▼ 嘗てのお話
むかしむかし、寂しがり屋な神様が言いました。
「今夜、宴を開きましょう」
集まったのは十二人の動物たち。
宴に出席せず物語の影に隠れたのは、鼠に騙された一匹の猫。
そして、神様が友と呼び、愛した……一人の美しい人の子でした。
宴は繰り返される。
神様が寂しくないように。
何度も、何度も……
神様と十三の獣の物の怪は繰り返す。
力尽きるまで永遠に。
孤独な神様の友人は、唯一の人の子だった白き姫は言う。
「ならば、私の欠片を残しましょう。欠片を継ぎし子が、また貴方と、貴方達と友人となれるように」
孤独に苛まれることの無いように。
幾世代、幾星霜を超えた"現在(いま)"でも。
故にこそ。
――私たちには"絆(呪い)"がある。
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