しちがつにじゅういちにち【宮牧宮】
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「なに、やだ、宮田さんっ…!」
「別にとって食おうなんて考えちゃいませんよ。少し黙ってください」

そんな、こんな状況で大人しくできるものか!
実の弟に、男に、聖職者の私が押し倒されているというのに。

「やめてください…」
「何をです?」
「そ、それは…あの、どいてください…」
「嫌です」

ふんっと片方だけ口角をあげて笑うと、宮田さんは自分のベルトにてを添えた。
彼が何をしているのか理解できない…。
カチャカチャという金属音が頭にぐわんと響いた。

「宮田さん…?なにして…」
「…ナニしてるんですよ」

今度は両方の口角をあげて笑った。

「そんなっ…んっ」

やめてください、と言おうとした口を塞がれてしまった。

「んっ…んー…ふ、ぁ…」

もっと食らいつくようにキスをされるのかと思いきや、短く終わった。
宮田さんは余裕の無い顔をしていた。
珍しい。

「宮田さん…?」
「牧野さん…みてて、ください。」

下着の中から半立ちになった宮田さん自身を取り出すと、自分でしごきはじめた。

「え、あのっ!?」
「いいから、牧野さんはみてて…」

忙しなく手を上下に動かし、もうだいぶ硬くなっている宮田さんのソレ。
自分のものと寸分違わないはずなのに、妙にかわいくて、艶めかしい。
だんだんと大きくなるそれをみて、ゴクリ、と唾をのんだ。

「…ん、……は…ぁ…」

浅く、小さく聞こえてくる弟の喘ぎ声。
ちら、と顔をみると、泣き出しそうに真っ赤になった顔があった。
普段の宮田さんからはとてもかけ離れていて思わず目を丸くした。

「はぁ…ん、………にい、さん…」

更に加速する手は、先走りで濡れてくちゅくちゅと卑猥な水音をたてていた。
私はただ呆然と、一人遊びをしている弟をみて楽しむなんてこともできずに、普段と全く違う宮田さんに驚いて見ていることしかできなかった。

「にいさん…にいさん……兄さん」

宮田さんが私を呼ぶ回数が増え、顔は辛そうに眉をしかめ目を細めていた。

「…宮田さん、辛そうですね?」
「………は、ぅ…」
「あの、お手伝い…します、か?」

私の申し出に、宮田さんは顔をあげた。
目尻にうっすらと涙がたまっていて、辛そうに歪んだ顔が更に可愛くみえた。

「にいさ、」
「ね?一人じゃ辛いでしょう…」

完全に立ち上がった宮田さんに手を添えると、手が冷たかったのか、宮田さんがびくんと一瞬震えた。
生憎自慰なんて普段しないので、やり方がいまいちわからず、さっきから狂ったように動いていた片割れの動きを真似するだけの、ぎこちない動作を繰り返すことしかできなかった。
それでも、自分の意志で動いていないものにいじられ、予測できない動きに宮田さんは感じているようだ。

「はぁ………ぅ、にいさん…」

もうされるがままになってしまった宮田さんは、強張った顔でこちらを見て喘いでいた。

「ぅ、んっ…」
「………ここが、気持ちいいんですか?」
「ぁ、にい…ぅ、や…」

ふにゃりと表情を崩して反応する顔を確認しながら、手を動かしていく。
…自分も、こんな顔をするのだろうか。
はぁ、はぁと浅く息を紡ぐ弟を見てそんなことを思った。

「やめ…兄さん、も、…いく、」
「あぁ、えっと…」
「にいさん…にいさん、だ、め、ぁ、ああああっ…!!」

最早快感に支配されることを拒まなくなった弟の顔が更に歪み、私の手の中に性をぶちまけた。
ぺろりと舐めると、それは苦くてとても飲み込めるようなものではない。
それでも弟が愛しくて、口で白濁を全て拭った。

「…牧野さん、汚いですよ……」

まだ余韻に浸っているような宮田さんが力なく私に言う。

「あら、もう兄さんって呼んでくれないんですか?」
「っ………。やっぱり双子かな。兄さん、あんたも大概狂ってる………。」
「今に始まったことじゃありませんよ」

ふふ、と微笑んでみせると、ふ、と宮田さんも笑った。

「ねぇ、私のも、責任とってくれますよね?」
「………喜んで」


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