スカウト 花鳥風月と俺。-3e

りっちゃんとレオのインタビューと撮影がおわれば、すーちゃんと俺のインタビュー。それとすーちゃんの個別撮影をしてメンバー全員での撮影。を行って今日一日のスケジュールが終了した。帰るかーという空気が出た頃にすーちゃんはおうちの用事で帰っていった。俺も人の事言えないけどさ、忙しいやつだよね。俺も明日朝から原稿の締切なんだよな。今晩である程度締めて出さなければいけないし。書く内容は決まってるので、思い付くまま走らせればいいんだけど。その前にスルメやら買い込まなきゃ。とかかんがえてると、りっちゃんが俺の裾を引く。

「ふ〜ちゃん、俺の日除けになって」
「はいはい。いーよ。」
「もう、甘やかさないの。」
「じゃあナッちゃん、日陰になってよ」

嫌に決まってるでしょォ。紫外線を浴びてシミになったらどうするの。ただでさえ最近はストレスが溜まってお肌に悪い影響を与えてるんだから、これ以上玉の肌を傷つける訳にいかないわァ。じゃあ『王さま』が日陰になってよ。お前はまたリーダーを小間使いのように扱って。いや、俺いいよ。って言ったけど。うわっ、西日が!
そしてレオも俺の日陰にはいるのだから、なんとも不思議な構図だ。

「もう少しで月を拝めそうだったのに、その前に西日に焼かれて消滅するんだ。」
「りっちゃん、入ればいいよ。レオを追い出して。」

レオは普通に太陽浴びても平気でしょ。と俺がりっちゃんの方に移動すると、俺も眩しい!とか言って寄ってくる。俺の影はレオのものじゃありませーん。と軽口叩きながら、りっちゃんを影にいれる。転校生が気を使ってか、りっちゃんに水を渡している。ちょっと元気になったかのようで、休憩しよう。と言う。ナルくんは小腹が空いたとか言うし、俺も先に糖分入れておきたいとか思うので賛同する。セナはカロリー過剰摂取したくないと言う。ストイックすぎるセナと適度にほどほどのナルくんがカロリーを使うために行きも帰りも歩いて。なんていうのを聞きながら、レオがふらりとしないように時おり視界に入れておく。奇行は道路の往来もあるのでやらないとは思うが、下手し車道で寝転ぶなんて可能性を考慮して目を光らせる。

「ね、文哉ちゃん、司ちゃんに駄菓子を差し入れようと思うんだけど、心当たりないかしら?」
「セナは?知ってるはずないわな。」
「セナは口うるさいけど、責任感があるからな〜?でなきゃ、『Knights』を守り抜けなかっただろうし、」

新入りに何かしてあげたい。って思うほど大人になったんだよな。子どもの成長は早いっていうけど、本当だな。文哉。俺に飛んで来るの?まぁ、みんな成長するでしょうに。で、レオは知ってるの?と問いかけたら、すんなり答えが帰ってきた。…興味あったことなんだな、と思うことにしよう。

「とにかくそこに行けば、駄菓子が買えるからスオ〜には今度会ったときに渡せばいいだろ。」

スオ〜も『Knights』の一員だ。まだまだ未熟な雛だから、あいつが帰ってくるときはいつも温かくむかえてやってくれ。教える俺はあんまり優しくしてやれないからな、その分お前たちが甘やかしてやればいい。文哉もな。まだもう少し王さまの気まぐれにつきあってくれよ。絶対退屈はさせないからさ、わはははは。
ひとしきり笑ってから、レオは文哉、駄菓子屋に行くぞ!と俺の腕をつかんで先に行くぞ。と小走り。ちょっと、文哉をつきあわせるな。とセナが追いかけ出すのだから、ほんとうちは仲がよいよね。走っちゃう系青春。とりあえずナルくん。りっちゃんと転校生つれてきてくれ。っていうか、レオ。そこの店なんだから走るひつようないだろ。

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