男達に囲まれた大吾。
「返してもらおうか」
「はぁ?何の話だ」
「お前たちがさらった女だ!」
目の前にいる男を、強烈なキックを食らわすと、壁までぶっ飛び崩れ落ちる。
それを見た他の男達は、大吾に襲いかかる。
パンチ攻撃がきたが、冷静にスウェーで交わし、敵の隙に打撃技を打ち込むと、床に倒れる。
後ろからバットを持った男が、叫びながら突っ込んできたが、よけてアッパーカットを食らわした。
わずか数分で、男達全員倒した。
大吾は、ドアを開けると、ソファーに寝かされている名無しを見つけ、急いで近寄って声をかける。
「名無しさん!」
声をかけても返答がなく、軽く揺さぶっても起きないため、大吾はお姫様抱っこで、雑居ビルを後にした。
「うーん……ん?」
名無しが目覚めて、寝ながら回りを見渡す。
自分の働いている店の休憩室だった。
「(あれ?確か……男達に囲まれて、いきなり意識がなくなったんだ……なんでここにいるんだろう?」
理解できなく、少しふらつくが、立って休憩室を出る。
「名無しさん!もう起きて大丈夫!」
「店長。すみません」
「それは大丈夫。堂島さんが助けてくれたんだよ」
詳しく店長から聞いた名無しは、堂島大吾がいるカウンターに行ってみる。
「(あっ)」
お酒を飲む姿が様になっていて、つい声をかけずに、見てしまった。
目線に気づいたのか、名無しの方に顔が向けられる。
「名無しさん。起きたんですね。良かったです」
「堂島さん!ありがとうございます。店長から聞きました」
「怪我とかなくって良かったです。また何かあったら電話してください。」
プライベートの電話番号が書いてある名刺をくれた。
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