「はぁ…妹の背中は暖かいねえ…」
「ぐえっ…ちょっと髭切お兄さ〜ん。今ゲームしてるとこだから背中に圧し掛かるのやめてもらえませんかね」
「やぁだ」
「やだかぁ〜……クソッ…!可愛いすぎて反論すら出てきやしねえ…!」
「あんまり髭切を甘やかすなよ姉ちゃん…。髭切もあんまり姉ちゃんにべったりしてるとまた膝丸が嫉妬するぞ?」
「弟の…えーっと…脚丸は今食事当番で厨に居る事だし問題ないよ」
「膝丸な…。それにしてもさっきからやけに寒がってるよなぁ髭切。まぁここ最近うんと寒くはなってきたけどさ、姉ちゃんの肉布団に頼るほどか?」
「おい肉布団ってなんだぶっ飛ばすぞ」
「そうだなぁ、よくは分からないけれど弟が言うには僕たち兄弟は他の刀剣男士達と比べて体温とやらが低いようだね」
「え、そうなのか?」
「だからこうして妹の肉布団に頼らないと体が冷えて仕方ないんだよ」
「キーッ!お姉ちゃんの脂肪を肉布団って呼ぶのはやめなさい!っていうかそんなに冷えるなら着るもの増やしたら?ヒートテックとか持ってないの?」
「ん〜、僕達はあまり服に頓着がなくてね。そのミートテックとやらは妹の身体より暖かいのかい?」
「いやぁ、たぶん姉ちゃんのミートの方が暖かいだろうなぁ…」
「ヒートテック!ヒートテックだからね髭切!持ってないなら買ってあげるからそれを着てたほうが良いよ。人肌より暖かさは劣るかもしれないけど着ないよりは全然ましだからね」
「そうなのかい。でもやっぱり僕はミート何とかより妹に温めてもらいたいなぁ。君にこうしてくっついてるとなんだか安心するんだよねぇ…」
「可愛すぎ1000000点!!!!よーしよしよしお姉さんが身も心も温めてあげるからね〜〜!!」
「チョロすぎんだろ姉ちゃん…。そうやって手放しに甘やかしてるとまた膝丸が、」
「失礼するぞ主。今日の夕飯の事なんっ……なっ、何をしておられるのだ兄者ァ〜〜〜っ!!!」
「ほら見ろ!!絶好のタイミングで膝丸が来ちゃったじゃねーか!!」
「アンタがフラグを立てるからでしょうが!!えっと、食事当番お疲れ様ひざま、ってああ〜っ!めっちゃ眉間に皺寄せてプルプル震えとる…!!」
「ありゃ、ついに鬼になってしまうのかい弟」
「な、ならん!鬼になどならんぞ兄者!それよりも何故二人はそのように身を寄せ合っておられるのだ…」
「寒いから私で暖を取ってるんだってさ。髭切から聞いたけど膝丸も体温が低いんだって?体辛くない?」
「あ、あぁ…確かに手や足の先が冷える事が多いがこれしきの事で戦に支障を出すような柔な刀ではないぞ」
「戦に支障は出なくても生活に支障が出ちゃうでしょ〜。寒い日の朝とか起きるの辛いんじゃない?」
「確かにここ数日の冷え込みは少々体に堪えるが問題はない。心配には及ばんぞ姉者」
「そっか。じゃあ手を出してみて」
「ん?こうか」
「ほら、やっぱり冷たいじゃない」
「なっ…あ、姉者…!?」
「手袋してても冷えてるじゃん。やっぱり髭切と同じで冷え性なんじゃない?」
「く、厨で水仕事をしていたからな…」
「それにしても冷たいなぁ〜」
「あっ姉者、手袋の中に指を入れるのはやめてくれないか…!」
「いやぁどれだけ冷たいもんなのか確かめたくって。って、あれ…なんだか急に手があったかくなってきたね膝丸」
「ありゃあ、弟の顔が真っ赤になってるよ」
「こらこらお前らそれ以上膝丸を虐めてやるな!!」
「やっぱり妹が居れば必要ないんじゃないかなぁ、ミートテック」
「ヒートテック、ね!!」