目が合う

あんなに好きだった彼と別れ、立ち直るには時間がかかる。
心が内向きになっていると、ふとしたきっかけで彼のことを思い出しやすい。
思い出したが最後、ダムが決壊するかのようにその思いがあふれだして、仕事も家の事も、手につかなくなるなんてこともあった。
だから、仕事友達と、買い物とか神室町で遊んだりして、積極的に外に出た。
楽しくて気持ちが明るくなれば、悶々と考えることが少なくなったのだ。


ある時友達が、合コンするから来なよ!と言ってくれたが、まだ駄目で断ったが、結局無理矢理参加になった。
友達は盛り上がっていたが、自分は悪いと思って無理に合わせていた。
合コンが終わって、女子会になり。

「名無しさぁ〜。早く忘れて新しい恋しなよぉ〜」

“逃がした魚は大きい”
そんなことわざがあるが本当で、2度と会えない位いい男性だった。
その人は、神室町の人なら知ってる東城会六代目会長…名前は堂島大吾さん。
喫茶店アルプスに、大吾さんが来たのがきっかけで、仕事の店長から、あの人はヤクザと教えてもらった時は、最初は怖くて、関わりたくないって思っていたが、恋に落ちて恋人同士になる。
まぁ……結局別れるんだけど。

「悪い名無し……別れよう」

この言葉が、最後だった。


今なら冷静な分析が出来る…いい男性だったが、嫌いな所があったなと、”逃がした魚は大きい“は、過剰評価だと思う…けど。
本当格好いい、素敵な男性だったのだ。



友達と別れ家に帰る途中、ふと横を見ると、何処かで見た事がある姿。
よく見ると、黒のスーツ元彼氏堂島大吾の姿があった。

「!?」

会わないように、はや歩きに歩くと、何かを感じたのか、堂島大吾と目が合ったような気がして、走って去った。
劇場前でたち止まるり、振り向く。

失恋の立ち直りは、時間がかかるが……、
新しい恋をしながら、私らしさを取り戻そうと誓って、家路に歩く。




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