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組み分け式が始まり、リリーがグリフィンドールに決まったのを見届けた。
これで僕は正真正銘、ポッター家の汚点になったんだ。
正直、食欲がわかず、サンドイッチをとりあえず口に入れてもぐもぐとしているが、それが喉を通るのは、ずっと長い時間を要した。
嫌に長い夕食の時間が終わり、やっと談話室へ戻ることが出来る。
ぼんやりと窓から映る湖の世界をながめて嫌なことを忘れよう。
そう思って自分のトランクが届けられたベッドを探し当てると、隣のベッドにセージがいた。
「あっ、やぁ、セージ」
「……やぁ、アルバス」
セージはトランクを開け、周辺を整理していた。
相変わらず、マフラーを巻いていた。
「セージって、寒がりなの?その、マフラー」
「ああ……。付けてると、落ち着くってだけぇ」
「そっか……」
セージはトランクから花の鉢植えを取り出して、タンスの上に置いた。そしてまた別の鉢植えを取り出し、机の上へ。また別の鉢植えを、今度は葉っぱだけの植物だったが、フックに吊るした。それが繰り返され、計12個もの植物が、セージのベッドのまわりに置かれた。
「植物、好きなの?それ、魔法植物?」
「ううん。なんの魔力も持たない、ただの植物だよぉ」
「へえ……」
「でも、ハーブが多い……。育ったら、お茶を入れてあげる」
「ありがとう」
セージは植物たちを見回すと、満足げにベッドへ座った。
僕はセージの噂を確かめたかったけれど、自分のトランクを開いて荷物の整理をした。


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