bookmark


また朝がきた。
真っ赤な目を擦りながらむくりと体を起こす。
…そろそろ授業にもでなきゃなあ。

「先輩」
「レギュラス」

さあっとカーテンを開けて、僕を覗いた。
眉は下がり口は何か言いたそうにぼそぼそと動いている。

「…今日は、何曜日だ」

ズキズキと痛む頭を手で押さえ、よろよろと立ち上がる。
レギュラスは吃驚したようで、目を見開きこちらを凝視していた。

「何曜日だと聞いている。」

なかなか答えないので痺れを切らせてもう一度聞く。

「か、火曜日です…」

火曜か…
魔法薬がある日だ。
気まずい。
また休もうか、なんて考えていると

「授業、出る気になったんですね!よかった!!じゃあ早く着替えちゃいましょう。朝食とりにいきましょうよ」

と一人盛り上がる奴が居たので休む、とも言いづらくなってしまった。



久しぶりに部屋の外に出た。
何も変わっていない。
その現実に、少し安心し、少し残念だった。
レギュラスに背中を押され大広間へと歩いていく。
その道々、レギュラスがひっきりなしに話しかけてきたが、内容は全く頭に入っていなかった。

大広間で食事をとっていると、グリフィンドールのルーピンと目があった。
僕が見ていたわけではない。
僕はリリーを見ていた。
視線を外したらルーピンと目が合った。
そのときふっと安心したように微笑んだのは気のせいだろう。

「先輩?」
「…何でもない。」

そう。
何でもない。




prev|next

[戻る]

top
ちー坊:Remember
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -