小話 | ナノ



 
今日は瑞樹と会いました。
そんな言葉と共に送付される写真にあいつの姿はない。
本当に岸本瑞樹しか写っていなかったものだから、少し笑ってしまう。
返事は決まっている。
そうか、岸本瑞樹は元気か?懐かしい、俺も会いたい。
こんな感じ。
お前に会いたいなんて、絶対に言わない。

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2017/09/25 19:51


 
拗れる原因は真司と恭介の関係そのものではなく、真朝の妊娠と暁が朝陽を引き取ったこと。
おままごとには終わりがくる。
暁の変化に真司は苦しみ、恭介も感じ取っている。
悠太には本当のことを言えばよかったのではないかと真司は思っている。
暁本人は子育てが忙しく振り返る余裕もない。
悠太に言えなかった理由は真朝の名誉(自覚あり)と、男にかまけて姉をないがしろにしたことを糾弾されることへの恐れ(自覚なし)。
恭介は気づいているけど触れない。
真司は気づかない。

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2017/05/10 02:17


 
※逆行、記憶なし

突如現れた男は、かつての我が子だという。
……あほか。ありえん。
どちらかといえば、級友に似ている。


避けるしかない。
またすみれちゃんを失うわけにはいかない。
たとえ、彼女の息子たちに会えないとしても。

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2017/04/30 05:00


 
※逆行、記憶あり

何がいけなかったのか。
突如現れた、かつての我が子。
「葵と茜に近づくんじゃねーよ」
吐き捨てる薫と。
「恭介は俺が守る」
なぜかいる葵。
「お母さんって呼べなくてもいいの」
泣きながら告げる茜。
真司以外、同世代に記憶がある者はない。
誰にも頼れない。
「お久しぶりね、おじさま」
狂気を隠そうともせずに朝陽は笑う。
「未来はね、変えられるの。そうでしょ?」
それでもすみれは進む。自分のいない未来へ。
「この一瞬を覚えていられるなら」
悠太は苦笑し、歩みを共にする。
「俺は幸せだった」
暁は叫ぶ。届けと願いながら。
「自由になれよ」
瑞樹の願い。
「もう望まない。お前もだ」
幸せを拒む秋一。
「俺のこと、好きでしょ」
寛貴の確認は別れが近いから。
「思い出さないで」
亮介の祈り。
「ほんとはね、ずっと、ずっと一緒にいたかったのよ」
すみれの呟きに、恭介は絶望を感じた。
また、別れを繰り返す。

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2017/04/30 02:57


 
「ホント今更なんだけど、好きって言ったっけ?」
面倒臭そうに暁が言って、悠太は何を言われたかわからず、気づけば喉の奥が熱くて。
「……泣くな」
「うん。……うん」
自分の涙さえも嬉しくて。自分がまだ、愛されたいと思っていたなんて、そんな人間らしい感情があったなんて――。
渦巻く思考、暁の呆れ顔、いや違うこれは、
「悠太、好きだ」
返事も忘れ、堪らず抱き締めた。

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2017/04/23 02:21


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