よく晴れたある日、タンタラスアジトに漆黒の髪と瞳を持つ少女が駆け込んで来た。
「ジタン様…!」
「ん?よお、ミノン!…ど…どうしたんだ!?」
ジタンが驚くのにも無理はない。常日頃は静かすぎる程に淑やかなその少女…ミノンが、何と慌てていたのだ。
「どうしましょう、私…私…!」
「…待った、落ち着け。ちゃんと一から話してみ?」
ミノンはジタンが手振りで示した通りに深く息を吸うと、ゆっくり吐いてから言った。
「わ…私、その………劇の舞台に立つ事になってしまったんです…!」
「…舞台?それがど……………舞台〜!?」
ジタンの遅れ過ぎな反応がリンドブルム中に響き渡った。
†オペラ座の歌姫†
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