早くクレハ起きるまでプレイできましたー 顔グラないのが寂しいです




 軌跡 ランミレ


 眠りを拒絶する。それは生物にとってあまり好ましいものでなく、だからこそ彼女は第一欲求とのせめぎ合いに苦戦し、そして敗北しようとしていた。
「……このまま眠りたくないわ」
「はぁ? なんでだよ」
「起きた時にどれだけ貴方の言葉を憶えていられるか分からないじゃない」
「そんなもん、」
「今日は特別優しかったのに。せめて、最後の」
「心配すんなって。明日も同じこと言ってやるから」
「ほんとうに?」
「ああ」
 忘却と安寧の海に沈んだ彼女は、鼻で笑いたくなるような嘘を信じたらしい。嘲笑。苦笑。最後に筋肉が一番楽な位置に落ち着き、そして俺は×××した。


(不純な橙)


ガイ兄貴ボイスが狙いすましたようにあのアニキだと聞いて
楽しみすぎて階段足踏み外した






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