朝。
目を覚まし体を起こすとだるく、喉も頭も痛い。
風邪を引いたのだ。
フラフラしながら、棚から体温計を出し、熱を測ると結構高熱で。
「今日仕事休みで良かった。1日寝てよ……」
冷蔵庫から、ペットボトルのお茶を出して、ベットに戻り横になる。
玄関のベルが鳴る。
その音が寝ていたを名無しを再び起こす。
頭が重い。
もう、こっちは風邪をひいているというのに、誰だという気持ちで、重い頭を起こし、だるい体を起こし、布団をどかし、ふらつく足並みで、確認もせずにドアを開ける。
「あっ。大吾さん……」
「おい。何で電話に出ないんだよ。心配した」
「えっ?電話?ごめんなさい。風邪引いて寝てました」
「悪い!大丈夫か?」
「辛いです」
それを聞いた大吾は、名無しのおでこを自分のおでこをくっ付けて。
「熱いな」
「…………」
更に熱くなった名無しに、大吾は。
「人に移せば治るんだよな」
「えっ!」
軽くグッと首を押されて、キスをする。
「これで名無しの風邪は治る」
「………」
ますます熱が上がる名無しなのでした。
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