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「私があなたと付き合えば、セブにはもう手を出さないのね?」

中庭で言われたことを改めて問う。
すると彼は意地の悪い笑みを浮かべて肯定した。

「…本当ね。じゃあ、私はあなたの女になるわ。その代わり、セブに今後どんな些細な事でもしたら、私はあなたを殺す。」
「おー怖。エバンス、君には笑顔が似合うよ?」
「そうね、これからはあなたにも笑顔をみせてあげるわ。でも勘違いしないで。」

私があなたにとる全ての言動は、嘘偽りだと言うことを。




リリーがポッターと付き合い始めたと聞いた。
また今日も一人、自室に引きこもる。
ずり落ちた毛布を引っ張りぎゅっと抱くように巻いた。
つう、とまた涙が伝う。
僕はこんなにもリリーを好きだった。
愛していた。
なのに、運命は残酷だ。
談話室ががやがやとうるさくなってきた。
今日の授業が全て終わったようだ。
今日でどの位単位落としたかな、とぼんやり考えながら目を瞑った。




『スニベルス』
あの日の記憶が蘇る。
どうしてあんな事を言ってしまったの?
『汚れた血』
そう言われたから?
いいえ。
そんな言葉、私は気にしないわ。
だって所詮は言葉ですもの。
それに、あの言葉を発した時のセブルスの顔を見れば一目瞭然。
セブは本気で私にあんな事を言えるはずがない。
その日の夜だってセブは一晩中グリフィンドールの扉の前で私に謝っていた。
ずっと、泣きながら。
知っていたのよ。
だって私達、扉を挟んでずっと隣にいたんですもの。
でも、ごめんなさい。
私はあなたに応えられない。
きっと嫌いになったでしょ、私のこと。
それでいい、それでいいのよ。
嫌って、憎んで、恨んで、それでいい。
だってこうでもしなきゃ、あなたは自分を愛してくれてるひとに気づかないじゃない。
私じゃない。
もっと適任の人。
だから、ごめんなさいセブルス。
誰よりあなたを愛してる。
一生。
永遠に。




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