羞恥プレイ?


「だから俺は、あなたの強そうでいて、時折垣間見る脆さに惹かれたんだと思います」

「恥ずかしいから、やめてくれ」

「やめません」

「神っ」


 焦りに声が上ずった。
 羞恥プレイ以外でもなにものでもないそれに、顔を背けたくなるが、両肩をガッチリホールドされていて、それも叶わない。


「やめません。何度も言いましたが、伊織さんが好きです。でもそれは、恋愛関係に……なりたくないと言ったら嘘になりますが、俺はあなたを支えたいだけなんです」

「嘘だろ……」

「こんなの嘘ついてどうするんですか。10年前からずっと考えてた事なのに」

「……」

「困ったら俺が全力で助けに行きます。だから、一人で抱え込まないでください」


 嬉しいやら照れくささやらで、手を口元に持っていこうとすれば、温度の高い手がそれを阻んだ。


「隠さないで」


 掴まれた手の平に、神の唇が触れる。
 くすぐったい感触と、妙な雰囲気に、耐えられなくなる。


「わかったっ! 自信持つ、もう自分を卑下しない、困ったら神に相談するから! だから、もう離せっ!」


 俺が恥ずかしさに堪え兼ねて、必死に懇願すれば、神は嬉しそうに笑った。


「約束ですよ?」


 上手く丸めこまれた気がしないでもないが、俺は半分脱力しながら頷いた。


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