08 裏切ったのは誰?





私は痛む体で、安室さんのマンションに向かった。

よかった、まだ合鍵はなくしていなかったみたい。




その鍵でドアをそっと開けると
中には誰もおらず
かわりにあんなにきれいに整頓されていた部屋が
とても散らかっていて洗い場には
食器ではなく、コンビに弁当などが散らかっていた。

きっと、すべてを知って、



体が痛むけれど
少しだけでも、と思い
散らかった部屋を片付け始めた。







一通り片づけが終わったところで、
ぎこちない右手で
手紙をかいた。

安室さんに会えたこと。
うれしかったこと、

私の精一杯の思いをすべて手紙に残し、
きっと数日は帰ってこないであろう部屋の
リビングの机に添えた。


手紙には流してしまった涙が移ってしまった。














私はマンションを去り、今度はコナン君に教えてもらった
安室さんの別のケイタイに撃たれた埠頭の近くの
公衆電話電話から電話をかけた。






「はい、安室です」

「安室さん、私です。」

「え?・・・愁?!本当に愁なのか?!」


今までにきたことのない
荒げた声に、本当に心配していてくれたんだと
すこし顔がほころんだ。
背後では、船の汽笛やかもめが鳴いている。
いい天気だ。



「はい、ご心配おかけしました。」

「今どこにいる?!すぐに向かうから場所を」

「安室さん、私、もうあなたには会いたくないです。」
安室さんが敵だって知りました。
今からあなたはノックだって組織に伝えにいきます。」

「は?何言って・・・、とにかく今どこにいる?」


涙が出そうになるのをこらえ
声が震えるのをこらえ
冷たい言葉をかれに突きつけた



「私、あなたが嫌いです。大嫌いです。」

「・・・僕は、俺は愁が好きだ」

「〜〜っ、私は嫌いです。虫唾が走ります!」

「嘘、俺にはわかる。お前のこと、もうわかってる」

「裏切り者は、組織に消されればいいんです!」

「潜入捜査をするなら、それは覚悟の上だ」

「ああいえば、こういう・・・とにかく、今から組織にリークしますので!」





ガチャッ!!!





無理やり電話を切る。


そしてそのままジンに電話をかける。




「誰だ。」



電話を通じてもわかる殺気。
受話器を持つ手が震える。



「ジン、愁です。」

「・・・なに?」

「ど、どうやら私を殺し損ねた見たいね!
今度は私があなたを殺してやるわ!あなたを殺して、
そしてすべてを公表する、○○埠頭に来なさい。
決着をつけましょう。」





ガチャリ






まだ震えている手を押さえて深呼吸をする。






さあ、クライマックスだ・・・
















mae tugi

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