中年は大切に扱おう「ロン君に、ハーマイオニーちゃん」
稲妻君、もといハリー君がお友達を紹介してくれた。
「よろしく、リシュヴァさん」
スカートをひらりとハーマイオニーちゃん。
まじかわ!女の子!
「あー、よろしく」
頭をぽりぽりとロン君。
ちゃんとご挨拶しなさいよ!とハーマイオニーちゃんに注意されていた。
「リシュヴァさんはホグワーツの卒業生なんですってね!どこの寮だったの?」
ハーマイオニーちゃんがきらきらした目で聞いてくる。
なんだか申し訳ないなぁ…。
「あのね、私」
「リシュヴァさんはどこの寮にも入ってないんだよ!」
ハリー君が代わりに言ってくれた。
「え?それどういうこと?」
ロン君が声をあげた。
ハーマイオニーちゃんも不思議そうな顔をしている。
「あのね、私はね、宇宙人なの。だから組み分け帽も困っちゃったみたいで。」
「それで特別措置をとってもらったんだよね!」
「よく知ってるねー。あ、リリーから聞いてるのか。」
ハリー君がこくこくと頷く。
「私、ハリー君の両親とは同級生なの。」
ポカーンとしている二人に言った。
まあぽかんとしてる理由はそこじゃないだろうけど。
「そうだロン君のパパとママも知ってるよ!あっつあつの二人だったからね」
そういうとロン君の顔がかーっと赤くなった。
そんな彼が可愛いくなって、ふふふと思わず笑ってしまった口を急いでおさえた。
「じゃあ授業とか寝食はどうしていたの?」
「ああそれね。授業は時間割りを先生方が特別に作ってくれて、部屋は今使ってるところを当時から使わせてもらってたよ。食事は仲のいい子ととってたね。」
三人はえーっという顔で聞いていた。
「でもまさかスリザリンの生徒とはとってないわよね?」
ハーマイオニーちゃんがおずおずと聞いてきた。
「ん?いや、セブルスとかとも何回か一緒にとってたよ。」
そう言ったとたんより一層三人の顔が歪んだ。
「何、そんなにセブルスがきらい?」
「「「きらい!!」」」
三人ぴったりハモった。
「あはは、めっちゃきらわれてるね!でももう先生も中年と呼ばれるお年頃だからね、あんまり酷いこと言っちゃだめだよ?」
「どうして?」
「どうしてって…、中年は傷つきやすいからさ。」
時計を見ると、そろそろ消灯の時間だった。
「さあほら、もう寮へお帰り。おねんねの時間ですよー。」「はぁーい」
つまんなそうにしている一年生の背中を押しながら、そんなにやなやつじゃないのになあ、と一人思った。
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