「何を作っているのだ姉者」

「おにぎりだよ。小腹が空いちゃってね」

「成程な。して、中の具は何を入れるのだ？」

「んー…冷蔵庫に鮭フレークと梅もあるけど今の気分は定番の具より味の濃いものが食べたい気分なんだよねぇ。肉巻きを作るのは面倒だし…あ、そうだ！おかかにしよう！」

「鰹節か。しかしそれではあまり味の濃い物にはならんのではないか？」

「ふふん、まぁ見ておきたまえ膝丸君。まずはボウルにご飯を入れて鰹節と醤油とごま油を少々…。あ、そうだ少し白ゴマも少し入れておこう！どこにしまってあるのかなぁ」

「そら、白ゴマだ姉者。使ってくれ」

「おお！ありがと〜！気が利くぅ！」

「な、なんのこれしき……」

「おうおう今日も綺麗に桜が舞ってるねぇ。それじゃあ白ゴマも少し入れて…あとは三角に握ってトースターでほんの少し表面を焼いていきまーす」

「む…何やら香ばしい匂いが漂ってきたぞ姉者」

「でしょでしょ。表面に焼き色がついたら取り出してっと…よし！出来上がり！」

「こ、これは…！」

「膝丸も一つ食べてみる？」

「良いのか？これは姉者の物だろう」

「いいのいいの、一人で食べるより膝丸と一緒に食べた方が断然美味しいからね」

「あ、あねじゃ…。ご、ゴホン…では遠慮なくいただこう」

「私もいただきまーす。んん！美味しい！味が濃くてたまんないねぇ！」

「う、美味い…！このような美味いおにぎりを作れるとは流石は姉者だ！」

「デヘヘ、照れる。でもこれお酒が欲しくなってくる味で困っちゃうわー。流石に昼間からお酒は飲めないからみっちゃんにお願いして今度の宴会メニューに加えてもらおっと」

「燭台切に任せてしまうのか？」

「私が作るよりみっちゃんが作る方が絶対に美味しいと思うし……えっ、膝丸は私が作った方が嬉しかったりするの？」

「姉者の作る食事はどれも美味いからな…。それに…」

「それに？」

「こ、こうして姉者の手で直接握ってくださったのだと思うとひとしお美味く感じるのだ……」

「ヒエッ……うちの源氏刀可愛すぎ……」