姫と呼ばれしヒト | ナノ
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 嘗てのお話

むかしむかし、寂しがり屋な神様が言いました。

「今夜、宴を開きましょう」

集まったのは十二人の動物たち。



宴に出席せず物語の影に隠れたのは、鼠に騙された一匹の猫。


そして、神様が友と呼び、愛した……一人の美しい人の子でした。




宴は繰り返される。

神様が寂しくないように。

何度も、何度も……


神様と十三の獣の物の怪は繰り返す。

力尽きるまで永遠に。

孤独な神様の友人は、唯一の人の子だった白き姫は言う。

「ならば、私の欠片を残しましょう。欠片を継ぎし子が、また貴方と、貴方達と友人となれるように」


孤独に苛まれることの無いように。



幾世代、幾星霜を超えた"現在(いま)"でも。

故にこそ。








――私たちには"絆(呪い)"がある。








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