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もう幼かった自分ではいられないの(伝勇伝・レファリズ?)

2012/04/16 13:34


たとえばいつの頃のことか忘れるくらい、遠い昔の記憶を探れば、簡単なことだったのに。
無邪気に笑う自分たちに、嫉妬してしまいそうなくらい。
どうしたらあの頃に戻れるだろう。
考えてはみたけれど、どこかよそよそしくなった相手と、自分との間にある、見えない壁みたいなものを感じて、ただため息を吐く。

「遠い」

隣にいたのに。ずっと。
今では隣にいることさえできなくて。

(隣にはいるのだけれど、昔とは違っていて)

まるで腹の中を探りあうように。
レファルの好みのタイプを聞いて。リーズの好みのタイプを言って。
探りあうように、彼が誰かを好きにならないように祈りながら。

昔はもっと単純だったのに。ただ彼の頬に口づけて愛を囁いた自分。
黒歴史だ、なんて口では言うけれど、本当はあの頃の自分に嫉妬して。

(まあ、今はそんなことできないけれど)

単純とは、ある意味素晴らしいものなのかもしれないな、と。
レファルにだけは聞こえないよう、リーズは小さく呟いた。





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