19
私はどうするべきか、すごく悩んでた。
どうもしない事が正解。
それは、そうなんやけど、女子高生としてできる事とできひん事が、あるやんか?!

「名前ちゃん、……は、ちゃうやんか、……八百万さん、は、……芦戸さんと葉隠さんは、絶対アカン!……耳郎さんは、多分そういうのちゃうし、……梅雨ちゃん……は、砦やろ。飯田く、んは無いよな」

最初から決まっていたと言っても過言ではない名前を、一覧から探し出す。
部屋を見渡した。
変わらずシンプルなベッド。その上についている時計を見ると、時刻は8:30を指している。20:30だ。
大丈夫。まだいける。
この時間なら不躾な時間でも無いはず。
ただもしかすると、お風呂かご飯時かも知れへん……。
ええい!

もう半ば勢いで押した名前は、コール画面に切り替わり、数度コール音を鳴らしてから『もしも、し!』と緊張気味の声を呼び出した。

「あ、も、もしもし!!デクくん!!!落ち着いて!!良い?!落ち着いて聞いて!!あ!今大丈夫?!!」
『う、うん……うう、う、麗日さんこそ、お、落ち着いて!!大丈夫、大丈夫だよ!』

最もなことを言われたら、そうやね!と返すしかなく、どちらからとも無く、数度深呼吸をした。

「あんな、ちょっと、言いふらすことじゃないんやけど、どうしても……一人じゃ抱えきれへんかってん!」
『う、うん、どうしたの……!』

どこか緊張した声のデクくんに、「落ち着いて聞いて」と前置きをして、私も落ち着くためにまた息を吸う。

「さっき、言うても一時間くらい前なんやけど、……爆豪君がな」
『……え、かっちゃん?』
「そう、かっちゃん・・・・・

もう一度息を吸い、先程見た、どこか軽やかだった足取りの爆豪勝己。紛れもない爆豪君、かっちゃん、爆発さん太郎の名をほしいままにする我がクラスの暴君の姿を思い起こす。
間違いなく、確実に。このマンションのエントランスから出てきたのだ。
このマンションには、私と名前ちゃん以外に彼の知り合いが住んでいる事は、おそらく無い。
そして、何よりも二人が共に校門から出ていく姿は私と飯田君が見ているのだ。

「そのかっちゃん・・・・・、……名前ちゃんの」
『し、肉倉さんの……?』

ゴク、喉が鳴ったのは、果たして私か、デクくんか。

「家から出てきた……!」
『……ぇ!!!』

ガシャン、ドタン
激しい物音が電話の向こうから聞こえてきて、そのうちデクくんのお母さんの「いずくー?何してるのー?」なんて声と、「だ、だ、だいじょ!大丈夫!!」と、デクくんの上擦った声が聞こえてくる。

『う、麗日さん、他に、この事を誰が……!』
「ま、まだ誰にも言うてないんよ!なんか、……言ったらあかんやろなー!って、思ったんやけど、」
『し、暫くそっとしておこう!ほら、もう、なんて言うか、当人同士の問題だし、その、ほら!』
「そ、そうやんな!あかんよね!もう、こう、あー!一人で抱えとけへん!!ってなって!だって!私も名前ちゃんも!一人暮らし……!」

うん、わかるよ!と、電話越しにデクくんが頷いてくれるのを聞きながら、唐突に鳴ったインターホンの音に腰を跳ね上げた。

「ぴゃ!」
『う、麗日さん!?』
「ご、ごめん!誰か来たみたい!」
『あ、切る?待ってようか?』
「あ、ちょっと、ちょっとだけ待ってて!」

デクくんとの通話画面のまま、スマホを放り出して玄関を開けると、私はまた「ぴゃ!」と声を上げることになった。

「名前、ちゃん!」
「ええ」
「あ、えと!」

私は部屋の方を一度見てから、ランニング用の夏物ジャージを着込んだ名前ちゃんに視線を戻す。

「誰かいるの?出直すわ……時間も時間ね……後日に」
「あ、大丈夫!大丈夫やで!ちょっと電話してて!あ、とりあえず入って!」

お邪魔します
そう言って、静かに靴を揃える名前ちゃんにはなんら変わったところはない。
とにかく、一旦デクくんとの通話を切ろう。
それから、それからどうしよう!

「あ、あのな、デクくん……また明日学校で!」
『あ、うん!うん!!また、明日!』

電話を切ってから、そぅ、と玄関先に佇む名前ちゃんを見る。

「これを、渡そうと思って」
「あ!ほんと!ありがとう!」

名前ちゃんは私が数学で躓いたところの詳しく載っているらしい参考書を持ってきてくれていたらしかった。
そういえば、貸してって言った!今日の日中の出来事を思い出して礼をする。

名前ちゃんの様子に、なんら変わった所はない。
勘違いだったのだろうか。
いや、そんな筈はない。だってあれは、間違いなく爆豪君だった。
なら、名前ちゃんの部屋やなかった?

「今日の爆豪君」
「……っ、え、ええ……」
「………………用事、なんやったんかなぁって」
「な、ん……でもないわ!か、帰るわ!!」

いや、合ってた。
名前ちゃんの反応を見るに、ドンピシャで合ってた。
それから何かあったのも確実やと思う。
いくら色恋に鈍くても、それくらいはわかる。
応援出来るかは、わからん。

わからん!!

□□□□■

翌朝、教室に入るとデクくんは既に席についてて、視線がバチッと合う。
梅雨ちゃんたちにおはよう!と返事を返しつつも、私は静かに頷いた。
わかっとるよ!ちゃんと見守るよ!でも、報告はさせて!やっぱり一人で抱えるのは!ムリ!

昼休みまでは平時通り、名前ちゃんに大きな動きはなし。たまに八百万さんとお話して、そこに時折峰田君が話しかけに行く感じ。
爆豪君も、変わりはない……と、思ったけどたまに視線が合うんよなぁ……。
見てるのバレてるんやろか。
怖くなったから、爆豪君は見ないことにしよ。

昼休みになると名前ちゃんは相澤先生に呼び出されてて、帰ってきたと思ったら一目散にデクくんとお喋りしてた私たちの方に来て、デクくんにスマホを突きつけた。
その中には、オールマイト、とまではいかないけど筋骨隆々の如何にも!って感じのヒーローが写ってる。
カッコよくポーズを決めて、歯を見せて隠す気も無いような得意げな壮年のヒーローの顔がそこにはある。

「……し、肉倉さん……?」
「教えて、頂戴……」
「どうしたの?」

いつもよりも、なんか、切羽詰まっとる、みたいな顔をしてる。入学してすぐの頃を思い出す。

「このヒーローは、……」
「わ!な、つかしいヒーローだね!確か個性が凄かったよね!収納・・だったかな?人も手の中に収納出来ちゃうって言うんだから、ヒーローとして本当に凄い個性だよ。どんな個性相手にも本当に有利だよね。あの相手からの電撃まで収納してうんだもの。近距離攻撃が一番有効になるんだよな、そうすると。どこまでの範囲で収納してしまえるんだろう。轟君の炎とかも収納しちゃえる……」
「緑谷出久」

デクくんがデクくんし始めたのに痺れを切らせたらしい名前ちゃんは、静かにデクくんの名前を呼んで意識を呼び戻す。
ビクッとデクくんが肩を揺らしたのは、名前ちゃんの声があんまりにも低かったからやと思う。
ガヤガヤとした昼下がりの教室で、デクくんの席の周りには私とデクくんと名前ちゃんしかおらんかったのが幸いしたのか、それを茶化す人もおらんかった。

「名前ちゃん、どうしたん?なんかあった?」私の問いかけにはなにも答えてくれへんくて、デクくんと思わず顔を見合わせた。
「……このヒーローは、11年前の……活動情報が載ったきり、他が見当たらないのだけれど……どう、なったのか……知っている……?」
「あ、え、と、ちょっと待って。確か……」

デクくんはサッとスマホを取り出して、直ぐに名前ちゃんに「引退してる」と言う旨を告げた。
なんでも、このヒーローの活躍で強制収容所に送致された敵の作った組織の大捕物の際に、逃げた敵が居たらしい。
その敵は、ずっと大人しく機を伺ってたんだ。何を、かは解らない。その敵が何を狙ったのかも明らかにはされていない。けれど、その敵が姿を現した時。そのヒーローは駆けつけた。けど、もうその敵の準備は整ってたんかも、知れへん。その敵の手にはまだ一桁の子供が居ったんやとか。
一人の子供を攫おうとしていた所、その子供の個性のせいで手間取り、追いついたそのヒーローが収納・・した事で事態は沈下を迎えた、らしい。ただ、子供はそれなりの大怪我を負い、そのヒーローはもう腕を使えなくなったそうだ。
敵がそういう個性やったんかな、ってデクくんは言う。
兎に角、そのヒーローは責任・・をとって、さらには腕も使えない事を鑑みて、ヒーローを辞めた。らしい。

「個人情報保護の兼ね合いからか、子供の詳細も、その事件もそこまで大きくは取り沙汰されることは無かったんだけど、責任、を感じた、のかな。」

名前ちゃんはスマホの画面を消して、静かに真っ暗になったディスプレイを睨みつけてた。

「…………そう。……ありがとう」
「名前ちゃん?」
「肉倉さん?大丈夫?どうか、した?」
「なんでもないわ」

静かに降りた睫毛の下で、何を抱えてるのかはわからんけど、でも、なんか、辛そうやった。
なんでもない、なんてことは無い。絶対に。



演習は、運動場γガンマを使った演習やった。
クラスを大きく敵とヒーローの2つに分けて、ヒーローが、敵を制圧するのが先か、敵がオールマイト像を三体回収するのが先か。
それぞれ、確保テープも渡されるそうだ。
数も減らし合う。という事だ。
厄介なのは、敵組はメンバーを全員わかるように全員の名前の書いてあるカードと、何も書いてないカードが貰える。
ヒーロー組には、書いてないもの一枚。
つまり、スパイ活動をされる可能性も加味しての訓練。
ただ、ヒーローにはオールマイト像の正確な位置が二体までは教えられている。それでも敵チームも、三体、大体の位置はわかってる。どっちチームになっても、難しいと思う。
集中せな!
オールマイト先生と、相澤先生の持つクジをそれぞれが引いていき、号令がかかる。

「我こそは敵、と言うものは今スタートしても良い。この3分後に、ヒーローも!向かう!」

オールマイト先生の声に、一番に動いたのは爆豪君やった。
そうして、瀬呂君、常闇君、飯田君の機動力の高いメンバーが走り出す。
一瞬迷ったけど、私も駆け出した。
手元にあるカードには、大きく『敵』と書いてある。
オールマイト像を、確保に行かないと!
地図通りに進み、オールマイト像のある、と言う建物を目前に、3分の合図の空砲が鳴り響いた。

敵メンバーは
まず、一番に出た
爆豪君、常闇君、瀬呂君、飯田君
私と一緒くらいに走り出した
砂藤君、口田君、耳郎さん
残ったメンバーは、
梅雨ちゃん、青山君、葉隠さん

正直、葉隠さんに至っては、どうしていたのかはわからないけど、多分そう!
スパイとして行動して行くんかも知れん。
とにかく、私は一度甲田君と耳郎ちゃん達とコンタクトを取ることにして、目の前の建物に3人で入る。
外には甲田君の先導で、動物たちが誰かが来たら教えてくれるようになっとる。
そうして耳郎さんが、音を聞いて誰か、をなんとなく判別。
ヤバそうなら即退避。
幸い、二つ目のオールマイト像も直ぐそこ。

「急ごう!」
「うん!」

耳郎さんの呼びかけに、皆で各階のフロアをチェックしていくも、見当たらない。

「もう、誰かとってもたんやろか……」
「どーだろ」

辺りを見渡した所で、相澤先生の声がスピーカから広がった。

「敵チーム。オールマイト像、一体確保」

そうして、最上階まで行った時に見たのは、コンクリートの剥き出され、窓ガラスも砕けたビルの最上階。高さ15センチ程のオールマイト像を手にした爆豪君やった。

「あ゛?」
「あ、安心してよ。敵組。爆豪、協力しよう」

敵と書かれたカードを見せながら言う耳郎さんの呼びかけに、はぁ?と私達を睨みつけながら爆豪君はキレる。

「爆豪君、聞いて……ヒーロー組、厄介な人が、固まっとる!……協力せな、全回収は、多分無理や!」
「最速ブッパで余裕だわ。ナメんな」
「聞いて!!多分、デク君は、メンバー固めてくるよ……!対抗策しないと……轟君と八百万さん、名前ちゃんが組んで来たら、……多分私ら勝てへん……!」

私の言葉に、少しは興味を持ったらしい爆豪君は、「20秒」とだけ言う。
多分、作戦を一応は聞いてくれようとしとるんやと思う。
私と耳郎さんは、慌てて説明をしようと口を開いたところで、甲田君が勢いよく耳郎ちゃんの肩を叩いた。

「来た!!?」
「チッ、面倒くせぇ」
「まっ、……!!うそ!」

パキパキと、建物全体が凍り始めた!
どうやらヒーロー組は20秒も時間をくれへんらしい。
「轟かよ!」耳郎さんが声を上げる。
絶対、轟君が一人、なんてことは無い!デクくんの事や。八百万さん、名前ちゃんで無くとも、誰か来る!
ガラスの張っていない窓から爆豪君が飛び出した。轟音が響く。敢えて外に出た事を教えてるんやと、思う。
多分、囮になった、みたいなつもりなんやろか。
私は耳郎さんと口田君を浮かせて、ゆっくりと隣のビルに退避させる。
あとは、私がどうにかして逃げないと!
って思ったら、もう体が動かなくなってて、視界がドロって溶ける感じ。
あー、名前ちゃんにやられたぁ!って。
この二人セットは、ズルいわ!って、思うよ。デクくん!

□□□■■

結局あの後すぐに私と口田君、耳郎さんは捕まってしまったから、モニタールームで見る事にしたけど、名前ちゃんは轟君と組んどる、って言うよりも何ていうか、轟君がフォローしとる、みたいな。
どうしょうもない苛立ちをどっかにぶつけとる、みたいな。
昼休みに見た名前ちゃんを思い出した。
なんでも言ってほしい、とは思わへん。それだけが友達やない事くらいはわかる。
でも、友達やとは思ってほしい。頼って欲しい。
名前ちゃんが苦しんでるのを、見てる事しか出来ひん。手を伸ばしてほしいのかそうで無いのかすらもわからへんから。でも、伸ばしてくれたら、掴めるくらいにはそばに居りたい。
名前ちゃんの背中なら、支えられると思うんやけど。

名前ちゃんに確保テープを巻かれた梅雨ちゃんが、モニタールームに入ってきた。

「捕まっちゃったわ」
「私も!名前ちゃんと轟君は、強いわ」
「そうね。今、どんな感じかしら?」

そう尋ねた梅雨ちゃんに、私よりも説明が上手い耳郎さんが状況を伝えた。

「緑谷と峰田、障子、切島が一緒に組んでて、そこに葉隠さんが居るんだけど、」
「あら。透ちゃんがテープを巻いたわね」
「よっしゃ!やれやれー!」

デクくんと切島君が密かに葉隠さんに捕らえられた。
そのまま今度はブーツも手袋も脱いで逃げたらしく、葉隠さんはヒーローチームから逃げおおせた。

「あっちヤバそう。」

耳郎さんの声に、もう一台のモニターを見ると、八百万さんが絶縁体を作り、上鳴君が無差別放電して砂藤君と飯田君を撃破。

敵チームがどんどんと分が悪くなってくる。

「上鳴ちゃんと百ちゃんは、ズルいわね」
「ほんまほんま!絶対組んだのデクくんやわ!」
「あー、緑谷得意だもんね。こう言うの」
「あっち、は……また不穏なメンバーね」

梅雨ちゃんの言葉に、もう一台のモニターを見て、私はちょっとだけ息を呑んだ。
朝みたいな出歯亀みたいな気持ちじゃなくて、なんか、こう。難しいけど。

「敵チーム。オールマイト像2体目、確保」相澤先生が、静かに告げた。
きっと、名前ちゃん達にも聞こえてる。

モニターに映る、崩れかけのビルの二階。オールマイト像を手にしてそこに居った常闇君と、合流したらしいオールマイト像を持つ爆豪君を見つけた名前ちゃんは単騎で突っ込んでいった。
あの肉のうねうねがバッて周りに散って、常闇君は動け無くなった。動けば、多分あのお肉に触ってまう。
でもダークシャドウちゃんはそんな中でも自由に動けるから、片腕になった名前ちゃんへと向かっていく。名前ちゃんはそれを地面につく擦れ擦れまで屈み込んで、避けながら常闇君に足払いを仕掛けようとしたのを、今度は爆豪君の爆破で阻害された。でも引くこともせずに、爆発してる中に突っ込んでいく。

「名前ちゃんらしく無いわ」梅雨ちゃんの言葉に私は頷いた。
「うん」
「肉倉さん、なんか焦ってる?」耳郎さんの言葉に、私はずぅっと今までもアナウンス以外では黙って見ている相澤先生を見た。
変わらず静かに見てるけど、その表情は少し厳しい。

モニターの向こう。追いついた轟君が氷壁を出したことで爆豪君と名前ちゃんを引き離した。
直ぐに向こうから爆豪君とダークシャドウが氷を割って、逆に名前ちゃんと轟君が捕まる、って所で名前ちゃんは個性を使って轟君を肉団子にして蹴り上げた。

「うわ!痛そ!」耳郎さんの声が上がった所で、モニタールームにデクくんと切島君が入って来た。

「やられちまったー!」
「葉隠さん、ある意味最強だよ……」
「マジそれな!普通に喋ってると思ったら、もう巻いてるんだもんな!!」
「な、慣れとるな……」

デクくん達の言葉を聞いて、思わず冷や汗が出た。
確かにそれは、対策が難しい。

画面向こうで、轟君はドア近くまで転がってから人形に戻ってて、名前ちゃんはダークシャドウちゃんに腕を掴まれる。

「うわ!常闇肉倉戦!どっちが勝つと思う?緑谷!」
「え!え、えっと……」

いつものデクくんが始まる中、
捕縛テープを巻き付けられるよりも前に名前ちゃんは腕を切り離し、ダークシャドウちゃんを蹴り上げようとして、何か叫んどる爆豪君に押さえつけられた。

「ひゃあ!」私は思わず声を上げて、
「う……痛そ……」耳郎さんが呻く。
「お、漢らしくねぇ!」
「何も、あんなに叩きつけなくても……」デクくんも思わず我に返るほどの勢いで名前ちゃんは地に押し付けられてた。
轟君がそれをフォローする為に炎で応戦する。
そうしたら、名前ちゃんに確保テープを巻こうとしたダークシャドウちゃんが怯んで、名前ちゃんは抜け出した。

「ある意味すげぇ泥試合!」
「見応えあるなぁ……」
「あ!あ!!」私はもう一つのモニターを思わず指を指す。
「「「あ」」」

抜け出して、常闇君を肉団子にして確保テープを巻き付けた所で、別のモニターに映されている透ちゃんがオールマイト像の確保をした。
画面に掲げられたピースサインにモニタールームが一気に和んだ。
そうして、今回の演習は終わりを迎えた。

名前ちゃんは、大丈夫やろか。
デクくんも、多分今の私と同じような顔をして私を見てた。


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