お前の隣は続編 | ナノ

噂を広める

昨日の目的は達成できた。
じゃあ今日の目標はどうする。

「んー…やっぱあれだろうな」

昨日は二回キスをした。
けどどっちも誰にも見られてない。

クラスも違うからあんまり一緒にいることだってないし、部活後に話したりしてんのも寮の奴らにしか見られない。
そのせいなのかは分かんねぇけど、俺とちひろのことがあまり噂にならない。

俺達は付き合ってんのに俺は今だに告白されることあるし、ちひろも告白とかされてるのかもしれない。

一々断るのも面倒なんだよな…。
ちひろとの時間も減るし。

だから噂になって広まってくれれば諦めてくれんじゃないだろうか。
つってもどうすりゃいいのか分かんねぇけど。

「なあ倉持」

「なんだよ」

「俺とちひろって、付き合ってるように見えない?」

「はあ?んだよいきなり。
俺は知ってるから何とも言えねぇよ」

…まあそれもそうか。
周りに付き合ってるって見せるには、一体どうすんのが一番効果的なんだ。

「一也ー倉持ー」

「お、ちひろちゃんか。どうしたよ」

「次の時間の家庭科でカップケーキ作るんだけど、いる?」

「俺にもくれんの?」

「うん、倉持にはいつもお世話になってますから」

「ヒャハ、んじゃありがたく頂くわ」

「おっけー。
じゃあ楽しみにしててね」

家庭科か…てことはちひろ以外にも持ってくる奴いるよな。そしてちひろも持ってくる。
じゃあそこで俺がちひろの分しか貰わなかったら?

ちひろが特別だってのは、確実に広がる。

けどそれじゃあ付き合ってるとは言い切れない。
だったら周りに付き合ってると思わせるようなことが必要。
貰うだけじゃダメ、ということは…。

「…やっぱあれしかねぇわ」

もしかしたらちひろに怒られるかもしれない。
まあたとえ怒られるにしても俺は実行に移すぜ。

はっは、どうなることやら楽しみになってきやがった。
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