加羅ちゃんと鶴丸と

「慣れ合うつもりはない…」

「対戦ゲームのソフトを手に持って言う台詞ではないなぁ…」

「おっ、なんだ加羅坊。また姉上殿をゲームに誘いに来たのか?悪いが彼女は今俺と逢い引き中だからゲームはこの後にしてくれよ」

「ごめんね加羅ちゃん、この総白爺ちゃんの中ではロシアンルーレットのレシピ作りと逢い引きとは同義語みたいなんだわ。すぐ終わらせるから待っててね」

「フン…群れるつもりはないが俺の相手を務まるのはアンタだけだからな。…ここで終わるのを待っている」

「は〜〜!?ちょっと聞いた鶴丸さん!あの見事なツンデレっぷり!群れないなんて言いながら自分に心を開いてくれるだけでなく傍で待ってるなんて事イケメンに言われて落ちない女はいねえッッ!!」

「おいおいあれくらいで落ちるなんてチョロいなお嬢。俺なんて加羅坊に優しい微笑みでお前は本当に馬鹿だな、なんて言われた事があるんだぜ?」

「ギャーーッなにそれってアレじゃん!?少女漫画でよくあるクールなイケメンが主人公のおでこツンってしながら言うやつでしょ!?おいおいヒロイン差し置いてなに男同士でラブコメやってんだけしからんな!!」

「おい…妙な勘違いをするな。あれはお前が誤って自分が作った落とし穴に落ちたのを見てつい呆れて笑ってしまっただけだ」

「え…つまり加羅ちゃんは鶴丸が愛しくて言ったわけでなく純粋に小馬鹿にした上での発言だったと……」

「当然だ」

「う、嘘だろ加羅坊…俺はてっきりお前が俺の事を愛しいと思ってくれているものとばかり…ううっ…!」

「つ、鶴丸ちゃん!?ちょっと男子〜〜!鶴丸ちゃんが泣いちゃったじゃん!!」

「ぐすんぐすん…」

「……チッ…勝手にやっていろ」

「あーー待って冗談冗談!行かないでよ加羅ちゃ〜ん!!」

「はっははは、本当に加羅坊はからかいがいがあるなぁ」




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