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  ・愛しい君(アダム)


「こんばんはアダム」

「こんばんは、ナナシ待っていましたよ」


これはいつもの日課、私の愛しくてやまない人は俺の国の敵である紅薔薇の騎士団の一人だ

ちなみに俺たちは裏で付き合っている


誰かに知られてはいけないのでいつも夜、俺の国の外で会っている


本当は私がナナシに会いに行きたいのだが、ナナシ曰く、紅薔薇は城の外まで取り締まっていて、会うのにも注意が必要になってしまうのこと


レディに毎日私の国まで会いにこさせるということはなんてみっともない
そして俺の彼女というのに…


「どうしたの?アダム元気ないよ?」

「毎日ナナシに私の国まで来させるというのは流石に男としてダメなのかと…」

「えっ?そんな事?なんだ…良かった私のこと嫌いになっちゃったのかと思った…」


すんなり可愛いこというからつらい

俺がナナシを嫌いになることはまずないですね



「あ、それと、毎日アダムの国に来ているのはアダムに会いたいからだから私のわがままだからきにしないで!」

「…それじゃあ私が困りますよ」

「えっ?やっぱり私と会いたくない…?」

「そんなわけないじゃないですか、そういう事ではなく、わたしも会いたいからいつもここに来ているのですからそれでは気が済みませんよ」

「べつにこれでいーの私がそうしたいんだし、それに紅薔薇は夜でも見回りが緩くないからね」


わらってピースをするナナシ、…とても可愛い
正直に言うとナナシを襲いたい


「…ナナシ、これは何ですか?」

「え、このブレスレット?」

「はい」

「マリア様に貰ったんだー」


えへへと笑うナナシ

可愛いが、モヤモヤする



「あのゴリラのどこがいいんですか」

「マリア様はゴリラなんかじゃない!マリア様は凄いんだよ国の女王様だし…あ、言っちゃった…」

「ふふっ、内緒にしておきますよ」


「あ、アダム次の紅薔薇との戦いさ、こっちは本気らしいから気を引き締めてね」


「私の心配より自分の心配をしてくださいよ…ナナシが死んだら私はどうすればいいんですか」


「大丈夫、私は死なないよ」


そう言って月夜に照らされるナナシは消えそうで怖かった


チュッ


俺はナナシに短い触れるだけのキスをした


「あ、アダム?!」


「…消えないでくださいね」


「消えないってば…ずっと思ってたんだけどさ、アダムって戦争のときと普段のアダム全然性格違うよ」


流石にバレていたか…


「実を言うと戦っているときの私が本当の私なんですよね」


「え、そうなの?」


もしかしたら失望させたかもしれない
ずっと失望されると思って黙っていた


「じゃあ、これからはアダムは私に造りの性格にしないこと!」


「え?」


失望されるのかと思ったら逆に喜ばれた


「え、もしかして嫌?でも私アダムの彼女だからそうさせてもらわないとなんか悲しい、かな」


「え、いや、失望しないんですか?」


「うん、むしろ嬉しいや」


はぁ…本当にナナシはいい子で可愛い


「ふふっ、好きだよナナシ」


そう言うとナナシは顔を赤くして俯いてしまった


「どうしたんだ?」


「…なんか新鮮で良いって思って」


…なんでそんなに可愛いことを言うのか…


俺はナナシの顎を上に向けてさっきとは違う深いキスをした


「んっ…」

ナナシの口内を犯すように動かす

そろそろ酸欠になりそうになったから口を離した


ナナシは顔がとろーんとして目に涙を溜めていた

…犯したい今すぐ犯したい


そしてナナシのすべてを俺のモノにしたい

そう思ったが俺は抑えてナナシとまた話をしてナナシは帰っていった



…はぁ…ナナシはどれだけ俺を揺さぶるんだ…


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