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うるさい。
うるさい、うるさいうるさい。

「セブルス、根っこが切れたよ」
「ああ」

ルーピンから受け取ったそれを、大鍋へ入れる。
正確には、ぶち込んだ。
ぐつぐつと音を立てて沸騰していた鍋から、ふしゅーっと泡がふきこぼれた。

「熱っ…」
「セブルス!大丈夫!?」

こぼれた泡が手と足にふきかかり、手は大火傷し、革靴は変色した。

「あまり大丈夫そうではない…。」
「いけない…。先生!」

ルーピンが先生を呼び、火傷の手当てをしに医務室へ行くことになった。



「君があんなミスをするなんて、珍しいね」

付き添いとしてついてきたルーピンが、医務室へと行く道々尋ねてきた。

「ポッターが…うるさかったから。」
「ああ……。そうだね。」

2人共うつむいて、僕は仏頂面で、ルーピンは少し自嘲気味に笑いながら言った。

「セブルスはさ、エバンズさんが好きだったの?」
「…ああ。」
「そっかー。…そうだよね。2人共仲が良かった。いつも一緒だったし。……何より、君が………笑ってた。」
「………僕が、笑ってた…?」
「うん。…とっても、幸せそうにね」
「…そうか。」

火傷をした手がズキズキと痛む。
熱い。
応急処置として、水で手を包んではいるけれど、あまり意味をなしていないような気がした。
火傷した手を見てみると、傷口は赤黒くなり、皮膚がめくれて爛れていた。
自分でも気分が悪くなるような傷だった。

「大丈夫?」
「あまり大丈夫そうではない…。」
「それなら、医務室へ急がなきゃ」
「…いい。」
「え?」
「いい。このままで、急がなくていい。」
「…わかった」

誰も居ない廊下に、二人分の靴音が響いていた。


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