Sweetheart

【Sweetheart】

「(ど、どうしよー……。)」

ナンパ目的なのか声をかけられて、遊びに行こうと誘ってきたが、適当に断りながら、徐々に距離を離していたのに、逃げるのを分かってたのか背の高いお兄さん達に囲まれ逃げ道はなくなった。
考えても答えは出てこず、距離を詰められて、腰に手を回されたので、やめてくださいと言って離れると。


「いいじゃんよ〜行こうよ〜」

と、ニヤニヤと笑う姿にゾッとして、鳥肌がたつ。
回りは助けようもしないというか、関わりたくないのだろか普通に見て見ぬ振りだった。
男は、今度は逃げないようガッチリ腰に手を回しグイグイと強引に歩きだす。

「い、いや!」

名無しは、力一杯に男を突き飛ばすと、少しよろめいて、怖い目で睨んできた。
「痛てぇな!このアマ!」
手を上げたので、叩かれるとわかって目をグッとつぶる。


「……あれ?」

痛みが全くこないと不思議に思った名無しは、恐る恐る目をゆっくり開けると、男の手が誰かによって止められていた。

「おっさん!手離せよ!!」

勢いよく手を離そうとする男。
しかし、相手はガッチリ掴んで離そうとしない。
回りの男達は、助けようとその相手を襲うと、掴んでる男を凄い勢いで投げつけると、襲ってきた男達は、投げつけられた男にあたって、地面に転がった。

「死にてぇ奴だけかかって来い!!」

殺気が凄い相手こそ名無しの恋人桐生一馬。
伝説と言われる堂島の龍。
そして、元東城会4代目会長としても名が知られている人物でもある。

喧嘩してる場所から急いで離れて、名無しは結末を見守ると、すぐに決着がついた。
男達は、謝りながら倒れてる仲間を担ぎその場を後にすると、桐生の殺気はなくなる。

「一馬さんありがとう」

「怪我はないか?遅かったから心配した」

大きな手で優しく頭を撫でなれると、恐怖がなくなり、ホッとして安心する。
そもそもスーパーの帰り道に、男達に声をかけられなければ遅くなることはなかったし、恋人に心配かけることもなかったなと名無しは思った。

「家に帰るか」

運がなかったんだなと頭の中で思いながら、恋人の手を繋ぎ、返事をかえして、二人手を繋ぎながら家路に向かって歩き出した。

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