2年を甘やかしたい
「名前先輩、洗濯物ですか!?俺が取りますよ!」
「葦木場。ありがとねー、助かるよ」
「えへへっ…先輩の役に立てて嬉しいです」
「…葦木場ってずいぶん苗字さんに懐いてるよな…」
「ユキちゃん。だって俺先輩にいっぱいお世話になったから…」
「お世話に?」
「うん、俺が1年の時自転車に上手く乗れなくて雑用ばっかやってる時に優しくしてもらったり…あと新しいスタイルを手に入れるための練習に付き合ってもらったりとか…」
「なっ、お前そんなに名前さんに世話になってたのかよ!?」
「あったねーそんな事も。葦木場ってふわふわしてるし泣き虫だから放っておけないんだよねぇ」
「先輩、頭撫でてください!」
「はいはーい。ふわふわだねー葦木場」
「えへへ、先輩に撫でられると幸せです俺」
「葦木場テメッ!!後輩の分際で先輩に甘えてんじゃねーよ!!」
「なんで?後輩は先輩に甘えちゃダメなの?」
「そんなことないよ。黒田の事も甘やかしてあげようか?」
「えっ………っていやいやいや!!そういう問題じゃねーよ!!」
「黒田のツッコミは今日も冴えわたってるね…時期ツッコミ役エースは君に決まりだ」
「良かったねユキちゃん」
「だーーもう!!いいから離れろ葦木場ァ!!」
「え?やだ…」
「やだじゃねえ!!」
「どうしたんだユキ、大きな声を出して…」
「塔一郎ォ!!このでかいやつどうにかしろ!!」
「葦木場?それに苗字さんも…」
「名前さんに甘えてんだよこいつ!!」
「いいじゃん、苗字さんだって嫌じゃないよね?」
「むしろバッチコイだよ」
「そう言うことか……苗字さん、良ければ僕も甘やかしてくれませんか?」
「塔一郎!?」
「だ、だって普段は新開さんや先輩方が居るのでこんな機会は滅多にないし…」
「そりゃそうだけど…って違う!!」
「いいよいいよ〜泉田も甘やかしちゃう!!ほら撫ーで撫で〜〜泉田はいつも頑張ってて良い子だねぇ」
「アブゥ…」
「あーずるい!先輩、俺も撫でてください」
「はいはい。ふふふ、私の後輩ちょう可愛い」
「……顔緩みすぎっすよ名前さん」
「そんな荒北みたいな事言ってると黒田は甘やかせてあげないよー」
「いいです別に。甘やかされるんじゃなくて甘やかしていいんなら話は別ですけど」
「へ?」
「なんでもないっす」
2014.5.11
おまけ
「はぁ〜〜〜…俺としてはさぁ…甘やかされるより甘やかしたい願望が強いっつーか…尽くされるより尽くしたいんだよ俺は。けどあの人はいつも俺の事後輩としか見てねえんだよなぁ…せめてあの先輩達の鉄壁を崩せりゃ俺にもチャンスはあるんだろうけど……はぁ…べッタベタに甘やかしてぇなぁ、苗字さん…膝に乗せて撫でてやって、ちょっと意地悪してみたりさ……」
「(なんでユキは普段は苗字さんに対してツンツンしてるのに俺の前ではデレるのを隠さないんだろう…)」
「聞いてんのか塔一郎」
「聞いてる聞いてる…」