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酸欠です(ヴァンガ・ジュン三和)

2012/06/23 00:34

好きっていったのはお前のくせに。
最近そう思ってはため息を吐く。最初に三和を好きだと言ったのはジュンだった。それを三和はへえと聞き流した。だって同性に好きということの重大さを知らなかったのだ。愛とか恋とか、そんな意味で彼が三和を好きだなんて誰が信じただろうか。
それなのにジュンは丁寧に気持ちを伝えてくれて。気が付いたら三和もジュンのことが好きになって。付き合い始めたのだけれど。

『しばらくバイトだから』

そうメールを送って。返ってくるのは『残念だけど仕方ないね』なんて答えで。
お前俺のこと好きなんだろ?
だったらバイト終わる頃に迎えに来るとかさ。いくらだって会う方法はあるだろ?
そんな言葉を飲み込む。
最近、メールをするのも三和からで。本当はジュンは三和のことなんてそれほど好きじゃないのではないか、なんて。

「……三和くん?」

毎日会いたいって思うのもメールしたいって思うのも声が聞きたいって思うのも、俺だけなんじゃないかって。そう思ったら、ただ、じわりと涙が溢れだしただけ。

ジュンはいつのまにか三和の酸素のようなものになっていて。きっとないと死んでしまうのに。ジュンにとっての自分はそうでないかもしれないと、想像しただけで心臓がヒヤリとした。





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