Novel / SS

小ネタ(マサキと蘭丸)

マサキくんは炭酸が飲めません。霧野先輩が飲んでいたので、飲んでみようとチャレンジしてみましたが、やはり無理でピリピリする舌の刺激にだんだん涙が目を潤ませます。しかし霧野と一緒に炭酸が飲めるようにと、マサキくんはひっそり練習を始めるのでした。



神童と霧野(と誰か)

「最近、霧野は楽しそうだな。」
神童が隣で微笑んだ。え?課題を放課後残ってやってる俺を、全然解けなくて神童に教えてもらってる俺を、どうみたら楽しそうに見えるんだ?疑問符を頭に浮かべ、首を傾げるとそういう雰囲気出てる、と言った。

「なんか、今までの霧野は無理してるようだったからさ。中二になってからだったから、後輩が出来て大変なのかと思ってた。あと監督も変わったりと、色々忙しかったから。けど、最近はなんだか…優しいよ。」
そう言う神童の表情は、どこか懐かしげで。昔の霧野に戻ったみたいだ、と小さく笑った。ふわりとシャンプーの香りがする。
「そっか。」
シャーペンを置いて、頬杖をつく。窓から下を見下ろせば、サッカー部の仲間達が練習をしていて。みんな楽しそうに本当のサッカーをしていて。そして。

「ちょっとひねくれ者なネコを拾ってさ。」
ねこ?と神童が目を丸くさせる。俺はあぁ、と頷きグウンドの端で自主練している1人の影を見つめた。
「たまに素直になるのがとても嬉しくて。でもアイツ、なかなか素直になれないみたいでさ。だけどさ、」
多分俺には素直に素をさらけ出してくれると思うんだ。

そう言えば神童は分かったのか分かっていないのか、よくわからないけれど霧野なら大丈夫だとまた微笑んだ。

早く課題を終わらせて、実はがんばり屋な天の邪鬼なアイツに会いに行こう。



南沢と倉間

南沢さんが、帰ってきた。とてもナチュラルに、何事も無かったかのように、いつものように平然とした態度で、学校に来ていた。
「。」
いつもなら、いや昔ならおはようございます、とか適当に挨拶して後ろから背中を押したりできる。けれど、今は出来ない。
俺が見えていないかと言うような、そんな感じでするりと南沢さんは横を通りすぎた。

なんともいえない壁が、俺と南沢さんの間にあるようで。どうもその壁を壊すことが出来なかった。他のメンバーとはもう昔のように先輩後輩になっているのに、俺はまだ、


「あ。」
「げ、」
そのタイミングはいきなりやって来た。
偶然、廊下の角ではち合った。後ろに引き下がればいいのか、前に行けばいいのか…思考を回していると、南沢さんが先に話しかけてくれた。

「最近、あんま話さないな。」
ふわり、と俺の上から降る声はあのころと何も変わりのない声で。
「そう、っすね。」
あまり気持ちを表に出さないよう、そう短く答えた。南沢さんの目を見ることが出来なくて、俺の視線は斜め下を見つめたまま。目の奥が熱くなってきて、次に瞬きをしたらポロリと何かが溢れてしまいそうだ。
「…。」
どちらも気の効いた言葉を返せなくて、ただただ静かな沈黙が二人に流れる。ふぅ、と南沢さんがため息をついた後、ガンッと視界が揺れた。
「なっ!?」
勢いよく頭を揺さぶられ、揺れが止まった今も頭がグラグラする。本人はしれっとした顔で俺を見下ろしていた。それはどこか誇らしげというか。
「いきなりなにするんすか!」
「倉間。」
くるっと背を向け南沢さんは歩き初めて、名前を呼んだ。
「どうせお前暇だろ。図書室についてこい。」
すたすたすたと歩き進む南沢さんは、俺がついてきていないことに気がつき、もう一度こちらを振り向いておい、とぶっきらぼうに一言言った。




なんか力尽きたから止めた。とりあえず久しぶりに話すきっかけができて嬉しい二人。



霧野と狩屋

なぁ、狩屋お前さ。好きでもないやつとキスできる?キスした後に何を言うんだって感じだよな。ごめんごめん。でもさ、普通できないよな。だって嫌いなやつの口ん中に舌を突っ込むんだぜ?変な病気でも持ってたら大変だろ。それ以前に気持ち悪いけどな。自分のすぐ近くで気持ち良さそうに顔を染めてんのとか、吐き気がする。
あぁ、なにが言いたいかっていうとな。俺はお前が大嫌いなんだよ。


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