太った話


「太った…!!」

「どうしたんだ名前、この世の終わりみたいな顔してるぜおめさん」

「太ったんだよぉおお!!さっき体重計に乗ったら増えてたの!!こんなに動いてるのになんで!!」

「その分食ってるからだろーがよォおデブチャン」

「くっそぉおおお荒北に言われるとすんごい腹立つ!!このガリ北ブス友め!!」

「デブスに言われても何とも思わねェけどォ〜?」

「グハッ!!うううっ、新開ぃいいい!!荒北が苛める!!」

「靖友は好きな子は苛めたいタイプだからなぁ」

「ばっ、誰がそんなブス好きになるかよ!!」

「それにおめさん元からそんなに太ってないんだから少しくらい体重が増えたって問題ないだろ?」

「いやいや…ここだけの話私けっこう肉ついてるんだわ…着痩せするタイプでさ…」

「ほうほう…ああ、確かにお前肉付き良い方だったな。思いだしたよ」

「でしょ?あれで太ったりしたらもうデブって言われても仕方ないってほんと」

「おいちょっと待て、なんで新開がお前の体型を知ってる口ぶりなんだよ」

「気になるか靖友!」

「だって私達深い関係だもんねーっ!」

「ねーっ」

「ハァッ!?ふざけてんじゃねーぞテメェら!!」

「なに勘違いしてんのぉ荒北くん。私達中学から一緒らからプールの時間とかに水着姿見てるしお互いの体型くらい知っちゃってるもんねぇ〜」

「だもんねぇ〜」

「ウッゼ!!」

「何を騒いでいるのだお前ら!!」

「うわ煩い奴来た」

「名前が太ったって落ち込んでるんだ」

「何ィ!?それはいかんぞ!!太るのは良くない!!外見には気を使わねば!!」

「酷いっ!!東堂は”太ったってお前の良さは変わらん!”とか言ってくれると思ってたのに!!」

「東堂…おめさん酷い男だな…」

「いくらほんとの事でも言い過ぎなんじゃないのォ?」

「えっ!?あ、いや…ち、違うぞ名前!!俺はお前が太っていようが痩せていようが構わんのだよ!!だが女子は見た目を気にするだろうと思っての事で…!!」

「あーもういいよいいよ!!どうせデブだって言いたいんでしょ!!」

「ち、ちがーーーう!!」

「どうした名前」

「ははは、なんか騒がしいですね」

「福富ぃ!!真波ぃ!!聞いてよ!!じ、実は体重が増えちゃって…!!どうしたらいいの!!」

「体重…?増えたのか」

「少し…」

「気にするな。見た目は変わらん。むしろもう少し太ってもいいくらいだろう」

「俺先輩に抱きついた時の柔らかさとか大好きですよ!だからダイエットとかしちゃやだよ!」

「ふ、福…真波ぃいい〜〜〜!!ありがとう!!流石私の天使達!!」

「……なんなんだ、この扱いの差は…」

「日ごろの行いってやつだろ」

「お、俺だって今のままの名前が好きだっ!!」

「あーはいはい。福、明日アップルパイ焼いてきてあげるよ!真波はあとでめいいっぱい甘やかせてあげよう!!」

「アップルパイ…!!」

「ほんと!?ほんとに!?やったー!いっぱいぎゅーってさせてくださいね!!」

「天使ぃ!!」

「……」

「靖友、東堂が涙目だぞ」

「ほっとけほっとけ」



2014.5.11



おまけ


「聞きましたよ苗字さん、痩せたいそうですね。どうぞこのダンベルを使ってください」

「ダンベル?筋トレしろって事?」

「はい!僕のアンディとフランクもこれで鍛えましたから!!先輩もダンベル運動を続ければすばらしい肉体を手に入れられるはずです!!」

「ありがたいけど私のアンディとフランクは脂肪の塊だから…鍛えると小さくなってしまうんだよ…」

「アブゥッ!?///」

「泉田もそこそこ胸大きいよね。Bカップ?」

「苗字さん、塔一郎をからかうのはやめてやってください…」


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