お前の隣は続編 | ナノ

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「御幸くーん」

「これ貰って〜」

授業が終わって、昼休み。
早速さっきの時間家庭科だった隣のクラスの女子何人かが俺にカップケーキを持ってきた。
前までは気分で受け取ったりもしていた。けど今日は、というかこれからはちひろの分しか貰わない。

「ありがとう。
けど俺貰う子決めてるから」

「えー何それ誰ー」

「悪いな、代わりに倉持が貰うってよ」

「俺かよ!」

「倉持はいいや…」

「んだとコラ!」

倉持の一睨みで怯む女子。
いやーこういう時に倉持の存在はありがたいな。

仕方ないとばかりに帰っていくその子達と入れ違いで、ちひろがやってきた。
ちひろの手には弁当と可愛くラッピングされたカップケーキがある。
それを見たさっきの女子数人がちひろを遠くから見てる。まあ俺が受け取るのか気になってんだろう。

「何かあったの?」

「んーちょっとな。
それより家庭科の出来は?」

「まあ普通かなー
はい、まずは倉持。
あとは一也の分ね」

「さんきゅ、すげー嬉しい」

「ぷっ、どうしたの急に」

俺が嬉しいって言っただけで笑うとかちょっと失礼じゃねぇの、なんて思ったけど嬉しいのは事実だし特に指摘するほどでもない。

教室の外からその光景を見てたさっきの子達は信じられないって顔してこっちを見てる。

ここはやっぱダメ押しの一手でも打っておくか。

「ちひろ、ちょっと」

「ん?何…んっ!?」

横に倉持もいるけどそんなの一々気にしねぇ。
手招きしてちひろを呼び寄せて、そっと腕を引っ張ってキスをした。
2人きりの時はそんな表情見せないくせに、今のちひろの顔は真っ赤。
倉持の奴も固まってやがる。

「お礼、な」

「なっ、何がお礼よ馬鹿!こんなとこでしないでよ!」

「どこでしたって同じだろ」

「違います!」

もう!って言いながらむくれてるちひろは可愛い。すげー煽られる。
けど2人きりじゃないから隣にいた倉持に胸倉掴まれて怒られた。
怒られる筋合いねーよ。
まあこれ言ったら今度は首絞められそうだから言わねぇけど。

そしてもう一度さっきの子達の方を見ればさっきの倉持と同じように固まってて、その表情は次第に黒いものに変わっていった。
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